終わりの志穂さんは優しすぎるから

発売日 : 2015/06/25
彼女は、死者を見るという――終わりに覆る、儚くも美しいホラーミステリ。
物語は終わりにその姿を現す。
儚くも美しい、ライトホラーミステリ。

七月、咲留間島。東京のはるか南に位置するその島で、俺は絵を描いていた。もしこの夏の間に、画家として納得できる作品を描けなければ、その時は筆を折り、この島に骨を埋めようと覚悟して。
そんなある日、俺は織川志穂と名乗る女性と出会う。穏やかで可憐な彼女は、幽霊が見えるのだと言った。
その真偽はわからないまま、しかし俺は自然豊かなその島で彼女と時間を共有する。
蓮池の女霊、ハマユリに見える少女の呪い。そして、消えた彼女の父親。
俺はそうした謎に触れるうち、彼女が何かを隠していることに気付いてしまい――。

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みんなのレビュー

  • mike
    2024/08/05
    ネタバレあり
    生者とこの世に未練を残した死者の話。八重野さん初期のラノベ。だから読みやすいがミステリーとしては物足りない。恋バナもあるけど私の胸にはキュン度低目。まして全然ホラーではない。ず〜っと優しい物語だった。八重野さんは「ペンギンは」以降の作品の方が断然面白いと思うので、今後に期待するし追いかけていきたい。
  • papako
    2018/12/19
    『ペンギンは空を見あげる』が良かったので、他の作品が読みたくて。この方は叙述トリックというか、いろいろ書かないので、こちらが勝手に騙されるというタイプの作品なんですね。ただ、序盤で大きなヒントがあり、ラストは想像つきます。それでもなかなか楽しめました。普通の日常の謎ときと思わせて、のラスト。ちょっと切ない。しかし骨壷は触れるんだ。
  • よっち
    2015/07/27
    東京のはるか南に位置する咲留間島。夏の間に画家として納得できる作品を描けなければ、筆を折ってこの島に骨を埋めようと覚悟して絵を描く森公一朗が、ミステリアスな雰囲気を持つ志穂さんと出会うひと夏の物語。なぜこのような場所にいるのか、いかにも訳ありに見える志穂さんと、島にやってきた志穂の妹・紫杏たちと交流しながら絵が完成に近づいていく一方、疑惑を深めていく公一朗が見つけてしまったモノの真実。できることなら二人がもっと違う形で出会うことができれば良かったですが、これはこれでこの物語らしい優しい結末だと思いました。
  • まりも
    2015/06/30
    絵を描く為に咲留間島へやってきた貧乏画家の公一郎が、穏やかで可憐な雰囲気を持つ美少女・志穂と出会う事で始まる話。公一郎と志穂が過ごす穏やかな日常や最後の切ない結末から漂う雰囲気は、帯にある謳い文句通り儚さと美しさを感じさせるもので中々良かったと思います。ただ全体的に展開が読みやすく、ホラーミステリーとしてはあまりにも軽すぎるのが難点ですね。もう少し捻りのある展開の方が良かったかな。まぁ、読後感は文句ないので次回作の方も期待してます。
  • 佐島楓
    2015/08/22
    ネタバレあり
    筋はわりと早い段階から読めてしまった。けれど、透明感のある描写は魅力。ミステリの入門編といった感じだろうか。