断章のグリム 17 白雪姫

発売日 : 2012/05/10
甲田学人が描く悪夢の幻想新奇譚(メルヘン)、ついに終幕!
日々苦しみ続けていた蒼衣の過去の悪夢の真相、雪乃が抱える様々な想いや誇り、そして神狩屋から消えてしまった颯姫と夢見子……。謎が謎を呼び、混沌としていく神狩屋で、また一人『白雪姫』の悪夢に巻き込まれ、騎士たちが消えていく。だが全ては、蒼衣の過去より、始まるべくして始まっていた──。
  • レーベル: 電撃文庫
  • 定価: 649円(本体590円+税)
  • ISBN: 9784048865630

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みんなのレビュー

  • まりも
    2015/02/03
    グロメルヘン作品も遂に完結。最終巻なだけに読者と主人公の心のへし折り方がハンパなかったです。蒼衣に近しい人を分け隔てなく殺していく容赦の無さは流石。特に一般人お魚天国はトラウマモノでした。望み通り死んでいった神狩屋、残されたロッジの子供たち。蒼衣がこれまで固執していた「普通」の世界は学校しか残されていない辺りが余計にツライですね。これからも惨劇は続くんだろうけど蒼衣、雪乃には少しでも良いから普通の日常を送って欲しい。ハッピーエンドでは無いけど少し救われる終わり方でした。葉耶と風乃の会話がすごく印象深いな。
  • そのぼん
    2013/08/25
    ネタバレあり
    ついに最終巻。あの人が狂気の世界に囚われてしまったのは読んでいてしんどかったです。やはりこの作品はハッピーエンドはあり得ないんだろうな・・・。あとがきを読む限り、続編はもう生まれてこなさそうなので、そこも残念なところであります。
  • Yobata
    2014/07/05
    夢見子と颯姫を盾にし逃げ去った神狩屋。全てを知っていた神狩屋は本当の断章を使い、自分の目的のために猛進する。そんな神狩屋を止めるため葉耶に関する童話・白雪姫を調べるも…。最終章,最後の泡禍が生み出した悪夢は最後を飾るに相応しい凄惨さだった。本当は葉耶の従妹であった夢見子の真の断章,泡禍を童話の形にエスカレートさせ、自身のトラウマである断章を暴走させる力により、リカ,笑美,入谷と騎士達を死に導き、死を望む不死の神狩屋は自分の死のために蒼衣を追い詰めるため、罪のない蒼衣の父や母を毒林檎にし、さらには無関係の→
  • コリ
    2012/05/13
    〈神の悪夢〉にて綴られるメルヘン、これにて終幕。ハッピーエンドともバッドエンドとも取れる、強いて言うならトゥルーエンドと言った所か。虚しいが爽やかな、不思議な満足感があった。このシリーズらしい終わり方だな、と。最後の蒼衣と雪乃のやり取りは不思議と心が温まった。この2人の関係は友人でも恋人でもない、「パートナー」という表現が一番しっくりくる。これで終わりだと思うと本当に寂しい。次はどんなシリーズになるのか非常に楽しみ。
  • くろり - しろくろりちよ
    2012/11/28
    ※ネタバレ注意※掘り返される蒼衣の<悪夢>の記憶。加速する神狩屋狂気。夢見子の本当の<断章>の効果と神狩屋によって作られた「毒リンゴ」が蒼衣の日常を徹底的に破壊する。それでも神狩屋は配役は与えられない。これはすでに完成した童話の悪夢。蒼衣が神狩屋に決断を下したのは、誰のためだったのか。かつて雪乃を泡禍という非日常から引き戻そうとしていた蒼衣がそちらに取り込まれる。雪乃とともに生きること。それはハッピーエンドとはいえない。この最後まで割り切れなさ、大好きでなりません。『断章のグリム』本は終われど悪夢は続く。