おかえりの神様

発売日 : 2016/06/22
悩みごと、憂いごと。“なんでも話せる相手がいる”その温かさをあなたに。
奇跡も神通力もないけれど、ただ"そばにいてくれる"。
そんな神様との出会いがおりなす、ほっと優しい物語。

就職を機にひとりぼっちで上京した神谷千尋だが、その心は今にも折れそうだった。些細な不幸が積もり積もって、色々なことが空回り。誰かに相談したくても、今は深夜。周りを見回しても知り合いどころか人っこひとりもいない。
……でも狸ならいた。寂しさのあまり連れ帰ってしまったその狸、なんと人の言葉を喋りだし、おまけに自分は神様だと言い出して……??
『お嬢、いかがした? 何事かとそれがしに聞いて欲しそうな顔でござるな』
こうして一日の出来事を神様に聞かせる日課が誕生した。
"なんでも話せる相手がいる"、その温かさをあなたにお届けいたします。

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みんなのレビュー

  • なお
    2016/09/19
    ★★★★☆ 以外と面白い。特に狸が好きでした。なんとなくの一言が笑える。マヨネーズ咥えてる狸ってどうなんだ?銭湯行きたくなってきた。
  • mocha
    2017/02/11
    中3女子のおすすめで読んだ。山の神と川の神が狸とビーバーの姿になって、縁結びをしてくれるお話。あまりに可愛くて挫折しそうになったけど、読後感はほっこり。軽い少女漫画のような印象。
  • おかむー
    2016/08/07
    表紙イラストの陽だまり感に釣られたのが8割。読んでみると期待ほどにはヌクモリティ満載ではなかったかな。『もうすこしです』。山の神=狸、川の神=ビーバーが四人の男女の縁をとりもつ。狸やビーバーが箸を使ってごはんを食べたり、ビールとチョコレートで晩酌したりととぼけたやりとりも含めてコミカルなところは好感触なのだけれど、最後には物事が前進するとはいえ神様に語る内容の多くがグチや後悔でちょっぴり煮え切らない。きっちりとは決着しない各章のお話が、終章でうまいことまとまる結末で差し引きトントンかな。
  • 七色一味
    2016/10/29
    読破。神様は神様でも、困ってる現代風神様ではなく、超然とした醒めた感じの神様でもない、鈴のような神様の、いわゆるほっこり系な連作短編集。ラスト、私的にはしんみりとした終わり方もありなんじゃないかと思ったんですが──と言うか、その手のラストシーンが、読んでて浮かんでたんですが、敢えてこのラストにしたのだとしたら、結構したたかな感性の作家さんなのかも、と思いました。オススメ、には今一歩何かが足りませんが、ほっこりとしたお話を読みたい方にはいいかも。
  • えみ
    2022/10/08
    理屈抜きに可愛い!マヨラーたぬきとチョコ中毒ビーバーの正体が神様だって信じられる?何とも言えない脱力系神様が幸せ運ぶ、癒し物語。人と人との縁を優しく結んでくれるのは、特別な事は何もしてくれない神様。ただいまと帰ったら、おかえりと迎えてくれる神様。一人酒の夜に隣に座ってくれる神様。何とも言い難いこの緩さが、疲弊した心に温もりをくれる。好き、をこじらせた4人の男女が「好き」を本当の意味で受け止められるまでの神様との生活。なんて羨ましい!時代錯誤な言葉遣いさえ愛おしい。傍にいてくれるだけでいいから私も会いたい!