めんとりさま Faceless Summer

発売日 : 2023/08/25
高く青い空、道端の腐った死骸、ねばついた梅酒と炭酸水、そしてねえさん。
大学三年の夏休み。おれは水素水詐欺にあった祖母の様子を見に、静岡へと向かう。我儘なねえさんも一緒に。ねえさんはなぜだか、ずっと、おれについてくるのだ。
 久しぶりに逢う祖母の目はうっとりとしていて、同じ言葉を繰り返す。爺さんが死んだのは、めんとりさまのせいだ。居るんだ、めんとりさまは――そして、祖母は失踪した。
 祖母の行方を追うため「めんとりさま」の正体を調べる、おれとねえさん。しかしそれは家族の闇と絶望に触れる、禁忌の探索だった――!

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みんなのレビュー

  • 2023/09/07
    ネタバレあり
    ホラーだと思って買ったけどそうでもなくて微妙だった。 せっかく民俗学っぽいテーマがあるのに勿体無い。ただ姉が可愛い、好きって言うのしか伝わらず残念でした。他の方のコメントで姉小説ってジャンルがあることを知りそういうことなの?と納得しました。
  • 栗山いなり
    2023/09/23
    大学生の青年が詐欺にあった祖母の家を姉と尋ねることから始まるホラー小説。思ってたのとは全然違うホラー作品だった。文章が妙だったのは高校生が書いたからか?色々言えそうな作品だったけどホラーの雰囲気は出てたかな
  • 椎名
    2023/08/31
    田舎の空気感やうだるような夏の暑さ、ノスタルジーとホラー(伝奇?)というオタク欲張りセットのような作品だ。しかしどちらが幻想だったのか逆転するのは面白かったが、めんとりさまとタイトルにまでなっている存在/名称にそこまで深く入り込めなかった感覚があり、いまひとつなにか足りていない印象のまま終わってしまった。姉小説としては良かった。
  • 沙智
    2024/01/15
    夏小説の新たな傑作。詩情豊かな文章が心地良くて、終始浸るように読んだ。生ぬるい風や蝉時雨によって彩られた濃密な夏の情景の中に自分も立っているような錯覚を覚える。現実と非現実の境目が曖昧になる中盤の展開も癖になる浮遊感と酩酊感があって好みだった。熱で浮かされたようなひと夏の退廃的なモラトリアム。夏の日の陽炎みたいな小説だった。
  • イカまりこ
    2023/11/12
    軽度な認知症と診断された祖母を見舞うため姉と田舎に帰った大学生の夏の日。いま私はどの時系列にいて、いつの出来事を読んでいるのか、困惑することが多かった。でもこれが終盤、作品の雰囲気と合ってくる。祖母が口にする「めんとりさま」。両親すら詳しく語らないそれが何なのか、姉弟は探っていくことに。一族にまつわる因習系は好きなので地雷要素があっても読みきれた。ただね、やっぱり結末の選択を考えてしまう。辛い業を背負った二人が幸せになるような最後は難しいか…これはこれで美しいけどさ。夏の日の蜃気楼のような物語だった。