もうひとつの命
発売日 :
2017/12/22
その夏、彼らは罪を背負い、ひとつの願いを叶える。
あの頃の僕らはまだたくさんの高いものに世界を囲まれて、息苦しさを覚えていた。自由に走り回っているようで、ふと気づくと自分がどこにも行けないような気がして焦り、苛立ち、空を仰いでいた。僕たちが『魔女』に出会ったのは、そんなときだった。
あれから十年、学校の屋上から落ちて死んだはずの稲村が突然生き返った。思い返すのは、例の魔女のこと。あの場に居合わせた僕ら六人は、どうやら命を一つ分だけ貰ったらしい。
一度だけ死んでも大丈夫。
なら命一つ犠牲にして、一体いまの僕らに何が成し遂げられるだろう。
あれから十年、学校の屋上から落ちて死んだはずの稲村が突然生き返った。思い返すのは、例の魔女のこと。あの場に居合わせた僕ら六人は、どうやら命を一つ分だけ貰ったらしい。
一度だけ死んでも大丈夫。
なら命一つ犠牲にして、一体いまの僕らに何が成し遂げられるだろう。
- レーベル: メディアワークス文庫
- 定価: 671円(本体610円+税)
- ISBN: 9784048936088
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みんなのレビュー
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K2020/05/17108ネタバレあり魔女に出会ってから数年後。一人の少女の"生き返り"もとい、"生まれ変わり"から始まるひと夏の奇妙な物語。あの日食べた赤い実の力で、ただ単に生き返るだけではない展開が興味深い。その上、結局自らの願いを望む形で叶えられたのは誰一人もいない点も絶妙な後味の悪さと喪失感(爽快感)のバランスで好印象。この夏、ささやかな生きる動機を得た人でなしの殺人犯は何を思うのか。
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スズ2021/04/1045小学4年の頃に野外活動中の山中で行き倒れの魔女に出会い、彼女の命を救ったお礼に貰った不思議な実を食べた6人の少年少女達。彼らはその後平穏な日々を送っていたが、学校の屋上から飛び降り自殺した少女稲村が突如蘇る事件が起こり…。6人の視点が章毎に切り替わり、各章のラストに謎を残して次章に移っていくのですが、裏で登場人物達を殺害・教唆していた黒幕の視点に切り替わった瞬間に伏線が回収され、殺されていった少年少女達の死の謎が明らかになる展開が結構面白い。命を一つ犠牲にし、己の欲しい物の為に必死に足掻く彼らの姿が印象的
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美葉2018/11/2545好き。分かりにくいところはあったが、設定がしっかりしていて読みやすかった。命がもうひとつあったら、どう生まれ変わろうかな。もっとコミュ力がある人になりたいな(笑)「もうひとりの魔女」も読みたい!
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さばかん2018/02/2727ふとした拍子にもうひとつの命を手に入れた6人の少年少女。 なんと、死ねば願い事が叶うらしい。 等身大の少年少女たちは、何を願ったのか、願いは叶ったのか、その願いは……。 たった一度きりの人生、もがいてあがいて必死に自由に好きに生きよう。
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黒瀬2017/12/2623偶然出会った魔女に、死んでも一度だけ生き返る赤い実をもらった6人の男女。しかもそれはただ生き返るだけでなく「なりたい自分」を叶えてくれる不思議な実。魔女の正体を想像しながら読んでみましたが確証は得られず。最近の入間先生は幸せになりきれない百合作品が多いね。切ないわ・・・。
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