週に一度クラスメイトを買う話 ふたりの時間、言い訳の五千円
発売日 :
2023/02/17
気まぐれな女子高生の日常は、少しずつ変化していく。
彼女――宮城は変だ。週に一回五千円で、私に命令する権利を買う。一緒にゲームしたり、お菓子を食べさせたり、気分次第で危ない命令も時々。秘密を共有し始めてもう半年経つけれど、彼女は「私たちは友達じゃない」なんて言う。ねぇ宮城、これが友情でないのなら、私たちはどういう関係なの?
あの人――仙台さんでなければいけない理由は、今も別にない。私のふとした思い付きに彼女が乗った、ただそれだけ。だから私は、どんな命令も拒まない彼女を今日も試す。……次の春、もし別のクラスになったとしても彼女はこの関係を続けてくれるだろうか。今は、それがちょっとだけ気がかりだ。
あの人――仙台さんでなければいけない理由は、今も別にない。私のふとした思い付きに彼女が乗った、ただそれだけ。だから私は、どんな命令も拒まない彼女を今日も試す。……次の春、もし別のクラスになったとしても彼女はこの関係を続けてくれるだろうか。今は、それがちょっとだけ気がかりだ。
- レーベル: ファンタジア文庫
- 定価: 770円(本体700円+税)
- ISBN: 9784040748788
シリーズ作品
一覧で見る
ファンタジア文庫の新刊
みんなのレビュー
-
芳樹2023/02/1845標題通り、とある切っ掛けで高校2年の女子・宮城が、一回五千円で同級生女子の仙台さんを買うお話し。友達でも恋人でもない、かといって赤の他人でもない二人が”売買契約”のもとに交流を深めていくうちに、何となくお互いがお互いの居場所になっていく。そんな二人の様子が淡々と綴られていく様子が、実に美しく心に突き刺さります。名前の付けられない関係の彼女たちが最後に行った行為は、二人のあり方を変えていくに違いない。二人がこらからどんな関係になっていくのか。続きを楽しみにしています。
-
よっち2023/02/1739ふとしたきっかけから、1回五千円で週に1~2回、同級生の宮城の部屋で命令される権利を行使される仙台。いつしか気まぐれな彼女の日常に振り回されるようになってゆく青春小説。一緒にゲームしたり、お菓子を食べさせたり、気分次第で危ない命令も時々。秘密を共有し始めて半年経っても、友達でも恋人でもないそんな曖昧な関係。ストレスの溜まる学校生活や家庭環境に疲れて、なのに居場所となりつつある宮城の考えていることが分からないことにイライラする展開は分かる…と思いながら読みましたが、踏み込んでここからどう変わるのか期待です。
-
翡翠2023/02/1729ネタバレあり百合百合しい作品かなと思ったら全然そんなことなかったけど最後まで読むとこれはこれで良きの百合!最初は命令で足を舐めるところから始まって色んなプレイをする。その時のお互いの感情を上手く表していて週1に1回しか会わない距離の関係も良かった。友達でもないもどかしかった関係が最後に足を踏み入れたのでこれからどうなるか楽しみ。
-
わたー2023/02/2027★★★★☆め…めんどくせえええええ。スクールカースト中の下である宮城さんが、決して交わることのなかったスクールカースト上の下である仙台さんの放課後を1回5000円で買い取ることから、二人っきりの名前のない関係が始まるという物語。この形容しがたいぞわぞわした感覚はなんなんだ。「命令」という暇つぶしの延長線のような、たまに危なっかしいお遊びによって繋がる奇妙な関係が淡々と描かれていくのだが、これが快と不快の間を行ったり来たりしていて妙に落ち着かない。
-
ユウ@八戸2023/05/2722ネタバレあり週に一度、クラスメイトを5千円で買う話。盛り上がりもないしふたりは女子高生らしくひねくれてるし文章も淡々としてるのに、続きが気になって読む手が止まらない。背徳的で、官能的でもあるお金を払った『ふたりきり』の空間にとても心打たれました。宮城、めちゃくちゃひねくれてるけどな。仙台さんもスクールカースト上位で真面目だけど家庭がアレという、似てないけれど似た者同士な関係がおもしろい。友達ではない関係から少しだけ進んだふたり。2巻が来月出るので楽しみに待ってます。『実は寂しがり屋』という注釈が全て物語ってる宮城。
powered by
レビューをもっと見る