恋する寄生虫
発売日 :
2016/09/24
これは、「虫」によってもたらされた、臆病者たちの恋の物語。
何から何までまともではなくて、
しかし、紛れもなくそれは恋だった。
「ねえ、高坂さんは、こんな風に考えたことはない? 自分はこのまま、誰と愛し合うこともなく死んでいくんじゃないか。自分が死んだとき、涙を流してくれる人間は一人もいないんじゃないか」
失業中の青年・高坂賢吾と不登校の少女・佐薙ひじり。一見何もかもが噛み合わない二人は、社会復帰に向けてリハビリを共に行う中で惹かれ合い、やがて恋に落ちる。
しかし、幸福な日々はそう長くは続かなかった。彼らは知らずにいた。二人の恋が、<虫>によってもたらされた「操り人形の恋」に過ぎないことを――。
しかし、紛れもなくそれは恋だった。
「ねえ、高坂さんは、こんな風に考えたことはない? 自分はこのまま、誰と愛し合うこともなく死んでいくんじゃないか。自分が死んだとき、涙を流してくれる人間は一人もいないんじゃないか」
失業中の青年・高坂賢吾と不登校の少女・佐薙ひじり。一見何もかもが噛み合わない二人は、社会復帰に向けてリハビリを共に行う中で惹かれ合い、やがて恋に落ちる。
しかし、幸福な日々はそう長くは続かなかった。彼らは知らずにいた。二人の恋が、<虫>によってもたらされた「操り人形の恋」に過ぎないことを――。
- レーベル: メディアワークス文庫
- 定価: 715円(本体650円+税)
- ISBN: 9784048924115
メディアワークス文庫の新刊
みんなのレビュー
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ハッシー2016/10/21277【刹那い】▶︎多くの人が自分を社会不適合者だと思っている。多くは妥協と折り合いをつけてなんとか《社会》の中で生きてるが、それが出来ない人もいる。これはそんな生きることが苦手などうしようもない二人の物語。色づく木の葉、降り積もる雪、舞い散る桜。移ろい、やがて消えていく情景に二人の儚さや切なさが重なって描かれる。▶︎あと、個人的には作者の〈あとがき〉のような琴線にふれる文章が書けるようになりたい。
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美紀ちゃん2021/12/03219三秋さんの本は「三日間の幸福」が好き。 この本はそれ以上に好き。 良かった。 寄生虫の話が研究者並みに濃い。 すごい情報量。 マスクごしのキス。 これは、ハッピーエンドなのだろうか? 違うのだろうか? 長生きしてほしい。 あとがきのピアノ伴奏と指揮者のアイコンタクト、とても同意。ドキドキする。 映画化されるそうで、そちらも楽しみ。
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菅原孝標女@ナイスありがとうございます2019/11/18204ずっと気になっていて、ずっと読みたくて、隙間時間を見つけては読み進めてきた。精神的欠陥をもつ2人が主人公。いや、虫が主人公だったのか。どちらが寄生者かわからないなんてセリフがあったけど、なるほどたしかになと。大変興味深い話でした。ラスト、切なかったなぁ。
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岡本2018/02/14195前作で初めて著者を知り、前作を読み終わった勢いで新作を買ったけど非常に良かった。現実にちょっとしたSFを持ち込んでラブストーリーという感じ。前作に引き続き中盤から一気に読み進めたくなる展開が面白い。社会人復帰後の高坂の同僚が何かあるかと思ったら何も無くフェードアウトしていったのが少し意外だったり。他の作品も読んでみたくなりました。
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シナモン2020/08/31183映画化本。極度の潔癖症の青年と視線恐怖症の少女の恋物語。自身を悩ます症状も、互いに惹かれあう理由もすべて体の中にいる寄生虫が原因だとしたらという不思議な物語でした。全体を通して静かに淡々と進む雰囲気は好みでしたが、ハッピーエンドで終わるのかどうかやきもきしながらの読書でした。映画ではどう描かれるのかな。佐薙ひじりを小松菜奈さんが演じるようで今から楽しみです。潔癖症の青年の生活が現在のコロナ禍を思わせてそれもまたなんとも…でした。
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