舞面真面とお面の女(新装版)

発売日 : 2019/09/25
野崎まど作品新装版・第二弾!財閥の遺産とその正体をめぐる伝記ミステリ!
第二次大戦以前、一代で巨万の富を築いた男・舞面彼面。戦後の財閥解体により、その富は露と消えたかに見えたが、彼はある遺言を残していた。
“箱を解き 石を解き 面を解け よきものが待っている――”
時を経て、叔父からその「遺言」の解読を依頼された彼面の曾孫に当たる青年・舞面真面。手がかりを求め、調査を始めた彼の前に、不意に謎の「面」をつけた少女が現われて――?
鬼才・野崎まど第2作となる伝記ミステリ、新装版!

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みんなのレビュー

  • HANA
    2020/06/03
    旧財閥の隠し財産、それを解く為の遺言。それに関わる「みさき」と名乗る少女。このキーワードだけ見ると横溝的な犬神家チックな世界を想像するのだが、登場人物が少ない事もありドロドロの人間関係的なものはなく、割とライトな感覚のミステリであった。印象に残るのは仮面を被り要所でヒントを残していく「みさき」のキャラ付けなんだけど、逆に言えばそれが際立つのでラストの展開がある程度予想が付いてしまうのはちょっと残念。アレがああなのは伝奇物だとお約束だし。前作に比べるとちょっと弱かったが、これがどう『2』につながるのか期待。
  • mihya
    2024/01/25
    ネタバレあり
    曽祖父の遺言の謎を解くことになった舞面真面は、不思議なお面を被った中学生と出会う。 軽快な文章と会話とユーモア。そこで電機屋行く?とか何の感慨もないんかい!などとツッコミを入れてしまう。(もしかして、私も定本になっているのか) 野崎さんの作品は2作目なので、これが解決ではないと思っていたのでそんなに驚きはなかったが、先の展開が楽しみになった。しかし、どう絡んでいくのか…。
  • ami*15
    2019/10/31
    ネタバレあり
    「お金がないと人は生きていくことができない」という人生で大切なことを独特の世界観で伝えていた物語だと読了してまず感じた。舞面彼面(まいつらかのも)の遺言の謎と同時に現れたみさきと名乗るお面を付けた少女。一見ミステリーのように思うが、「お面の女」の謎が解けるとこれはただの「ミステリー」ではなかったことに気が付く。彼面とみさきの関係が明らかとなるラスト数ページにはざわっとした。みさきと手を組んだことにより真面(まとも)の人生はきっとかつての彼面のように「退屈」ではないものへと変貌していくのだろう。
  • Shun
    2020/08/09
    「2」へと繋がるシリーズ2作目。大学院生の真面(まとも)は、一代で巨万の富を築いた曽祖父が残した遺言のような文面の解読を頼まれる。それは箱・石・面を解けばよいものが待っているという抽象的なメッセージで、曽祖父の意図は謎が多い。そして途中出会ったお面を付けた少女もまた謎だらけときて、彼女が真面を評した内容が後々重要な意味を持つ。果たして非凡な発想で謎を解いた真面は曽祖父が立っていた場所に到達し万事解決かと思いきや、エピローグではさらに先があった。予想外の展開は中々アクロバティックではあるが先も気になります。
  • shio
    2020/12/31
    戦後の財閥解体により縮小した舞面家。当主・舞面彼面の謎の遺言を、曾孫の真面が解く。これはちょっと、よく分からない。氷山の一角部分だけ見せられたような。これも『2』へ繋がるのなら、『2』は得体の知れない作品だ…『[映]アムリタ』でもそうだったけど、画素さんや、水面、熊さんといった個性的なキャラが突然消えちゃうのが残念だなー。ちょっとモヤっとしたけど、「面」の力の表現といい、ゾワッとさせるのが上手な作家さんだ。次も読もうと思わせられる。次作は、来年へ持ち越し。ちょうど作中の日付も年末から年明けなので重なった!