菩薩のように常に暖かく見守って支えていただいて、編集さんには頭が上がりません
――本作は新作ながら様々な展開がされており、そのどれもが読者にとっては嬉しい、魅力的なお話ばかりかと思います。
ありがとうございます。
――その各種展開についてお話をお聞かせください。まずは、なんと1~2巻が2ヶ月連続刊行ということで、さっそく来月11月に第2巻が刊行されますね! 実際にそのお話を担当編集者から聞いたとき、どういったお気持ちでしたか?
大変にありがたい申し出をいただいて、完結まで本の形にしていただけることが何よりも嬉しく思っています。
また、長く読者でいた身としては、物語の続きを待つ期間というものはもどかしいものがあります。2ヶ月連続刊行していただけることで、あまりお待たせすることなく読者に届けられるのは本当に嬉しいです。
――実際に2ヶ月連続刊行に臨んでみて、作者としてはどんなところが大変でしたか?
私が初めての書籍化作業だったことに加え、途中予定外に実生活の多忙時期が被ってしまい、何度か締め切りを大幅に伸ばしていただきました……。実は担当編集さんが一番大変だったのではないかと思っています。今回の身に余る光栄なお声がけをいただいた上に、菩薩のように常に暖かく見守って支えていただいて、編集さんには頭が上がりません。
――連続刊行だけでなく、1~2巻でカバーイラストが繋がるという嬉しい仕様になっていますよね。このアイディアを聞いたとき、イラストのデザインを見たときの感想を教えてください。
フローラが出会いによって強さを手に入れ、人々の祈りが集まって力になる、という設定のストーリーなので、表紙(カバーイラスト)にそれを象徴するような仕掛けを提案いただいたことがとても嬉しかったです。
そして、とき間先生の完成したイラストを見た際は、細部の装飾や細かな演出に、つなげることでフローラとギルバートがともに立ち並ぶ姿が本当に素敵で感動しました。

――さらに1巻発売と同時に、コミカライズの連載も開始されましたが、そのお話を聞いたときはいかがでしたか?
今年2月に進む先生のオリジナル漫画を参考資料としていただいたのですが、あっという間に進む先生の描く漫画に惚れ込んでしまいました。絵柄も作風もすべてが好きで、この方に漫画として描いてもらえたらどれほど幸せだろうと思ったのを覚えています。
キャラクターの描写力が卓越していて、「言葉にならない溢れる感情」を絵で表現できる漫画家さんだと思っています。

――進む先生のコミカライズの中で、お気に入りのシーンや、ぜひ注目してほしいというポイントを教えてください。
お気に入りのシーンはたくさんありすぎて一つを選ぶのが難しいですが、特に感情表現を、モノローグを使わずに構成と絵で魅せてくる場面はぜひ見てほしいです。
オリジナルシーンは進む先生の感性で解釈していただいたキャラクター達が魅力的で、原作小説を読み終えた方にもさらに楽しんでいただけるものになっていると思います。
またデフォルメキャラクターも感情豊かに多彩に描ける方なので、フローラサイドのコメディシーンをより楽しいものにしてくださっています!
――最後に、本作に対して推薦してくださった『魔導具師ダリヤはうつむかない』の甘岸久弥先生のコメントについて、ご感想をお聞かせください。
私自身が、『魔導具師ダリヤはうつむかない』が小説家になろうで連載開始された初期から、連載を追いかけていた読者であり、アニメも見ていたので、そんな作品を生んだ甘岸先生に推薦コメントをいただいたことは本当に夢のような気分でした。
本作は人の誰もが持つ可能性がある綺麗な部分も醜い部分も両側面から描いているのですが、それを万華鏡に喩えていただいた推薦コメントは、一生ものの宝物です。
読んでくださる方が、物語を完成させる最後のピース
――本作の読者のみなさまに、どのような気持ちでこの物語を楽しんでいただきたいですか?
読んでくださる方が、物語を完成させる最後のピースだと思っています。もう一人の魔法使いがそこに在れば、嬉しいです。
――この記事をご覧の方へメッセージがあれば、お願いします。
序盤は女性向けの異世界系Web小説によくある物語に見えるかもしれません。ですがもしも興味を持っていただけたら、その先にある旅路にお付き合いいただけたら嬉しいです。
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