賭博師は祈らない

発売日 : 2017/03/10
第23回電撃小説大賞《金賞》受賞作品!
十八世紀末、ロンドン。
賭場での失敗から、手に余る大金を得てしまった若き賭博師ラザルスが、仕方なく購入させられた商品。
――それは、奴隷の少女だった。
喉を焼かれ声を失い、感情を失い、どんな扱いを受けようが決して逆らうことなく、主人の性的な欲求を満たすためだけに調教された少女リーラ。
そんなリーラを放り出すわけにもいかず、ラザルスは教育を施しながら彼女をメイドとして雇うことに。慣れない触れ合いに戸惑いながらも、二人は次第に想いを通わせていくが……。
やがて訪れるのは、二人を引き裂く悲劇。そして男は奴隷の少女を護るため、一世一代のギャンブルに挑む。
  • レーベル: 電撃文庫
  • 定価: 693円(本体630円+税)
  • ISBN: 9784048926652

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みんなのレビュー

  • スズ
    2017/11/22
    18世紀末、賭博が街の華となったロンドン。怠惰で面倒臭がりの賭博師・ラザルスは、誤って博打で大勝ちしてしまった大金で購入した、喉を焼かれた奴隷の少女リーラと共に暮らす事に…。守るものを持たなかった孤独な賭博師と絶望と恐怖で身が竦んでいた少女がいつの間にか一つの家族になっていく物語。希望を徹底的に折られ、不安と疑念ばかり瞳に浮かべていたリーラが、ラザルスと過ごす日常の中で年頃の少女らしい表情を取り戻していく様子が良く、己の人生を賭け金にしてでもリーラを手放したくない程に彼女を大切に想うラザルスがカッコいい。
  • 中性色
    2017/03/14
    頭を撫でる。というわけで今年の金賞作品。最近よくある奴隷少女絡みの作品だけど、それらしいところは一切ない。まぁ、話の質的にはそういうのはあまり似合わなさそうだから、それはいいかな。ただ、続きの要素も考えながらだからかプロローグ的な高低の低さがちょっと目立ったかな。この作品はギャンブルの心理状況や高揚感を描ければ面白いけれど、そこもポイントになるかな。キャラの質は総じていいけど、続けるとラザルスとリーラ以外は使い切りになりそうなのを防げるかな
  • まりも
    2017/03/12
    派手な勝利はしないをモットーにやってきた賭博師・ラクサスが、喉を焼かれ感情を失った奴隷の少女と出会うところから始まる物語。なかなか良かった。ヒロインが性奴隷ということで、一体全体どんな物語なのか気になっていたけど、予想以上に硬派というか渋い物語だったのにはびっくり。これまでギャンブラーとして生きてきた男の誇り、生き様をこれでもか!という程感じました。ヒロインも非常に可愛らしく、彼女の為にラクサスがこれまでの信条を捨て大勝負に出るシーンはとても良かったです。これシリーズ化したら買おうかな。
  • 佐島楓
    2017/04/01
    喉を焼かれ声を失った奴隷の少女と、それを買った賭博師という設定から、陰惨なものを想像しておののいていたのだが、そんな心配はあまりいらなかった。ギャンブルのシーンは素人離れした筆遣いで洒脱で、会話も軽妙な印象。受賞するだけあってレベルが高い作品だ。
  • むっきゅー
    2017/09/10
    18世紀ロンドンを舞台にした若き賭博師との物語。暴力が支配する時代、賭博師が長生きするには勝ち過ぎは禁物。ウッカリ大儲けしてしまったラザルスは、賭場に利益を還元するために奴隷を購入したことから、物語が始まる。奴隷のリーラは褐色の美少女。好事家向けに声を潰され恐怖で心を支配されている、かわいそうな娘。。。なにこれヤバイ。リーラ、超カワイイんですけど!特に、ラストシーンは、まじアカン。。。コホン。時代考証もしっかりしていて、当時のイギリスの空気もすごく感じられる、本格派の作品でした。