キノの旅 The beautiful world 13

発売日 : 2009/10/10
この世界には、よくあること。醜くて美しい。―――哀しくて、大切。
「何だ?」キノが『フルート』を構えてスコープを覗いて、今いる丘の上から地平線を見下ろします。しばらくして、ようやくそれが何か分かりました。大量の土煙を生み出していたのは、大地を埋め尽くすような大型動物の大群でした。大きく太い体と頑丈そうな四肢を持つ、鈍い灰色をした草食動物です。「この辺に住むサイの一種、だね。水が欲しくて集団で移動中なんだよ」エルメスが言いました。灰色のサイの群は、何千頭、または何万頭いるのか分かりませんが、濁流のような密集度と勢いで大地を進んできます。その進む先には――「あ……」『フルート』を向けたキノが、声を漏らしました。 (「この世界の話・b」)他全11話収録。
  • レーベル: 電撃文庫
  • 定価: 671円(本体610円+税)
  • ISBN: 9784048680684

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みんなのレビュー

  • 蒼伊
    2013/04/17
    再読。もう表紙のキノが女の子にしか見えない。今回は「生きている人達の話」と「旅人の国」が良かった。シズたちの話になると読み終わったあとそれまで以上にティーのことが好きになる。「いっしょならどこでもいい」
  • まりも
    2014/03/06
    人は他人の残酷さによく気づく。昔の話、一党独裁体制からの崩壊というと近所にある某国がいつかそうなりそうだなぁと思った。違法の国、表現の自由に関する問題や有害図書の指定などここら辺は今問題にもなっているよね。はだしのゲンしかり児ポ法しかり誰かの為にやることが自分よがりな自己満足に終わってしまう事は珍しくないか。必要な国、自分たちの考えを自分たちが傷つかない方法で実現させる。相変わらず皮肉が効いている話ばかりだった。
  • Yobata
    2013/09/26
    人は、他人の残酷さにはよく気づく。 -It's Hard to Say,But We Are Wrong.-「嫌いな国」「凄い国」「生きている人達の話」「昔の話」「家族の国」「違法な国」「旅人の国」「必要な国」「この世界の話」スペシャル収録「いろいろな話」の11話。「嫌いな国」は、治安もよく移住を試みるもティーと陸は良くてシズだけが許可されなかった国で…。嫌だ嫌だと気ままに発言しながらもそれがいざ自分の身に降りかかると平然と無視できるものなんだよね人間って。ティーはアイス好きなんだw「凄い国」は、→
  • よっち
    2014/07/06
    キノとエルメスの旅第十三弾。違法行為が書かれた本は全て発禁にされていて。。。というお話を描いた「違法な国」、師匠の辛辣な選択がとてもらしい「昔の話」「家族の国」「旅人の国」はあたりは気になりましたが、一番印象に残ったのは伝染病に苦しめられた国を救いながら自ら倒れた人が、実は祖国では。。。という「旅人の国」でした。過去がどういうことがあっても、その国を救った事実は変わらないですね。「いろいろな話」はキノ、シズ、師匠が一緒に旅したらという設定のお話で、色々カオスでしたが、シズの右肩の幽霊はラファだったのかな?
  • くろり - しろくろりちよ
    2012/03/08
    「人は、他人の残酷さにはよく気付く」嫌いな国…それでも住み続ける国/凄い国…人に認められないことに価値はない/生きている人達の話…終わるその日は/昔の話…革命後賢い選択/家族の国…離族とは/違法な国…過度の検閲/旅人の国…名乗らない英雄とシズ達/必要な国…死刑の賛否/この世界の話a・b…自然と淘汰と/いろいろな国…おまけ。今回のあとがきは著者が生々しすぎてうーんちょっと知らない方がいいかも。おまけもいらないかな惰性気味かな。次作期待で。また一緒にたくさん旅ができました。