巡る冬の果てで、君の名前を呼び続けた

発売日 : 2024/12/25
第20回MF文庫Jライトノベル新人賞〈優秀賞〉受賞作!
勇者によって魔王は討ち倒され、この世界から魔王の脅威はなくなった――だが世界は平穏を手にすることはできなかった。決戦時の強大な魔力の余波が、人類を侵し滅びをもたらしてしまったのである。
世界の平和と人々の命を守るために尽くした勇者一行の一人・魔法師エルメもその例に漏れず、大切な人を失い、自らの死期もそう遠くないことを悟った。
孤独となり自身の存在意義と未来を見失った彼女は、がむしゃらに王都から飛び出した先で、アンデッドの少年と出会う。
不思議な彼に勇気を貰い、余命わずかな少女と不死の少年は、終わりゆく世界を巡って、幸せな思い出と生きた証を後世に残すことを目指す旅に出る――
  • レーベル: MF文庫J
  • 定価: 748円(本体680円+税)
  • ISBN: 9784046843418

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みんなのレビュー

  • よっち
    2024/12/25
    勇者により魔王は討ち倒されたはずが、決戦時の強大な魔力の余波が滅びをもたらしてしまった世界。勇者一行の一人だった魔法師エルメがアンデッドの少年と旅に出る物語。一行唯一の生き残りで何とか復命したものの、お前たちのせいだと糾弾されて大切な人を失い、自らの死期もそう遠くないことを悟ったエルメ。孤独となり自身の存在意義と未来を見失った彼女と出会ったディート。自分にできることを求めての果てしない旅はなかなか胸に来るものがありましたけど、何度も歴史を繰り返す定めの中で、ようやく引き寄せた結末はなかなか良かったですね。
  • 和尚
    2024/12/29
    表紙とタイトルに惹かれ、あらすじも読むことなく購入。そして、内容も良かったです。 魔王を倒した後、滅びゆく世界の中で、余命が限られている少女と余命という概念のないアンデットの少年の旅路。 静謐な物語でした。二人の心が近づき、同時に終わりも近づいていく様、そして、その後の展開は心を揺さぶられるものでした。
  • サキイカスルメ
    2024/12/27
    勇者と魔王、その決着は相打ちで終わった。人類を救うはずだったその結果は、人類を滅ぼす病の蔓延だった。勇者一行での唯一の生き残り魔法使いの少女と、謎のアンデッドの少年が出会い、最後の旅をするファンタジー。期待していたものはしっかりと読めて、更にそれを上回る好みの展開に読んでいてとても幸せになれました。繊細で綺麗な文章も堪能できて大満足!!何者でもなかったものが想いの力で主人公になりえる物語、大好きなんだよなぁ。色々なものを超えた先に残ったものは、世界よりも君だったの好きすぎる。
  • のれん
    2024/12/31
    ネタバレあり
    『ツァラトゥストラはかく語りき』という永劫回帰の概念をハッピーエンド解釈に当てはめるなら本作が該当するだろうか。もちろんニーチェ思想とは大きく外れると思うが、愛の運命が定められ、その道を語り手が見つけていく点が似ている。数億年単位のサイクルを以て回帰する世界で始まりも終わりもなく彼は愛を発見する。 キリスト教から発展した美しい愛の極致であり良かった。しかし本当に個人的な見方になるが、彼らの中で育まれた愛は(神のような)運命で定められた感があり、不安定な感じがしなかったので、海外小説のような感覚があった。
  • 真白優樹
    2024/12/28
    勇者と魔王が相討ちとなり、世界に広がった悪性の魔力で滅びゆく世界で勇者の仲間だった魔法使いの少女と、記憶喪失の不死の少年が出会い始まる物語。―――巡り続ける冬の果て、君思い叫び届ける力。 生きた証を残す旅、只一人思い出を巡り続ける旅。数え切れぬ時を巡る中、少年が背負った宿業が語られ、永遠に続く出会いと別れのその先に輪廻を断ち切るために駆けだして未来を拓く。正に万感の思い駆け抜ける物語であり真っ直ぐに感動できる物語である。輪廻を越え続く世界、歩く彼らに幸せがありますように。 うん、最高に面白かった。