竜の姫ブリュンヒルド

発売日 : 2022/11/10
すべてを赦し、ただ一度、憎んだ
人々は彼女をこう呼んだ。時に蔑み、時に畏れながら、あれは「竜の姫」と。
 帝国軍の大砲が竜の胸を貫く、そのおよそ700年前―-邪竜に脅かされる小国は、神竜と契約を結び、その庇護の下に繁栄していた。
 国で唯一、竜の言葉を解する「竜の巫女」の家に生まれた娘ブリュンヒルドは、母やその母と同じく神竜に仕えた。 竜の神殿を掃き清め、その御言葉を聞き、そして感謝の貢物を捧げる――月に、七人。
 第28回電撃小説大賞《銀賞》受賞の本格ファンタジー、第二部堂々開幕!
  • レーベル: 電撃文庫
  • 定価: 726円(本体660円+税)
  • ISBN: 9784049146790

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みんなのレビュー

  • よっち
    2022/11/10
    帝国軍の大砲が竜の胸を貫くそのおよそ700年前。邪竜に脅かされて神竜と契約を結び、その庇護の下に繁栄する小国。唯一竜の言葉を解する竜の巫女の家に生まれた娘ブリュンヒルドの物語。母やその母と同じく神竜に仕え、竜の神殿を掃き清めてその御言葉を聞き、月に七人の供物を捧げる状況に疑問を感じたブリュンヒルド。幼馴染の王子や従者たちと協力して過去の歴史を探り、何とか変えようとする強い決意があって、そこからの急展開では業の深さを突きつけられましたけど、それでも絆を信じて最後まで貫き通すその姿がなかなか鮮烈な物語でした。
  • オセロ
    2022/11/11
    これは「竜殺し」編の700年前の物語。 神龍にある供物を捧げることで邪竜から民を守ってもらっているとある小国で、神龍と唯一と意思疎通が出来る「竜の巫女」の家系に生まれたブリュンヒルド。ひょんなことから神龍の秘密を知ってしまったブリュンヒルドが王国の王子や互いが信頼している従者達に相談して、神龍にあるお願いをしたところ逆鱗に触れてしまい… ブリュンヒルドと仲間達、そして神龍の執念が交錯することで二転三転する展開とその結末はあまりにも壮絶なものでしたが、「竜殺し」編へと繋がるエピソードには唸りました。
  • yosa
    2023/07/13
    ネタバレあり
    処女作を読んだ人には間違いなく受け入れられるであろう、あれを更に煮詰めたような美しく且つ厳しい、そんなお話でした。読むには体力必要。でもなんか神竜が悪者なんですよ。本当は悪いやつじゃないはずなのに、本文にもそれについて触れられているのにどうも読後は凄い悪いやつだという印象になってしまっているんですよ。まあブリュンヒルドを斬りつけたり噛みついたりするからいけないんですけどね。好きならばそこまでする必要はなかったんだよ君。既にデッドエンドだったから暴れたくかるのはわかるけれどね。次作は更に煮詰まるのかなこれ。
  • しん∞SHI−N
    2023/12/28
    【愛する心を教えてくれた貴女の全てを赦します】国を守る為に神竜と契約を結び、竜の巫女として仕えるブリュンヒルドが、生贄を捧げる事に疑問を持つ事で始まる愛と忠義の物語。国の平和を守る為に奴隷を生贄にする矛盾。供物を断てば、邪竜が国を襲う伝承に疑問を感じるブリュンヒルド。その疑問を解消する為に、従者のファーヴニルと共に国外を出る。そこで知る神竜の邪悪な自作自演。しかし、時は既に遅くシグルスに乗り移り、壮絶な裏切りに遭う。それでも、好きだからこそ復讐はしない。竜の姫の信念と意志を受け継いだ従者は愛に殉じるのだ。
  • 羊山羊
    2023/06/04
    前著より重い!ラノベでやる重さじゃないでしょ!神竜に守られる街、ノーヴェルラント。その巫女ブリュンヒルドは、一か月に7人の生贄を止めるために神竜と交渉する。そこから、竜と人の壮絶な騙し合いが始まるのである。もうね、著者がチョー意地悪!ギリギリの所ですっと全てがぶっ壊れるフラグがてんこ盛り。また、竜と人、過去と今に込められた4つの意味合いが読者も含めて情緒をぐっちゃぐちゃにしてくる!凄かった。