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100年の時を超える切ない愛の物語 『かくして魔法使いノイ・ガレネーは百年後、花嫁となった』

2025/09/25
かくして魔法使い
コミカライズも大人気『死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから(※ただし好感度はゼロ)』著者、六つ花えいこ先生による『かくして魔法使いノイ・ガレネーは100年後、花嫁となった』の2巻がメディアワークス文庫から9月25日に発売されました。ファンタジーの魅力を凝縮した、100年の時を超える切ない愛の物語。話題のこちらの作品の魅力を、3つのポイントでご紹介します!

作品の注目ポイントはココだ!

孤独な少年と魔法使いの師弟愛

 世界を崩壊させるという魔王をその身に宿した少年は、人々から化け物扱いされ、身柄を拘束されていました。国一番の魔法使いノイ・ガレネーは、この少年の監視を命じられますが、非人間的に遇せられる少年の姿を目にして憤り、命令に反発して少年を弟子として迎え入れることを決意。
 彼にカルディアという名前を授け、無条件の愛を注いでいきます。これまで拒絶されることしか知らなかった孤独な少年は、ノイのもとで居場所とぬくもりを見出し、魔法を学んで笑顔を取り戻していきます。
 本当は誰よりも心優しいカルディアと、自分の力のすべてを使って弟子に未来を与えようとするノイの師弟愛は涙を誘わずにはいられません。


100年の時を超える切ない愛の物語

 魔王を浄化し自身も消滅したはずのノイは、謎めいた男に呼び出されて不思議な浮島で目覚めます。そこは100年後の世界、彼女は魔力のすべてを失ったうえに15歳の頃の姿に戻ってしまっています。おまけに男の正体は、なぜか20代の姿を保ったまま生き続けているカルディアで――。
 今の無力な自分の正体が彼のかつての師匠であると言い出せないまま、ノイは婚約者としてカルディアの家で暮らし始めます。カルディアは今でも師匠のノイを心から慕い、目の前にいる少女が本人だと気が付かないまま、彼女を何かの目的に利用しようとたくらんでいる様子。
 互いに秘密を抱えた二人がみせるもどかしいすれ違いと、時を超えた切ない愛の物語は必見です!


不思議な浮き島を舞台にした幻想ファンタジー

 現実世界ではありえない不思議な力や絶景は、ファンタジー小説を読むときの大きな楽しみです。空に浮かぶ浮島を舞台に、魔法使いたちが多彩な魔法を繰り出す、西洋ファンタジーの魅力が詰まった本作。とりわけ印象的なのが、自然と魔法が混ざり合って生み出される、幻想的な浮島の風景です。
 地上に向かって螺旋状に流れ落ちる湖の水や、この高さだからこそ味わえる震えるほど美しい雲と夕陽、ノイとカルディアが夜のデートで眺めた神秘的な星の川……。
 心を震わせる景色の数々と、繊細な心理描写が光る物語は、唯一無二の世界を生み出しています。


文:嵯峨景子


登場人物紹介

ノイ・ガレネー
ノイ・ガレネー

国一番の魔法使い。乳白色の髪とペパーミント色の瞳をもつ美女。

カルディア
カルディア

その身体に魔王を宿している。自分を初めて人間扱いしてくれた師匠のノイを慕う。

フェンガロー
ノイの兄弟子でエスリア王国の王太子。ノイに魔王の監視を依頼する。

書籍紹介

世界は救われた。 ――100年の間は。
 国一番の魔法使い・ノイは、魔王を宿す少年・カルディアの監視を命じられる。ノイは心を閉ざした彼に寄りそい、穏やかな日々が始まった。
 だが、運命の日。ついにカルディアの中の魔王が目覚めてしまう。ノイはこの日のために編み出していた浄化魔法を展開し――世界から消えた。
 あれから100年、一人の少女が美しい男の呼びかけで目を覚ます。名を尋ねられ、少女は答えた。「ノイ」、と。
 これは、運命に翻弄されながらも孤独だった二人が希望を紡ぐ物語。
愛している風に見せかけているだけ。なのにどうして――。
 魔王との戦いで命を落とし、100年後に子どもの姿で蘇ったノイは、立派に成長した弟子・カルディアの「花嫁」として共に穏やかな日々を過ごしていた。しかしある日、王宮からの催促でカルディアの花嫁探しをする必要があると知り、胸に言いようのない痛みが走る。
 カルディアが唯一の花嫁として想うのはノイだけ。だが、それはカルディアがひた隠しにしてきた悲しい秘密に繋がっていて……。
 孤独な二人が時を超えて希望を紡ぐ物語、第2巻!

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