それでも、医者は甦る 研修医志葉一樹の手術カルテ
発売日 :
2020/11/25
新人医師が巻き込まれたタイムループ。患者を救うため、何度でもやり直す。
この春大学を卒業し研修医となった志葉一樹。過酷な労働環境に辟易していた彼は、難病で入院中の女子高生・湊遥の自殺を思い留まらせたことをきっかけに、彼女と打ち解ける。しかし手術は失敗し、遥は死亡してしまう。
ところが志葉が目を覚ますと、日付が手術の前日に戻っていた! 遥を救うために奮闘する志葉。だが何度繰り返しても遥の死は防げない。絶望的なループの中で志葉が見出した真実とは? 現役医師が医療現場の現実と“希望”を描いた感動の医療ドラマ!
ところが志葉が目を覚ますと、日付が手術の前日に戻っていた! 遥を救うために奮闘する志葉。だが何度繰り返しても遥の死は防げない。絶望的なループの中で志葉が見出した真実とは? 現役医師が医療現場の現実と“希望”を描いた感動の医療ドラマ!
- レーベル: メディアワークス文庫
- 定価: 737円(本体670円+税)
- ISBN: 9784049135282
メディアワークス文庫の新刊
みんなのレビュー
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うまる2021/03/0638医療×時間物。現役医師が医療現場の過酷さや医師を家族に持つ者の苦悩をリアルに描いていてとても面白かったです。序盤は軽い感じだけど、タイムリープが始まってからは結構壮絶。何度も助けられない絶望感があり、これぞ人のためにタイムリープを繰り返す話の醍醐味という感じでした。日本の医療の問題点も上げられており、これからも医療業界で生きていく若い医師の憂いを凄く感じました。医療従事者は神様でも天使でもなく、ひとりの人間なんだという事を理解させる体制を整えてほしいものです。堅苦しくない医療ドラマ、また書いてほしいです。
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よっしー2024/07/1423何となく…で手に取った医療物のお話。一人の患者を救う為、新米医師がひたすらにタイムリープを繰り返しながら、医療の闇に迫っていく展開、結末が予想していなかった展開に驚きました。患者は待ってくれない、だからこそ医者は何時でも待機しておく必要がある…。患者側からしたらそうであってほしいですが、そうなると医者の人生はどうなるのか…。答えの出ない難しい問題提起を受けた気分になりました。
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petitlyz2025/01/0420ネタバレあり研修医の志葉。担当患者湊遥のオペが終わるとなぜか患者が死亡して、またオペの前日にループしてしまう。SF・ファンタジーなのかな。何百回と同じ日を繰り返し、いつも患者死亡していたある時、麻酔科医成瀬のある行為が原因と気づく。そして成瀬を排除し、やっと患者の遥を助けることができた。医師となってしまうと患者の急変などによって、すべての予定が変更になってしまう。医師の深い苦悩がちりばめられていた。
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かなかな2020/12/1315手術中に亡くなった患者を救うため何度も時間を巻き戻し、試行錯誤を繰り返すタイムループ作品。軽い気持ちで読み始めたが、後半の畳み掛け部分から始まる現代医療への問いかけが思ったよりも深刻で重みがあることに驚いた。ミステリーとしてはあっさりでどんでん返し!とはいかないが、メッセージ性のある作品なので読む価値ありです。医療は絶対的な正解がなく、その数多ある正解から一つの答えを選ぶのは患者だ。理想論になるが、医師や家族が何かを決めるのではなく患者本人がどうしたいのか。を尊重される世の中になるといいな‥
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西澤 隆2023/12/0814医療系の大人向けの枯れた短編集の読了後、これもどうですか?と提案された本。ラノベのタイムリープものということで軽い気持ちで読み始めたが、往年の「桜宮ワールド」のはじまりのように内包されているのは「もともと無理がありすぎる構造が現場の人たちの無理を承知の働きでなんとか破綻を先送り」状態への強烈な問題提起。それだけに読了感もあのチームバチスタの奇跡に近く「これを使命感にあふれた医者の成長物語にしちゃいかん」という気持ちがやってくる。誰かの黒すぎる献身がなければ成立しない分野は、医療に限らずなんとかしないとね。
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