SHARE

#02| 新米海外事業職員・わたがしと『口に関するアンケート』| KADOKAWA新米社員が社宅で過ごすメクるメク日々

2025/08/12
サムネイル
●アイコンイラスト/みかきみかこ

 社宅。それは企業が従業員に対して家賃の一部または全部を負担して提供する住宅のことであり、従業員は相場よりも安い家賃で住むことができるという仕組み――。
 KADOKAWAにも実は社宅が存在しており、今回メクリメクルではそこに暮らす新米社員たちのリアルな日々の出来事や、彼ら彼女たちの等身大なエピソードをお届けしちゃいます!
 出版社で働く若者たちの暮らしについて知る機会は案外レアかも!? 将来、出版社で働きたい人たちや、業界に興味がある人たちにも楽しんで貰えたら嬉しいです。


#02| 新米海外事業職員・わたがしと『口に関するアンケート』

 「わたがし」です。静岡出身の女の子。
 東日本では「わたあめ」と呼ばれているようですが、あえて昔から呼び親しんだ呼称で。

 KADOKAWAでは海外事業に携わっておりまして、今も上海出張中です。
 この部署に身を置くことになったきっかけは2006年まで遡ります。

 中国人ママと日本人パパのもと産まれたわたがし(4)の夢、それが「「「「日本と中国をひとつにすること」」」」

 いきなりスミマセン。言外の意味はありません。
 付け加えるならば、「ひとつ」というのは「物理的に」。
 欲を言えば車で行ける感じに…もっと欲を言えば静岡と瀋陽が2分くらいの距離に……
 と、毎日気ままに妄想を重ねていました。(なんと欲深い……)

 そんな、日本と中国がただただ大好きな女児のなんてことない夢だったのですが、わたがしは大学生になってもこの夢をあきらめきれませんでした……(なんと……)

 とはいえど、地理的に大陸を繋げる生業なんてなく。
 まあ、もしあったとしてもシャトルラン成績32回のわたがしは身体検査ではじかれるだろう、というナイスな自己分析をし、就活に臨むわたがし(21)の頭の中はこうまとまりました。

⇒じゃあ両国が「協力できる」という点で距離が近い業界に身を置けないか
⇒あとわたがしの好きな業界がいい
⇒じゃあエンタメ業界だ
⇒KADOKAWAの海外躍進がすごいみたい
⇒じゃあ出願だ!いけー!

 この想いが伝わり、無事にKADOKAWAに入社。
 今は主に海外子会社と本社を繋ぐ、ハブのような仕事をしています。毎日楽しいです。

 そんなわたがしは、こんなかんじですが、一人暮らしはお手の物。
 というのも中学生のときから寮生活をしていて、月~金はずっと学校、週末のみ帰宅というライフスタイルだったから。もちろん最初は一人で髪の毛を結ぶことも、枕カバーを変えることも、洗濯機を操作することもできない状態だったので、ホームシックになって、毎日目を腫らすほどえんえん泣いていました。わたがしに湿気は禁物なのに。
 一人で起きることもできなかったので、朝6時に振動する腕時計をずっと付けて寝ていました。みんなよりも30分先に起きて、他の子を起こしにいったりしていました。健気ですよね。

 そんなかんじだったので、一人暮らしの洗礼ともいえる「失ってから大切さに気づく」というやつを12歳時点ですでに経験していました。(丸宮先生、マウントとってゴメン)
 なので、反抗期はゼロ、自立も早かったです。週末に待っている母の特製餃子と、父と『さんまのお笑い向上委員会』を見ることだけを楽しみに、辛い平日を頑張れたんですね~。よくがんばった、わたがし(12)。両親をいかに幸せにするかが今後の人生の課題です。

 そんなこんなで大学生となり上京し、本格的な一人暮らしがスタートするのですが、親との涙の別れ…は12歳の時から呆れられるほどやってきたので、ノーダメージ。家事も余裕でした。

 ただ、去年部屋にセミ(以下、「S」)が入ってきたときだけは焦りすぎて、マンションごと燃やしたほうがいいか本気で検討しました。健闘むなしく、深夜にキッチンからSの羽音が聞こえたとき、「何にもできねえな、俺は。」とエレンさながらに泣きました。あの夜のことは一生忘れません。
 その後、無事セミも見当たらなくなった(おそらく部屋の中で死ん……)ので、今は快適です(⌒∇⌒)以降は部屋干しです(⌒∇⌒)
 「夏のベランダには要注意」ですよ。
 わたがしのことは忘れても、このことだけは念頭に置いて洗濯してくださいね。

 そんな体験はすごくホラーだったよ~ということで、今回はわたがしおすすめのホラーを紹介します。
 『口に関するアンケート』(背筋/ポプラ社)です。


alt
口に関するアンケート/ポプラ社 ©️ 背筋

 今年、「このホラーがすごい!」で国内編4位を獲った作品です。
 背筋さんの作品は、今年映画化もされる弊社刊の『近畿地方のある場所について』をはじめとしてどれも好きなのですが、本作はなんと手のひらサイズ。表紙、タイトル、構成、どこを切り取ってもインパクト大。30分弱で読み切れるボリュームでありながら、いろいろな考察が飛び交う深みのある作品です。
 大学生たちが心霊スポットで肝試しをしたあと…というベタな題材ですが、「さすが背筋さん!」と唸るスゴ構成になっています。下手にいろいろ言いたくもないので、ぜひお手に取ってみてください。

 ――あっ、あと、これは本当に偶然なのですが、「セミ」もめちゃめちゃキーワードです。

 この夏の思い出に、ホラーと、Sをぜひ! (⌒∇⌒)ミーンミーン

以上、わたがしでした!

背筋 (著者)
その他単行本
試し読みする
情報をお持ちの方はご連絡ください
近畿地方のある場所にまつわる怪談を集めるうちに、恐ろしい事実が浮かび上がってきました。

みんなにシェアしよう