キ-リ 死者たちは荒野に眠る
発売日 :
2003/02/25
孤独な少女が出逢った男は<不死人>だった。
キーリは教会の寄宿学校に通う14歳の少女。霊感が強く霊が見えることから、神の存在や教義に疑問を抱いており、学校でも孤立していた。 冬の長期休暇の初日、キーリは旅の<不死人>の青年ハーヴェイと、その同行者の小型ラジオの憑依霊・兵長と知りあう。不死人は戦争で量産された不老不死の兵士であり、現在は教会に追われる身。自分と同じく霊が見える人間にはじめて出会ったキーリは、彼らの旅についていく事に……。鉄道旅行を続ける中、様々な亡霊たちとの出会いと別れを経験しながら、キーリはやっと自分の居場所を見つけた気がしていた。 ――旅の終わりは思いのほか早く訪れる――。ハーヴェイが教会の<不死人狩り>に捕まってしまい、キーリは寄宿舎に帰されてしまったのだ。孤独な日常に戻ったキーリ。しかし、彼女の長くて短い休暇は、終わったわけではなかった……!? 圧倒的なキャラクターの魅力と、お話の面白さで読み手を引き込み離さない超力作。第9回 電撃ゲーム小説大賞<大賞>受賞作品! イラストは、同じ第9回 電撃ゲームイラスト大賞<大賞>受賞者・田上俊介が担当。
- レーベル: 電撃文庫
- 定価: 605円(本体550円+税)
- ISBN: 9784840222778
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電撃文庫の新刊
みんなのレビュー
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スズ2018/05/2776教会の寄宿学校に通う孤児の少女・キーリは、霊感を持つ故に周囲から気味悪がれ居場所のない日々を送っていたが、駅舎の片隅でオンボロのラジオを携えた謎の青年・ハーヴェイと出会う。キーリは、ラジオに宿った兵士の霊を墓前に連れて行く旅の途中だという彼の旅路に衝動的に同行を申し出るが…。誰かと一緒にいたいのに仲良くなれるのは死者ばかりで、そんな彼らも自分を置いて消えてしまい、いつも一人ぼっちになってしまう辛さに嗚咽が止まらなかったキーリが、「きつかったよな」と抱き締めてくれる理解者と出会えた事が本当に嬉しかったです
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扉のこちら側2010/01/2349発売当初に読了。荒廃した世界、人間兵器的な存在と周囲から乖離した存在の少女というお約束ともいえる設定を、オリジナリティ溢れるストーリーに仕上げた読ませる小説。
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まりも2014/11/1746霊が見える少女キーリと「不死人」のハーヴェイ、ラジオに憑いた幽霊の兵長の旅の物語。戦争によって荒廃した世界、どこか暖かくて悲しい物語と自分の好きなゾーンにドストライクな作品。幽霊とキーリの交流、ハーヴェイや兵長といった渋いキャラクターとのやり取りとキャラが非常に魅力的なのが良いですね。難点は物語に馴染むまでに時間がかかる事で序盤は読んでいて退屈でしたがそれ以降はこの世界観に入り込めました。次巻も楽しみ。
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扉のこちら側2014/01/2743再読。2014年37冊め。本棚整理で手に取ったが、旅の続きが気になる。続巻を購入してしまったら本棚の整理にならないなあ。
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さや2021/05/1330ネタバレあり★★★★☆《Kindle Unlimited》幽霊を見ることができる少女キーリと不死者のハーヴェイ、そしてラジオに取り憑いている兵長…この不思議な3人が旅する中で互いが必要な存在になっていく。作中でキーリが別れを体験する度に切なくてうるっとした。独特な文体も世界観によく合っている気がしていい。『死ぬ』ことはできるけど、共に『老いる』ことはできないってつらいよな。今後2人(実質3人)はどうなるんだろう。アンリミが終わってしまい続きをどうするか悩み中。
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