モ-テ 夢の狭間で泣く天使

発売日 : 2015/11/20
――俺は、アミヤをこの手で殺したい
遺伝子の罠――数万人に一人が罹り、必ず十代の内に自殺へと追い込む奇病・モーテ。一人の亡霊をめぐる切なさに満ちた事件の真相が曝かれ、モーテの子らを収容するホテル・グラティアに平穏が戻ると思われていた。しかし、天真爛漫な少女・アミヤがモーテを発症し、自死へのカウントダウンがはじまってしまう。荒んでいく彼女を見かねたダンテはグラティアを脱走し、彼の故郷ローマへと連れて行く。起こるはずもない奇蹟を信じる彼らだったが、自殺衝動を止められず苦しむアミヤは言った――ダンテに殺してほしい、と。彼女の人生最期の望み、生き続けて欲しいという願い、すれ違う二つの想いに暗い影が襲いかかる。あなたは殺される幸せを知っていますか?
  • レーベル: MF文庫J
  • 定価: 638円(本体580円+税)
  • ISBN: 9784040679594

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みんなのレビュー

  • θ(シータ)
    2016/01/05
    「生きて……いて、欲しいんだ……!アミヤ、お前には……!」………そうか…この結末を選択したのか……もしかしたらこの結末には賛否両論分かれるかもしれない。けど、自分はアミヤとダンテの行く末が決して不幸だったと思わない。それは、『モーテ』という『死』という姿なき概念に向き合い、抗った姿が言葉で表し尽くせない程立派であり何より彼らは幸せだったと思えるからである。そして、この物語を手掛けて下さった縹けいか先生、カズキヨネ先生に感謝を。これからの彼らの未来に多くの幸いがありますように。星5つ【⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️】
  • まりも
    2015/11/23
    奇病モーテに罹った人々のドラマを描いた物語第三弾。モーテを発症したアミアが苦しむ姿を見たダンテが彼女の願いを叶えるために自分の故郷にアミアと共に戻るところから始まる話。ヤバい、これは涙腺刺激されますね。前回の引きから、ある程度の展開は予測してたし覚悟もしてたけど、アミアとダンテ二人に用意された結末はあまりにも切なくて読んでてツラかったです。限られた選択肢の中でアミアとダンテたちが選んだ答えは、悲しみと幸せが合わさったものだったように思う。幸せとは一体なんなのか。そんな事を考えさせられる物語でした。
  • よっち
    2015/11/22
    アミヤがモーテを発症し荒んでいく彼女を見かねたダンテが、グラティアを脱走して彼の故郷ローマへと連れて行く第三弾。前巻から続く内容で上下巻扱いのような構成でしたが、アミヤの願いを叶えるべくダンテと二人でともに過ごしたささやかだけれど貴重な日々。そして失踪した彼女を何とか見つけようと懸命に捜索するダンテたちの先にあったものは、グラティアやマノンにも関わる因縁の決着でした。時を同じくして昇華する2つの想い。その形は違えど最後にきちんと向き合えたその想いは、切ない結末ではありましたが幸せだったのかもしれませんね。
  • かんけー
    2015/12/03
    ん~...チョッと驚いた、まさかアミヤが死んじゃう結末に成るなんて。モーテがそう云う病気だと分かっていてもアミヤは生きてて欲しかった...。ダンテとアミヤの逃避行は読んでて共感出来る反面、不安感も有って(^_^;)イラストが痛々しいし(T_T)マノンの影武者の女、又出てくるし..。カルト宗教の描写は必要悪として容認出来るがアランとエリシュカ?のエピは自分的にはノーコメント(-.-)ドゥドゥとマノンの二人が唯一の救いだけど。ダンテがアミヤを..の描写も賛同出来ないし..号泣する位ならするなよと。だけど
  • サエズリ割津
    2015/11/29
    ネタバレあり
    言葉で伝えきれないほど切ない物語だった。ダンテは限られた選択肢のなかで、自分の信じた選択をしたと思うし、モーテを発症してしまったアミヤの生きたいけど死にたいという想いに最高の形で応えたけれども、あまりにも救いがなさすぎた。互いに気持ちが通じ合ったダンテとアミヤの前に立ちふさがるモーテという大きな「死」の壁はあまりにも強大で、それでもなお、互いを信じ求めあう二人の姿に感動しました。先逝く者と残される者の関係性とモーテという残酷な病気を媒介にして人間の「死」について考えさせられる話でした。