【2025年 真夏のホラー小説紹介】ライトノベル・新文芸・エンタメ小説の「怖い本」で、冷房いらずの読書体験はいかがでしょうか?

夏の風物詩といえば、やっぱり怪談。ページをめくった瞬間、あなたの日常がちょっとだけ、なにかに侵食されていく──。見てはいけない、読んではいけない、それでも手を伸ばしてしまう。背筋を凍らせる、ライトノベル・新文芸・エンタメ小説の「怖い本」をご紹介します。
<目次>
・近畿地方のある場所について
・光が死んだ夏
・入居者全滅事故物件
・ほうかごがかり
・断章のグリム 完全版1 灰かぶり/ヘンゼルとグレーテル
・何かの家
・猟奇の贄 県警特殊情報管理室・桜庭有彩
・邪祓師の腹痛さん
・夜勤事件 Chilla’s Art ノベライズ集
『近畿地方のある場所について』
著者:背筋
❐ 2025年8月8日(金)より映画公開した、今年の夏大注目のホラー映画の原作小説! WEB小説サイト「カクヨム」で連載していた頃からの話題作で、原作小説は2024年の「このホラーがすごい!」国内編で1位を獲得しています。「本当にあった話?」と思うような、リアル感と恐怖を味わえる、ゾクッとするモキュメンタリーホラーをどうぞ!

▽あらすじ▽
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近畿地方のある場所にまつわる怪談を集めるうちに、恐ろしい事実が浮かび上がってきました。
『光が死んだ夏』
著者:額賀澪 原作・イラスト:モクモクれん
❐2025年夏アニメで放送中のこちらの作品は、『ヤングエースUP』にて連載中の大人気漫画が原作のノベライズ作品。田舎の町を舞台に、少年と親友の間に起こる怪異青春ホラーです。原作の独特な雰囲気や世界観が忠実に表現されているので、漫画はもちろん、アニメしか見ていない方にも是非読んで欲しい一冊!

▽あらすじ▽
ある集落で暮らす少年、佳紀。
閉鎖的な環境に嫌悪しつつ、同い年の幼馴染み・光と何年も変わらぬ日々を過ごしていた。
今日もいつもと同じ顔で、いつもと同じように隣に立つ幼馴染み。
しかし佳紀は、光が別のナニカにすり替わっていることに確信を持ってしまう。
時を同じくして、集落では怪奇事件が起きはじめ……。
このままで良いはずがない。
けど、本物の光じゃなかったとしても、一緒にいたい。
矛盾する葛藤を抱え、佳紀がとる選択は――?
『入居者全滅事故物件』
著者:春海水亭/イラスト:安藤 賢司
❐敷金・礼金・家賃は一切不要。ただし、葬式代は自費負担──。そんな溢れ出る緊迫感と、絶妙なブラックユーモアが交錯する、唯一無二の作品! 時にギャグのようなコミカルさも合わせ持つ、SFアクション不動産ホラーはこちら!

▽あらすじ▽
『私、ストロング・ザ・メリーさん……』
深夜二時に東城明子のスマートフォンにかかってきたのは、都市伝説怪談めいた内容だった。
だが、ストロング・ザ・メリーさん……!?
何かがおかしい……。
「その……イタズラですか……?」
『貴様を殺す』
!!
そして再び震えたスマートフォンからは
『私……ビッグ・ザ・メリーさん……』
!?
連続する怪異に慄く明子にしかし、希望の声が聞こえてきたのもその後すぐであった。
『俺は俵さん、今アンタを助けに行くよ』
間一髪、『バケモン共をしばいて回っている男』俵耕太に助けられた明子だったが、俵の口からは再び耳を疑うような言葉が発された。
「非道建築タワーマンションのバケモンがアンタを狙っている」
常軌を逸した最強最悪の事故物件との、壮絶な戦いが始まった──
『ほうかごがかり』
著者:甲田学人/イラスト:potg
❐ホラーの鬼才・甲田学人の最新作は、「学校の七不思議」を新たな解釈を提示している、恐怖と絶望が支配する“真夜中のメルヘン”。「次にくるライトノベル大賞2024」では、文庫部門第9位を獲得! 「電撃ノベコミ+」で独占連載中で、最新5巻まで出ている大注目のラノベホラー作品です。

▽あらすじ▽
よる十二時、ぼくらは『ほうかご』に囚われる――。
『ほうかごがかり 二森啓』
小学六年生の二森啓はある日、教室の黒板に突如として自分の名前が謎の係名と共に書き込まれているのを目撃する。その日の深夜十二時、自室。学校のチャイムが爆発的に鳴り響き、開いた襖の向こうには暗闇に囲まれた異次元の学校――『ほうかご』が広がっていた。
学校中の教室に棲む、『無名不思議』と呼ばれる名前のない異常存在。ほうかごに呼び出された六人の少年少女は、それぞれが担当する化け物を観察しその正体を記録するために集められたのだった。絵が得意な啓は屋上に潜む怪異『まっかっかさん』を捉えるべく筆を手にするが……。
『断章のグリム 完全版1 灰かぶり/ヘンゼルとグレーテル』
著者:甲田学人/イラスト:あんりふれ
❐『ほうかごがかり』の甲田学人による、グリム童話が題材のホラーラノベの金字塔的作品。2025年に完全版として、メディアワークス文庫より3冊刊行され話題になっています。恐怖の『灰かぶり』と『ヘンゼルとグレーテル』『人魚姫』『赤ずきん』をご堪能あれ!

