さよなら、誰にも愛されなかった者たちへ

発売日 : 2023/02/25
ただ愛され、必要とされる。それだけのことが難しかった。
賽の河原株式会社――主な仕事は亡き人々から六文銭をうけとり、三途の川を舟で渡すこと。それが、わけあって不採用通知だらけの至を採用してくれた唯一の会社だった。
ちょっと不思議なこの会社で船頭見習いとしての道を歩み始めた至。しかし、やってくる亡者の中には様々な事情を抱えたものたちがいた。
三途の川を頑なに渡ろうとしない少女に、六文銭を持たない中年男性。奔走する至はやがて、彼らの切なる思いに辿り着く――。人々の生を見つめた、別れと愛の物語。

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みんなのレビュー

  • ヒロ
    2023/03/09
    設定からほんとに驚かされました。賽の河原でのお仕事、色々な人との出会いがあり、その中でも生きていた時の悲しい記憶を抱えた人たちを如何に笑顔で彼岸に送り出せるか、主人公の至がとにかくまっすぐに向き合う様がグッと心に響きました。賽の河原の美しい描写と共に物語全体がとても美しくまとめられていたと思います。
  • 美紀ちゃん
    2023/07/15
    ネタバレあり
    ネグレクトで母子家庭の娘が愛されなかった話やビザを目的とした偽装結婚など。千景さんの秘密にも驚く。生きることを諦めないでほしい。至の秘密もすごい。悲しむ母を見かねて兄の代わりを演じる誠。可哀想すぎる。誰も他人の代わりなんてなれない。ラストは、試用期間が終わった主人公がこれから社員として頑張れと、会社のみんなが祝ってくれるところで終わる。これからでしょう。次作を期待。後書きにも感動。お母様が舟に乗ってしまい辛いことを乗り越え書いた作品。作者の気持ちが伝わってきて泣ける。良かった。塩瀬まきさんに注目したい。
  • ann
    2023/04/02
    ネタバレあり
    読書メーター献本当選で頂いた本。題名に惹かれ初めて応募したのだが、自分ではなかなか手に取らない雰囲気の作品。敢えて?複雑な言い回しや言葉を使っているようでなかなか内容をストレートに理解するのにタイムラグがあったり、映像化を意識させるようなシチュエーションが満載だったりと、でもこれは作者との年代ギャップなんだろうな。題材や訴えたいことは普遍なので、全編優しい雰囲気に溢れていたことは確か。こんな感想ですみません。
  • isry 2@積本消化中
    2025/04/30
    ネタバレあり
    【22年メディアワークス賞】初読みの作家さん。就活で連戦連敗の至が唯一内定をもらったのは、賽の河原株式会社。亡き人から六文銭を受け取り、三途の川を船で渡して彼岸へと送る仕事。しかし、彼岸へ送れない訳あり亡者たちもいて…。題名的にも悲しい物語だということは予想してたが、1話目が特に辛かった。それでも、至のおかげで死者にも生きていた価値があったと思って、彼岸へ向かってくれてよかった。シリーズ化したら読むと思う。
  • Melon Matsuda
    2025/05/04
    ネタバレあり
    久しぶりに読むのに時間のかかった本だった。救われなさが私には辛かった💦 嫌な気持ちに何度もなったので、インパクトはすごいっ! 親を愛せない子供がいてもいいんだろうな、こういう悲惨な物語を読むと、虐待はどうしてなくならないのか悩ましくなる。1つは、もっと社会制度的なものが手厚かったりすればいいのかなぁと思う。もっと、セーフティーネットっていうの?そういうのが広く深くあればいいのかなと思う。何故この様な過酷な運命を子供にたどらせるのか、神様を恨みたくなる。主人公もヒーローとかとはかけ離れててドジもする。