折れた剣の幸福論 赤毛の錬金術士と弱気な元剣聖

発売日 : 2025/10/24
「自分は、『伝説』でも、『最強』でもなかったのだ」
『正しい歴史』が改変され、鬼が出現するようになった幕末の京都。
英国出身の天才錬金術士モルガナは一人の剣士を蘇らせた。その名は近藤三助、天然理心流剣術二代目宗主で、理心流を大流派へと押し上げた大剣聖だ(後の新撰組局長、近藤勇は理心流四代目宗主)。
だが蘇った剣聖・三助は剣をすでに棄てていた。
とはいえ歴史干渉のため、内から壊れようとする新撰組、その破滅回避を狙うモルガナは、新撰組の精鋭が現局長・芹沢鴨をまさに暗殺せんとする修羅場に、剣を棄てた三助を放り出し――。
心の一滴まで燃やし尽くされる、剣戟と錬金術が織りなす、心熱小説、開始!
  • レーベル: MF文庫J
  • 定価: 836円(本体760円+税)
  • ISBN: 9784046852878

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みんなのレビュー

  • よっち
    2025/10/26
    正しい歴史が改変され、鬼が出現するようになった幕末の京都。英国出身の天才錬金術士モルガナが、天然理心流剣術二代目宗主・近藤三助を蘇らせる歴史改変ファンタジー。歴史干渉による新撰組の内部崩壊を防ぐため、理心流を大流派へ押し上げた大剣聖・三助を蘇らせ、助力を仰いだモルガンが新選組の面々と接触して、彼女の技術を評価しながら警戒する土方と駆け引きを繰り広げつつ、長州藩に与する錬金術師の正体を探る展開で、男たちの複雑な想いと矜持を賭けた熱い戦いもあって、モルガンの本当の願いがどこにあるのか、そのあたりも続巻に期待。
  • のれん
    2025/10/30
    ネタバレあり
    新選組とは織田信長と双璧をなす日本史のフリー素材。 とくに斎藤一は前半生が不明で幕末以後も生き残るのでメジャーになりがちだ。 しかし今作はそこに天然理心流の先祖と英国顧問を主役にして、主な敵も維新というより歴史改変者を倒すというSFごった煮が主題。 あくまで真選組は舞台であり(若干歴史改変のポイントとして重要視されすぎだが)、懐柔すべき味方であるという点は面白い。土方あたりは第三勢力として維新とどう向き合っていくのか。てか歴史改変者は歴史人物なのか。(1/2)
  • アウル
    2025/10/26
    ネタバレあり
    不意打ちされ死の間際に、自分は伝説でも天才でもないと自覚した男が天才錬金術士モルガナの手によって復活させられ再び戦いの渦に飲み込まれていく話。う~ん、個人的には普通といった所かな。歴史が改変され鬼が出現するようになった幕末の京都がメインで、もちろん新選組も登場し何だかんだとテンションは上がったんだけれどもなんか盛り上がりに欠けるというか淡々と進んで行くといった感じを受けてしまい素直に楽しめなかったな。友と認めた同志の戦いは良かった。
  • 真白優樹
    2025/10/24
    死の間際、自分は伝説でも最強でもないと自覚した剣聖の男が、錬金術師の少女に復活させられ戦いに突っ込まれる物語。―――身に着けた技から逃げられぬとしても、只守るために。 歴史が歪みだし怪異が現れるようになった京都を舞台に、妖魔や人斬りと剣を交えていく物語であり、剣に生きる者達の友情や、友だからこそのぶつかり合いが心に熱さを齎してくれる物語である。まだ物語は始まったばかり、大勢は何も見えず。果たして少女の本当の願いとは。そして歪みだす歴史は守り切ることはできるのか。 次巻も勿論楽しみである。
  • 八岐
    2025/10/29
    ネタバレあり
    ★★★☆ 近藤三助とはまた随分とマイナーな人物を取り上げたものです。自分は全く知らんかった。世にはこの様に歴史に埋もれている人物が沢山いるのでしょう。終盤、特に侍の物語であり漢の生き様の物語であり、胸にぐっとくるものがあった。その辺り、外国人で女で合理主義者なモルガナが全くついて行けて意味わからんと癇癪起こしているのが可哀想でもあり可愛げでもあり。でも放って置くと士道と友情の為にどこまでも突き抜けて行ってしまうだろう新選組含めて男どもに喝を入れられるようになればこそ、モルガナの意味も出てくるのだろうか。