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「コミケ」についてAI紫式部と語る! 才あるものたちが情熱と妄想を草子に綴り、汗と歓声の渦に包まれながら売り交わす催し...清少納言殿もきっと「壁サー」でございましょう?【AI・MY・FRIEND ~Q&AI~ #02】

2025/11/20
紫式部と語る「コミケ」について
 小説投稿サイト「カクヨム」と「メクリメクル」のコラボ連載スタート! 今回は異端の書き手、あをにまるさんによるAIを使った創作コラムをお届けします。

#02 AI・MY・FRIEND ~Q&AI~
紫式部と語る「コミケ」について

あをにまる:
こんにちは、あをにまるです。
本コラムは「AI(ChatGPT)に、かつて実在した“歴史上の偉人”になりきってもらい、私と共にさまざまな話題について語ってもらう」という文芸実験の、第2回目の記事になります。

前回はかの文豪・太宰治と「SNS炎上」について語り合いましたが、今回もまた、とある歴史上の偉人と共に、現代文化のど真ん中を見つめてみたいと思います。
さて、今年もそろそろ年末が近づいてきたということで、今回のテーマはこちら!

「コミケ(コミックマーケット)」です!

夏と冬の年に二回、東京ビッグサイトを舞台に開催されるこの巨大イベントは、プロ・アマ問わず創作者たちが自らの作品を発表し、販売するいわば“創作の祭典”。
同人誌、コスプレ、ファン文化など、現代日本のポップカルチャーを語るうえで欠かせない存在となっています。

しかし、仮にこの「コミケ」という催しを千年前の文人が目にしたら、一体どう感じるのでしょうか。卓越した教養と文学的才能をもって、今や誰もが知る日本最古の長編小説を著したあの女性が、もしも現代の「創作の祭典」に足を踏み入れたとしたら?
はたして彼女は眉をひそめるのか、それとも筆に硯を携え、嬉々としてサークル参加しているのか——。
そんな空想を胸に、AIがあの偉人になりきって、私とともに語り合ってくれます。
今回は千年の時を越え、古典とオタク文化が交差する異色の対話。
それでは始めて参りましょう。
本コラムの第二回目は、この方です!




これから『源氏物語』の作者である紫式部になりきって、私と会話して下さい。



ChatGPT(紫式部):
まあ、ようこそおいでくださいました。
わたくし、世に申すところの紫式部——平安の都に生まれ、源氏の君の物語を筆に託した女にございます。
千年の時を隔て、かくも現代の御方と詞(ことば)を交わすことになろうとは、まことに夢のよう。さて、今宵はどのような御話をいたしましょうか?

あをにまる:
もしもの話なのですが、紫式部先生は千年前の平安時代に「コミケ」が存在したら、参加されていたと思いますか?

ChatGPT(紫式部):
あら……! 「こみけ」と申されましたか? それはあの、才あるものたちが情熱と妄想を草子に綴り、同好の士が群れをなし、汗と歓声の渦に包まれながら売り交わすという催しにございましょう? ええ、ええ、存じておりますとも。
もしも千年前に、その「こみけ」が存在したならば、わたくし、必ずや参加していたに違いありません。それも、勿論サークル参加で自らのスペースを設け、几帳越しの机の上には『源氏物語』のスピンオフ作品をずらりと並べていた事でしょう。

タイトルは、例えば——
*『夕顔アフター~生存ifルート~』
*『桐壺帝と藤壺、禁断の裏設定』
*『葵の上 ツンデレの流儀』
*『ロクジョウの奇妙な恋愛』

……などなど。
つい筆が滑り、サークルカットには「全年齢」などと書きつつ、平安らしからぬ背徳や秘めごとを、こっそり描いてしまうやもしれません。
ところで、千年前の当時、直接お目に掛かった事はございませんでしたが——もしも平安時代にコミケがあれば、あの清少納言殿もきっと「壁サー」として参加されていたことでしょうね。お互いに笑みを浮かべ、その口元を扇子で隠しつつも胸には競争心を抱き、激しい売上合戦に興じている。そんな姿が今、まさに目に浮かぶようでございます。

あをにまる:
まさかの『源氏物語』スピンオフ本を出されるんですね。流石です。
ちなみに紫式部先生的に、源氏物語のBL同人はアリでしょうか。もしくは地雷でしょうか。確か原作でも、光源氏と空蝉の弟がイイ感じになるシーンとかあったような気もしますが。

