#04| 新米ラノベ編集者・ことぶき雪と『可愛い女の子たちのガールズラブ』| KADOKAWA新米社員が社宅で過ごすメクるメク日々

KADOKAWAにも実は社宅が存在しており、今回メクリメクルではそこに暮らす新米社員たちのリアルな日々の出来事や、彼ら彼女たちの等身大なエピソードをお届けしちゃいます!
出版社で働く若者たちの暮らしについて知る機会は案外レアかも!? 将来、出版社で働きたい人たちや、業界に興味がある人たちにも楽しんで貰えたら嬉しいです。
#04| 新米ラノベ編集者・ことぶき雪と『可愛い女の子たちのガールズラブ』
みなさんはじめまして!
KADOKAWAのスニーカー文庫編集部にてラノベをつくっています、ことぶき雪です!
大好きなものは百合、練ってる企画は百合、KADOKAWA志望動機は百合ラノベを作りたいから! と言い続けて今に至ります。
エントリーシートから最終面接まで百合を語って採用していただきました。こんな尖った私を受け入れてくれたKADOKAWAには感謝しかありません! 百合は就活生も救う!!。
小学生の頃から読者が好きで休み時間はずっと本を読んでいました。小学校時代のマイベストブックは『デルトラ・クエスト』(著:エミリー・ロッダ/岩崎書店)です。
中学生の頃にはラノベも読み始めて『とらドラ!』(著:竹宮ゆゆこ/イラスト:ヤス/電撃文庫)にめちゃくちゃハマっていました。至高のラブコメは『とらドラ!』であり、思い出補正もあるので一生変わらないかもしれません。
この頃からどっぷりエンタメコンテンツにハマり始めて分厚い書籍として『ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』(著:柳内たくみ/イラスト:Daisuke Izuka/アルファポリス)を読みふけり、深夜アニメの『キルミーベイベー』を見たりと私の中でのエンタメ黄金期です。
そしてもちろんエンタメにはかわいい女の子が沢山登場します。
さてここでふと思うのです。
「かわいい女の子とかわいい女の子がくっつけば、かわいさ二乗では?」
天啓です。
その瞬間立ちこめた雲が割れ、大地に光が降り注ぎ、民は救われ、肥沃となった大地に百合が咲き誇りました。
百合教の聖典に乗っているかわいさ二乗の一節はあまりにも有名ですね。
そこから私の百合人生が始まったといえるでしょう。
ではそこからどうなったか……は次回以降書くかもしれません。
ではでは社宅エッセイということで、社宅エピソードをひとつまみ。
私は高校生からほぼ一人暮らしみたいな生活をしていたので、新社会人になってからも生活は順調でした。
ただし、引っ越しという所業。
私はあれが好かんのです!
というのも私の部屋は痛部屋で壁と天井はタペストリーが覆い、ベッドには推しの抱き枕とぬいぐるみがいて、棚は祭壇として推しグッズが祀られています。祭壇に一番多いグッズはTVアニメ『リコリス・リコイル』関係のものばかりです。
痛部屋は部屋の構造や日射、インテリアの配置に基づいて、推しグッズを最適な場所に配置していきます。もちろんそれは楽しくもあり苦悩もありで、そうして自分なりの美学のもと展開された痛部屋はお気に入りになるのですが……。
引っ越しはそれを無残にも引き裂くのです……!
引っ越しに際して、せっかくの痛部屋をバラしていく悲しみと苦労は堪えますね。
社会人となる引っ越しでそれを味わったので、もうしたくないなと思うんですけど、いずれ社宅からは出なきゃ行けないので避けられぬ運命。
まぁやるんですけどね!!痛部屋つくり楽しいし!
次回はもっと素晴らしい痛部屋にしてやろうと思います!
あ、でも私お猫様をお迎えしたいんですよね……痛部屋とお猫様は両立できるのか……。
そこが今の悩みです。
それでは最後に私のオススメ本を一冊紹介して終わります。
紹介するのはみかみてれん文庫様より刊行されている『女同士とかありえないでしょと言い張る女の子を、百日間で徹底的に落とす百合のお話』(著:みかみてれん/イラスト:雪子/みかみてれん文庫)です(以下『ありおと』)。
ご存知かもしれませんが『ありおと』はGA文庫様より刊行されていまして、私が紹介するほうはGA文庫様から刊行される以前のもの、みかみてれん先生の一次創作同人誌です。

何故あえてこちらを挙げさせていただいたかというと、私が百合の深みに足を踏み入れるきっかけの一冊だからです。
私が駆け出しの百合ist(「百合を信奉する人」の意)だった頃に、コミケで偶然出会い、お迎えいたしました。
パッケージと中身を見て「この同人誌にはすさまじい熱意と好きが込められている……ッ!」と驚いたものです。
どういうお話かというとタイトル通りで、主人公・鞠佳がクラスの孤高の美女・絢に百日間かけて恋に落とされます。
落ちないぞ落ちないぞ!と猫のごとくシャーシャーしながら落ちていく様が非常に可愛らしいのですが、私が特に好きなのは百合をきちんとセクシャリティとして描いているところ。
鞠佳がビアンバーに行って「女同士」を一つの愛の形として絢を受け入れていく過程は、なんだか現実感があって惹かれるんですよね。
昨今同性愛は一般的なものとされていますし、その風潮ももちろん素晴らしいと思っていますが、セクシャリティについて真正面から考える百合も非常に好きですね。
みかみ先生の文章力とお話の構成に虜になり、ここから百合ラノベに浸かっていきました。
みかみてれん文庫版もGA文庫版どちらも素晴らしいので、両方読んでください!
それでは以上、ことぶき雪でした。
あ、私Xで編集者アカウントやってます。
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ことぶき雪 編集者Xアカウント

モテ系JKの榊原鞠佳は、ある日、クラスのクールな美少女・不破絢に、突然百万円を突きつけられた。
「榊原さん。一日一万円で百日間、あなたを買うわ。女同士が本当にありえないかどうか、試してあげる」
「――は? はあっ!?」
その日から始まる、放課後の○○タイム。
頭を優しく撫でたり手を握ったりするところから始まる絢の行動は、日に日にエスカレート!!
果たして鞠佳は、百日目まで絢に「ありえない」と言い張ることができるのか――(できない)。
屈服確定!? 敗北必至!? 鞠佳の百日を巡るガールズラブコメディ!!