▽あらすじ▽
この世界の怪現象は全て、神の見た悪夢の泡である。集合無意識の海から浮かび上がった悪夢の泡は、個人の恐怖と混ざり合い、歪んだ「童話」となって現実世界に溢れ出す。
凄惨な過去を抱え悪夢と戦う時槻雪乃。普通であることが信条の白野蒼衣。二人は〈神の悪夢〉を滅ぼすため、想像を絶する物語を追い、その悲劇を解き明かしてゆく。悪夢が作り出した『灰かぶり』と『ヘンゼルとグレーテル』。その恐怖と結末は。すべての起源に迫る奇書『マリシャス・テイル』初収録の完全版。
『何かの家』
著者:静月遠火
❐夏休み、帰省の時に起きる出来事。一人で入ってはいけない部屋。湧き起こる違和感の数々。あなたは果たして気づけるのか――。部屋で一人じっくり読みたい、夏にぴったりのミステリーホラーはこちら!

▽あらすじ▽
その家には約束事がある。それは“決して一人で入ってはいけない”ということ――。
大学生の冬馬が夏休みに実家に帰省すると、父親から民俗学を学ぶ学生・雪穂のフィールドワークのためにある場所への案内役を頼まれる。そこは例の約束事がある家だった。目的地に向かう道中、雪穂は不思議な話をする。曰く、例の家には必ず誰か一人が囚われて、次の人が来ない限り永遠に出られなくなってしまう、というもので……。
――これは、家にまつわるひと夏の物語。
『猟奇の贄 県警特殊情報管理室・桜庭有彩』
著者:牧野 修
❐人と人のつながりを糸で見る事ができる、という特殊能力を持った新人女性刑事が、「笑顔の生首」「拷問ショー」「上瞼と下瞼が赤い糸で縫い付けられた男」など猟奇事件に挑む! SFや警察小説好きにもおすすめしたい、ホラーミステリー。

▽あらすじ▽
とある反社会的組織に対抗するために設立された特殊情報管理室。そこに配属された桜庭有彩には、人と人のつながりを糸という形で可視化できる特殊能力があった。
有彩は同僚である柿崎と共に、ある失踪事件を洗いなおすことになったのだが、それは大きな事件の一端で――。
少年たちを狙った生首事件、宗教団体の信者による人肉食事件、そして謎の団体による拷問ショー。一見バラバラに起こっているように見えた数々の猟奇的な事件は、ある一人の女性につながっていく。
『邪祓師の腹痛さん』
著者:深川我無/イラスト:THORES柴本
❐"邪悪は人目の届かぬ場所でコレミヨガシに踊る" 。古今東西のあらゆる術式を用いて怪異を祓う「邪祓師」と、明るく人懐っこい「助手」のやり取りが面白い! オカルトやバディものが好きな人におすすめしたい、ホラーエンタメ小説!

▽あらすじ▽
霊障による腹痛に苛む「腹痛さん」こと邪祓師の卜部と、その助手かなめ。
二人が待つ心霊解決センターには、他所で匙を投げられた陰湿で難解な依頼が日々持ち込まれる。
離婚調停中の妻の霊に悩むサラリーマン、勤務先のプールで体内に何かを孕んでしまったスイミングスクール講師、奇怪な因習を抱える老舗旅館。
深い人間の業と欲、そこに渦巻く邪悪なモノを祓うため、卜部とかなめは深淵へと突き進む。
『夜勤事件 Chilla’s Art ノベライズ集』
著者:東亮太/原作・監修:Chilla's Art
❐原作は、ゲームクリエイター・チラズアートが手がけた、じわじわと恐怖が迫る“夜勤体験型ホラー”。『夜勤事件』ほか、『閉店事件』『夜間警備』『誘拐事件』『パラソーシャル』の計五編を収録されています。小説ではゲームの世界観をもとに、主人公の心理描写や背景が掘り下げられており、物語としても大満足! ゲーム未経験者でも満足な一冊です。

▽あらすじ▽
大学生の田鶴結貴乃は生活費を稼ぐため、コンビニで高額時給の深夜バイトを始めた。だが初出勤にもかかわらず先輩の船橋は早々に退勤し、いきなりワンオペの夜を過ごすことになってしまう。そこへ降りかかる奇妙な出来事の数々。謎の忠告をしてくる客。故障なのかひとりでに開閉を続ける自動扉。そして自分宛に届いた謎のビデオテープ。テープの差出人は不明で、再生してもただ暗闇が映るばかり。さらにその後も毎晩奇怪なトラブルが相次ぎ、ついには自宅にまで差出人不明のビデオテープが送られてきて――。
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怖いけど、気になる。怖いけど、止まらない。そんな“クセになる恐怖”に出会えるのが、ホラー読書の醍醐味ですよね。まだまだ暑い日が続きそうなので、冷房いらずの読書体験はいかがでしょうか。
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