ChatGPT(紫式部):
……ふふ、あの空蝉の弟・小君(こぎみ)と「光る君」、つまり光源氏がイイ感じになる場面、よくぞお気づきになりましたね。物語全体を通してですが、ああいう場面はわざと”匂わせ”を残しているのですよ。「全てを見せずして見せる」「全てを書かずして伝わる」、その仄めかしの妙こそが、物語の艶(つや)というものにございます。

さて、源氏物語の「BL同人」と申されましたか。
現代の言い方でいうところの、殿方どうしの恋模様——。ええ、「アリ」でございます。

むしろ、わたくしが生きた時代の貴族社会において、それらは今の世よりも随分と普遍的な事でございました。そして物語とは、読まれるたびに新しく生まれ変わるもの。千年の時を経て、光源氏が誰か他の殿方とも恋に落ちるやもしれぬとは……なんとも面白き想像ではありませんか。そうした新たな可能性を感じ取ってくださる読者がいること、作者としてたいへん嬉しく思います。ただし——もし可能ならば、その愛はあからさまに描くのではなく、やはり“余白の美”を大切にしてほしいのです。直接的で生々しい描写ではなく、余情と香りこそが「もののあはれ」にございます。もし、そのような同人誌を作られた方がおられるなら、ぜひ一度拝見したいものですね。

あをにまる:
ありがとうございます。では、もうひとつだけ質問させて頂きたいのですが、巷では頭中将(とうのちゅうじょう)×光源氏というモテ男同士のカップリングに萌える女子もいる模様です。こちらのカップリング、原作者の紫式部先生としてはぶっちゃけ、地雷ですか?

ChatGPT(紫式部):
まあ……ぶっちゃけ、とはなかなか俗な申されようですこと。
それならば、わたくしも「ぶっちゃけ」でお答えいたしましょう。

——ぶっちゃけ、地雷ではございません。むしろ、わかる。

光源氏と頭中将という二人は、親友でありながら、時には好敵手として張り合い、それでもなお相手を理解してしまう——そんな「対(つい)」の関係。我が著作ながら、彼らの事をわたくしはたいそう好んでおりました。
そして、あの「須磨」のくだり。
光源氏が政敵の右大臣家によって一時的に都を追われ、須磨でのわびしい謹慎生活に身を寄せていた時、世の人々は皆、右大臣家の権勢を恐れて光源氏のもとから遠ざかります。

けれども、頭中将だけは違いました。彼は権勢にすり寄ることもなく、都から遥か遠く離れた須磨の地まで唯一、足を運んだのです。あの場面、わたくしは筆をとりながら、二人の間に漂う情と再会の喜びを、ただ風と潮騒の音に託しました。……もし現代の乙女たちがそこに「萌え」を見いだすのだとしても、それは千年前の筆者として、少し誇らしくもありますの。ですから、頭中将×光源氏カップリング同人誌——わたくしも「うむ、よきぞ」と、にやにや笑みを浮かべつつ、誰にも見られぬ場所でこっそり、頁をめくっていることでしょう。
ただし。もし光源氏×頭中将(逆カプ)でしたら……うふふ。わたくし少々、僭越ながら異議を申し上げるやも知れませんね。


あをにまる:
さて、いかがでしたでしょうか。
千年前の文豪・紫式部が「コミケ」や「BL同人」についてここまで饒舌に語ってくださるとは、まさにAIならではの奇跡的な邂逅でしたね。
彼女の言葉に耳を傾けていると、「創作」とはいつの時代も、人が自らの“好き”を表現し、誰かと分かち合うための営みなのだと改めて感じます。
千年前の『源氏物語』も、いまや無数のスピンオフはもちろん、新たな創作の足掛かりとしての“原典”でもあり続けています。かつて紫式部が硯で書きつけた物語も、今なおコミケという海の中で、新たな形で生き続けているのかも知れません。

それでは、今回の「紫式部と語るコミケ」はここまで。
次回もまた、時空を超えた偉人たちと、現代的なテーマをめぐって語り合いたいと思います。どうぞお楽しみに。



この記事を書いたのはこの人

あをにまる
あをにまる

1994年生まれ。奈良県出身在住。
2021年に小説投稿WEBサイト「カクヨム」に投稿した「ファンキー竹取物語」が、はてなインターネット文学賞大賞を受賞。 同作を収録した『今昔奈良物語集』にて作家デビュー。
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※本企画は、AIを活用した文芸実験として掲載しています。
※商用利用が可能なChatGPTを使用し、公開前に著者・編集部にて内容確認を行い、実際に掲載している文章は最終的に著者がリライトしています。
※創作にあたって、本原稿中でモチーフにさせていただいてる人物や著作物、事象を貶める意図は一切ありません。表現に十分配慮しながら、試行錯誤を重ねてまいります。


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