病に至る恋
発売日 :
2025/09/25
全てはここから始まった。美しい毒が、日常を侵す――。
150人以上の被害者を出した自殺教唆ゲーム『青い蝶(ブルーモルフォ)』の主催者である女子高生の寄河景。彼女がなぜここに至ったのか。その片鱗が垣間見える幼少期を描いた「病巣の繭」。ゲームに囚われた少年少女を描く「病に至る恋」。景と宮嶺望のデートを描いた「どこにでもある一日の話」。もし自分の異常性に気付いた景が小学校に通うのをやめていたら? 運命の残酷さを描く「バタフライエフェクト・シンドローム」。
これは、愛がもたらす悲劇の連鎖――病に至るまでの恋の物語。
これは、愛がもたらす悲劇の連鎖――病に至るまでの恋の物語。
- レーベル: メディアワークス文庫
- 定価: 759円(本体690円+税)
- ISBN: 9784049166262
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みんなのレビュー
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よっち2025/09/2620150人以上の被害者を出した自殺教唆ゲーム『ブルーモルフォ』の主催者だった女子高生の寄河景。愛がもたらす悲劇の連鎖―病に至るまでの恋の物語。彼女がなぜあの結末に至ったのか、片鱗が垣間見える幼少期の象徴的なエピソードと凡庸な母親。ゲームに囚われていく少年少女たち、宮嶺望と景のデート、自分の異常性に気付いた景が小学校に通うのをやめていた可能性を描いたifなど、様々なエピソードが描かれていく中でも景の存在感は際立っていて、分岐点で様々な可能性があったとしてもやはり結末は変わらなかったのかもしれないと感じました。
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みどり2025/09/268過去の話ともしもの話。景が性悪説というか、そちらの人間であるということを短編で表している。どうして、「恋に至る病」が生まれたのか、という小さなエピソードと、もし最後の短編のように「小学校に復学していたら」世界は無事だったのか、とか。でもきっと何も変われないし、変わらないんじゃないかという現実を突き付けてくる感じもたまらない。
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いこ2025/09/273『恋に至る病』を補完する短編集。 「病巣の繭」は景が蝶として羽化するきっかけとなるような1つの出来事、「病に至る恋」はまさに恋によって"病"に至ってしまったサイドストーリー、そして本人達にとっては全くそんなことはない「どこにでもある1日の話」と些事が"病"に影響を与えうるのかを描いた「バタフライエフェクト・シンドローム」。どれもタイトルが秀逸だった。
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dokusho_st2025/09/271寄河景という人間がどういう人間なのかを良く知ることの出来る一冊です。 でもこれだけは言えます。絶対に『恋に至る病』から読んで欲しいと。その後にこの本を読むとより深く意味を考察しながら読むことが出来て読書が楽しくなります。
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雫川2025/09/251恋に至る病から派生した短編集。寄河の母親、ブルーモルフォにのめりこむプレイヤー、宮嶺と寄河のデート、「if」の寄河、の構成だが、最後のifを選んだ寄河も宮嶺も結局2人の選択がひとつの結末に近づいていくのが、ほの暗く甘美でよかった。表題作は重いが、内容のどれもこれも陰気で面白い。今回映像化するにあたって恋に至る病のゼロエピや見えなかった部分があらためて1冊に纏まったこと自体が嬉しい。それにしても性質が悪であるというのに惹き付けられてしまう人間の描写が斜線堂有紀は上手い。
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