病に至る恋
発売日 :
2025/09/25
全てはここから始まった。美しい毒が、日常を侵す――。
150人以上の被害者を出した自殺教唆ゲーム『青い蝶(ブルーモルフォ)』の主催者である女子高生の寄河景。彼女がなぜここに至ったのか。その片鱗が垣間見える幼少期を描いた「病巣の繭」。ゲームに囚われた少年少女を描く「病に至る恋」。景と宮嶺望のデートを描いた「どこにでもある一日の話」。もし自分の異常性に気付いた景が小学校に通うのをやめていたら? 運命の残酷さを描く「バタフライエフェクト・シンドローム」。
これは、愛がもたらす悲劇の連鎖――病に至るまでの恋の物語。
これは、愛がもたらす悲劇の連鎖――病に至るまでの恋の物語。
- レーベル: メディアワークス文庫
- 定価: 759円(本体690円+税)
- ISBN: 9784049166262
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メディアワークス文庫の新刊
みんなのレビュー
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みっちゃん2025/11/28108ネタバレあり第1話『病巣の繭』から戦慄。やはり寄河景は生まれながらの怪物だった。母親だけがそれに気付いていた。ブルーモルフォに囚われ若者が辿(らされ)る残酷な顛末を刻々と描く標題作にも言葉を失う。本編ではあまり感じなかったが、こんな「選別」の真相に気付きながら日々の生活を彼女と送ることができる宮嶺も恐ろしい人だ。そして!どんなに世界線が変わってもブルーモルフォにだけは至ってしまうという最終話にも戦慄しかない。
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nobby2025/10/2378『恋に至る病』スピンオフ短篇4つ。なんだか…どれも…せつないよ…「病巣の繭」思い返せばもう幼稚園から垣間みれた青い蝶の片鱗…「病に至る恋」ブルーモルフォに心酔する一組の男女高校生に感じるのは救いよりも悲哀か…「どこにでもある一日の話」今はもう取り戻せない景と宮嶺の何気ない純…彼女を失った僕が未だに思い出すのは、この時のデートのことばかりだからだ…「バタフライエフェクト・シンドローム」ああ、こっちの世界で蝶は羽化したのか...嗚呼、こちらでも…僕が君のことをずっと見守ってるから。君だけのヒーローになるから。
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ケイト2025/11/2255ネタバレあり「恋に至る病」のサイドストーリー。前作を再読した方が良かったなぁ〜。景は幼少の頃より、人を操ることに長けていた。『ブルーモルフォ』に居場所を見つけた高校生の男女。人の劣等感を刺激して、流される人間を排除しようとする景。宮嶺は景とデートした思い出を懐かしく語るけど、もし景が不登校になっていたら悲劇の連鎖は止められたのか⋯いつまでも宮嶺だけの景であったのか⋯うーんやっぱり羽化した蝶を閉じ込めることは出来なかったのでは⋯
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芳樹2025/10/1750ネタバレあり本編の解釈のヒントになるかなと思ったけど、そうはいかなかった。『病巣の繭』は保育園に通う景にその後の片鱗が見つつも、まだこの頃は母を救うという純粋な思いがあったように感じた。ブルーモルフォのプレイヤー視点で語られた『病に至る恋』ではプレイヤーの心情に苦しくなり、景と宮嶺のデートを描く『どこにでもある一日の話』ではその後の展開を思うと素直に楽しめず…。『バタフライエフェクト・シンドローム』はif世界ですが、同じような未来に進む雰囲気を感じて、勝手に悲しくなった。本編の重さに引きずられた気がするけど良作です。
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ごみごみ2025/10/2749ネタバレあり幼少期のエピソードが母親目線で語られる「病巣の繭」 青い蝶に囚われ狂わされた高校生男女の末路を描いた「病に至る恋」 ふたりのデート「どこにでもある一日の話」を境に景と宮嶺それぞれの覚悟が本物になった? だとしたら「バタフライエフェクト・シンドローム」のようなifがあったとしても・・行き着くのは悲劇の連鎖。ただひとりのヒーローである僕だけを愛した景。その解釈は変わらないのに、読んでいる間も読み終えた後も、どうしようもなく怖くて仕方がないのは何故だろう。
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