そして、遺骸が嘶く 死者たちの手紙

発売日 : 2020/02/22
戦死兵の記憶を届ける彼を、人は“死神”と忌み嫌った。胸震わす衝撃の一冊
『今日は何人撃ち殺した、キャスケット』

統合歴六四二年、クゼの丘。一万五千人以上の自国兵を犠牲にして、ペリドット国は森鉄戦争に勝利した。
そして終戦から二年、狙撃兵・キャスケットは陸軍遺品返還部の一人として、戦死した兵士の遺品や遺言をその家族等に届ける任務を担っていた。

兄の代わりに家を支える少女、
恋人を待ち続ける娼婦、
戦争から生き還った兵士。

遺された人々と出会う度に、キャスケットは静かに思い返す――

死んでいった友を、
仲間を、
家族を。

そして、亡くなった兵士たちの“最期の慟哭”を届ける任務の果て、キャスケットは自身の過去に隠された真実を知る。 

選考会に波紋を広げ、第26回電撃小説大賞《選考委員奨励賞》を受賞した、読む人全ての心揺さぶる圧倒的衝撃作。

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みんなのレビュー

  • よっち
    2020/04/23
    統合歴六四二年、一万五千人以上を犠牲にクゼの丘で終わった戦争。その終戦から二年、兵士たちの最期の言伝を届ける任務を担っていた狙撃兵・キャスケットが陸軍遺品返還部の一人として遺族たちに会いに行く物語。女装して徴兵から逃げた弟、家の事情で娼婦にならざるをえなかった婚約者、精神を病んだことに気づかない息子、蔑まれていることに気づかなかった青年、そして変わってしまった兄官など、戦争が終わっても続く悲哀があって、失われたものの大きさを突き付けられる印象的な物語で、個人的には第二章の金猫さんのエピソードが好きでした。
  • 七月せら
    2021/01/11
    戦争が終わって。行かないで、帰ってきて、と願い願われた人々の、願い通りではない再会の時。それぞれの戸惑いや慟哭や決意がひしひしと伝わってきて胸を衝かれんばかりでした。深く刻まれた傷跡を魔法のように消し去ることはできなくとも、一歩踏み出す明日が今日より少しだけ良い日になって積み重なっていくだろうと、そんな風に思えました。
  • けほんこ
    2020/04/07
    ネタバレあり
    読書メーターの献本でいただきました。 私はあまりこの手の本を読んでいないのですが 「死」する人達を通して いろいろと考えさせられる内容。 コロナ的な「死」とはまた違いますが、 生きる糧になる話や 残された人の話などは、 もしかしたら今我々がやっておくべきこと なのかもしれないと思いました 「死」について考える機会を今もてたのは 良かったのかもしれないと思いました。 結構難しい漢字など多かったですが 手紙での難しい漢字を開くなどの演出は 凄く、キャラクターせいが出ていてよかったです。 有難うございました
  • フキノトウ
    2020/05/24
    ネタバレあり
    戦後、兵士の遺品を遺族に渡す任務を担うキャスケット。戦死を告げる仕事でもあったけれど淡々とした文章で、読みやすかった。「ピーター・レプリカ 受け取られた宝石」の父子の話が驚きもあり、温かみもあったので好みでした。生前の彼らの描写もあり、余計に胸に迫る。
  • アウル
    2020/02/26
    ネタバレあり
    終戦から二年経ち狙撃兵だったキャスケットは陸軍遺品返還部の一人として兵士達の遺品と最期の言伝を届ける任務を担っていた。遺族に会い最期の言伝を淡々と語るキャスケットの姿が妙に生々しく想像させられた。まあ、初っ端のサリマンの話からいきなり泣きそうやったんやけどね。死者の想いそれを受けとる残された者なんとも悲しい事か。そして最後にキャスケット自身の過去はえっと思ってしまったは。ベーゼの優しさがなんとも言えないがお互いに不器用だったよな。