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囲碁×異世界転移ファンタジー『星天 天才囲碁少女、異世界で無双する』著者にして、現役アマチュア囲碁棋士が語る「囲碁の魅力」とは?

ドラゴンノベルス
ドラゴンノベルス
2025/11/07
サムネイル
 2025年11月にドラゴンノベルスより刊行された『星天 天才囲碁少女、異世界で無双する』は囲碁と異世界転移ファンタジーを掛け合わせた独創性抜群の注目作。メクリメクルでは現役アマチュア囲碁棋士の顔を持つ著者・空兎81さんに囲碁の魅力を突撃インタビューするとともに、本作のユニークな面白さをお届けしちゃいます。囲碁について詳しく知らなくても楽しめる――いやむしろ囲碁を知らない人にこそ、その面白さに気付いてもらえるような本作特集をぜひ最後までご覧ください。

まずはどんな作品かチェック!


作品情報

空兎81 (著者) / 惑星Y (イラスト)
ドラゴンノベルス
試し読みする
囲碁に命をかける“全力”少女・星天の爽快無双伝説が始まる!
「私、 また碁が打てるんだ!」――病気で命を落とし、政の行方を囲碁で決める世界に転移した中学生棋士の綺星は、驚くも心躍らせた。
そこでは囲碁の実力者たちが、負ければ「死」という真剣勝負を繰り広げていたのだ。そんなヒリヒリする戦いはむしろ望むところ。
嬉々として勝負魂に火がついた綺星は星天と名乗り、有力者に食客として迎えられると、数々と立ちはだかる難敵に果敢に挑んでゆく
――囲碁がすべての異世界で頂点を目指す、天才少女の痛快成り上がり。

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©️空兎81・惑星Y

登場人物

キャラクターアイコン
星天

病死がきっかけで異世界に転移した中学生棋士。現実世界で体験した究極の対局を再現したいと思っている。病弱で明日をも知れない命の中で、囲碁の対局に勝ち続けた伝説の少女であり、転生した異世界でも強さを見せ周軒の食客になる。その結果、他藩との揉め事を囲碁で解決する棋礼戦に挑むことになるのだが……!?

キャラクターアイコン
周軒

有力藩主の跡継ぎ。星天の実力を買い、生活の面倒をみることを条件に、星天を他藩との揉め事の行方を決する棋礼戦へ誘う。碁の実力はイマイチだが、真っ直ぐで実直な碁を打つ。

キャラクターアイコン
鳴良

囲碁が強いと評判の壮三兄弟、末弟。攻めで押し切る星天と違って半目を読んで打つ緻密な棋風の持ち主。星天も認める実力者だが、可哀想が似合う弟キャラで実は女の子にモテたがっている。


注目ポイント

★囲碁のルールをまったく知らなくても、アツい知略バトルとキャラクターたちの生き様のぶつかり合いで手に汗握る戦いを楽しめる!

★囲碁がすべての異世界で、女性の身でありながら実力で周囲の評価をねじ伏せ、成り上がっていく爽快感が気持ちいい!!

★気付けば囲碁の面白さに目覚めている……!? 専門用語の解説も付いていて、物語を楽しんでいる内に知らず知らず囲碁の知識が身についている親切設計!

『星天』著者・空兎81さんが語る、囲碁の魅力とは?(上)

 「囲碁×バトル」という異色の熱さと激しさを持ったライトノベルが、空兎81による『星天 天才囲碁少女、異世界で無双する』(ドラゴンノベルス)です。病弱だった天才囲碁少女が転生した先は囲碁の強さですべてが決まる世界。ただし女性は囲碁を打たせてもらえないという状況の中、少女は命をかけた勝負に挑んで強敵たちを打ち負かし、囲碁棋士としての存在感を強めていき……!?
 将棋がテーマのマンガやライトノベルはそれなりの数が存在するエンターテインメントの世界に、囲碁を引っさげて挑んだ理由とは? 作者の空兎81先生に聞きました。

わたしの小説を読んで、ひとりでも囲碁をやってくれる人が
増えたら嬉しいという気持ちが結構強くありました。


―――囲碁をテーマにした作品というと、ほったゆみ先生原作で小畑健先生マンガの『ヒカルの碁』が真っ先に思い浮かびますが、他の作品となるとライトノベルも含めてあまり思い浮かびません。始まって間もない蓮尾トウト原作、仲里はるな先生作画の『伍と碁』くらいでしょうか。

空兎81:ほかにも、少女マンガとして出ていたモリエサトシ先生の『星空のカラス』なんかもありましたが、その他となると本当にあまりないですね。将棋がテーマの作品はマンガもライトノベルもいっぱい面白い作品があるんですが……。『星天 天才囲碁少女、異世界で無双する』はだから、そうした囲碁に関連した作品といった時に名前を挙げて戴けるようになることが目標です。

―――2000年代初頭に『ヒカルの碁』の人気でちょっとした囲碁ブームが起こって、囲碁を始める子どもたちが増えたと記憶しています。『星天』にはそうした囲碁ブームの再来を狙ったところがありますか。

空兎81:その気持ちはすごい強いですね。わたしは両親が囲碁で出会ったという囲碁家族の人間でわたし自身も小さい頃からずっと囲碁をやっていたんですが、今は囲碁をやる子どもたちがどんどん減っている感じがすごくしています。小説を書く時に囲碁を題材に選んだことにも、わたしの小説を読んでひとりでも囲碁をやってくれる人が増えたら嬉しいという気持ちが結構強くありました。

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©️空兎81・惑星Y

―――先生ご自身は今も囲碁を続けていらっしゃるんですよね。

空兎81:この前も大会に出て同じ段位くらいの人たちと対局して優勝しました。

―――それはお強い! プロ棋士になろうというお考えはなかったのですか?

空兎81:藤沢里菜さんという、とてもお強い囲碁棋士の方がいて、その里菜さんのお父様の藤沢一就先生がやっていらした囲碁教室に通っていました。プロになることにも興味があったんですが、小学生の時に面白いよといって囲碁のことを教えた男の子があっという間に強くなって、院生(囲碁棋士を養成する機関に所属する人たち)になってしまったんです。それで、自分はプロにはなれないなあと思いました。ただ、中学や高校でも囲碁は続けていて、大学でも囲碁部に入ったらリーグ戦に団体戦があって燃えました。

―――やはり根っからの囲碁好きなんですね。それがどうして小説を?

空兎81:小さい頃から文字を書くのも結構好きで、中学生の頃にはオリジナル小説を書くようになりました。棚を漁ったら当時の黒歴史みたいなノートが30冊くらい出てきました。書いていたのはファンタジーですね。異世界に行って活躍するみたいな話をいっぱい書いていました。どなたかのファンタジーを読んで書くようになったというよりは、『ドラゴンクエスト』とか『ファイナルファンタジー』といったPRGのゲームが好きで、あの世界観に物語性を持たせることが好きで、そういった小説をいっぱい書いていた気がします。

―――WEBで囲碁の小説を書こう、と思ったきっかけは?

空兎81:ずっとノートに書き続けていたのですが、もうちょっと人に読んでもらえるものを書きたいという気持ちになって小説として書き始めたところがありますね。しばらくは2次創作を書いていたんですけど、定期的にオリジナルを書きたくなる衝動が出てきて、それが囲碁を打ちたいと思う時期だったこともあって、それなら囲碁をテーマにして小説を書こうという気になって始めたのが『星天』です。



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