読者と主人公と二人のこれから

発売日 : 2017/04/08
――だから、わたしの初恋はエピローグのあとに始まるのです。
この物語さえあれば、他に何もいらない。この小説『十四歳』と、その中に確かに息づく主人公、トキコがいれば──
だが、彼女は俺の前に現れた。
灰色の毎日の始まりになるはずだった、新学年のホームルーム。黒板の前に立った彼女こそは、俺が手にした物語の中にいたはずの「トキコ」だった。
不器用に近づいていく二人の距離。
物語の中にいる「トキコ」と、目の前にいる「柊時子」のあいだで、奇妙に絡まってゆく想い。出会うはずがなかった読者と主人公の物語。その結末にあるものは──。
  • レーベル: 電撃文庫
  • 定価: 671円(本体610円+税)
  • ISBN: 9784048926034

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みんなのレビュー

  • S.T.
    2017/04/12
    ネタバレあり
    面白かった!あらすじだけではファンタジー要素ありなのかどうか区別がつかなくて保留してたんだけど、試し読みでなしと判断できたので購入。主人公の細野晃が、高校入学時のクラスの自己紹介で、愛読書「十四歳」に登場するヒロインにそっくりの少女と出会うことから始まる物語。時子は「十四歳」のヒロインのモデルというだけで、本人は内向的な少女。主人公は子供時代の小さな失敗を引きずってしまったごく普通の少年。そんな平凡な二人が不器用ながら恋をしていく素敵な恋物語だった!友人二人との関係も実に良くて、ぜひ続きが読みたいな。
  • まりも
    2017/04/09
    灰色の毎日の始まりになるはずだった新学期のホームルーム。細野の愛読書「14歳」に登場する主人公・トキコのモチーフとなった少女と出会い、恋をする青春物語。あぁ、なんて綺麗な物語なんだろう。さりげない平和な日常を繰り返していく中で、物語を通じて出会った不器用な少年と少女の世界が広がり、そして恋に落ちていく。すごくありふれた筈の物語なのに、これだけ心を捕らえて離さないのは、きっとこの作品が彼等の恋をとても丁寧に描いてくれたからだと思います。静かでいて美しい、心に残る素晴らしい1冊でした。次回作も楽しみだ。
  • よっち
    2017/04/08
    期待もない新学年のホームルーム。高校生・細野亮の前に愛してやまない物語の中にいた「トキコ」そのままの少女・柊時子が現れる出会うはずがなかった読者と主人公の物語。見れば見るほどそのままの時子との出会い。一緒に過ごしてゆくうちに想いが少しずつ積もってゆく一方で、自分の中で湧き上がってくる違和感。主人公の周辺を切り取ったようなクローズな世界観で、あまりにも不器用な二人の距離感にもどかしくもなりましたが、物語をきっかけに知り合った二人が物語で心を通わせて、これからの二人の世界の広がりを予感させる素敵な物語でした。
  • 中性色
    2017/04/17
    読心術。というわけで、同時進行的ラブコメディ。キャラも過不足なくしっかり立っていて、シンプルかつ王道で面白い。しっかりと伏線を回収していってるのもいい。ただ、基の十四歳は動機付けぐらいで本編ではそんなに絡んでくるわけではない感じだな。掘り下げもまだ甘いところがあるけど、これは今後もある形なんだろうか。個人的には時子と伊津佳が好み
  • 芳樹
    2019/06/05
    ネタバレあり
    細野晃は入学した高校で自分の大好きな小説の主人公トキコと瓜二つの同級生、柊時子と出会う。実は時子はその小説の作者の妹で主人公のモデルであった…。言葉に出来ないムズムズ感があります。ああ青春。良い。とても良いラブストーリーでした。タイトルも本当に秀逸。岬作品は「三角…」を先に読みました。ですから、この2人の関係が今後も良好に続くのは知っていますが、この物語を読んで主人公は違うけど「三角」を再読したくなりました。ところで、登場する編集者の野々村さんは、九十九君ってことで良いのかな…。