乃木坂46・井上和のアニメオタク人生は『ソードアート・オンライン』のアスナから始まった――アニメ・漫画・ラノベから得ること【あなたの #チャレ活】
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今回は、そんな井上の「アニメ人生」と、そこから繋がる「今のチャレンジ」を語ってもらった。
アニメの一番良いシーンは、ライブ中に重なって感じることはあります
――さて『メクリメクル』という、ライトノベルを中心としたWebメディアですが、今回企画ご参加のオファーがあったとき、どう思われましたか?
井上和(以下:井上):昔からアニメや漫画とか、そういったものが日常的にあったので。自分の好きなことについて語らせていただける機会ってなかなかないので嬉しかったです。ありがとうございます。
――こちらこそ、ありがとうございます。井上さんはライトノベルや、漫画、アニメといったジャンルの中で、一番好きな作品ってなんですか?
井上:それはもう、『ソードアート・オンライン』(著:川原礫 イラスト:abec/電撃文庫。以下『SAO』)ですね。小学2年か3年のときに、アニメの1期が放送されていて。その頃からずっと好きな作品です。

――おぉ! 『SAO』のどこが具体的に刺さったんですか?
井上:私は、ヒロインのアスナちゃんがすごく好きで。カッコイイ女の人って素敵だなって。時代的に『プリキュア』も流行ってましたし。「戦う可愛い強い女の子」に憧れてたんですよね。というか、ビジュアルもお姉さんみたいな感じで好きでしたし、勉強もできるし、戦っていても強いし、けっこうツンケンしちゃうところも良くて。
――登場した時から好きになったんですか? それとも話が進むにつれて好きになっていった感じです?
井上:最初はアスナちゃんってフードをかぶって顔が見えない状態で出てくるんですけど、戦闘シーンでフードが破られて顔が出た瞬間「……なんだ!? このかわいい子!」って。しかもバックに流れている音楽も含めて最高の演出で。そこからアスナちゃんもSAOも大好きになりました。
――ちなみに、アスナの真似とかしました?
井上:しました!(笑) 叔父さんがよく遊んでくれていて、アスナの武器がレイピアなんですけど、家にあったダンボールで作ってくれました。ダンボールを濡らして細くして。あと、主人公のキリトとアスナが面倒を見ていたユイちゃんの心を結晶化した宝石みたいなのがあるんですけど……あれを叔父さんに「ユイの心を作って!」ってお願いしたんです。おばあちゃんの家の近くに、アスファルトに文字が書ける白い石があったので、一番綺麗なのを拾ってきて「これを削って作って!」って。
――石灰石ですね。アレを1.5cmまで削るのは大変な作業ですよ(笑)。
井上:そうなんです。形は、しずく型にできたんですけど、全然大きくて。3cmくらいあったので「違う違う!」って言って、一回戻しました(笑)。そこからも頑張ってもらったんですけど、結局本物の大きさまでにはならなくて。でも、それを学校に付けていったりしましたね。本物は水色っぽいのに、白かったから違うんですけど。
――少女時代の井上さん、厳しすぎますね(笑)。ちなみに、レイピアも作ってもらったってことは、叔父さんと戦ったりもしたんですか?
井上:基本は弟ですね。当時はまだ幼稚園生だったんですけど、私は弟をキリトにしたかったので、叔父さんに2本の刀を作ってもらって(キリトのファイトスタイルは二刀流)戦ってましたね(笑)。
――小2のお姉ちゃんが幼稚園生の弟に二刀流をさせて、レイピアで弟と対決してたんですか!(笑) ちなみに、アスナの服とかにも影響を受けたり?
井上:ありますね。アスナって白と赤の服を着てるんですけど、いまだに赤が好きですね。小物でも、赤いものを持つとテンションが上がります。雨傘とか長靴とかポーチとか。あと、自分のサイリウムカラーも白と赤だし。完全に影響を受けてますね。
――SAOの魅力って、アスナのキャラ単体の魅力以外だと、どういうところですか?
井上:キャラクター同士の関係性もしっかり描いてくれるじゃないですか。だからこそ仲間同士、力を合わせて戦うシーンがすごく良くて。チームプレー感がすごく魅力的なんですよね。アスナを救うために、世界樹を登っていくシーンで、みんなが得意分野を出し合って、キリトを上に行かせるために一丸となるじゃないですか。今私は、グループとして活動しているので、「みんな力を合わせて、得意分野を伸ばして頑張ろう!」っていうところがつながるというか。
――おお! じゃあ乃木坂46のライブのときに、SAOのあのシーンを思い出したりするんですか?
井上:ちょっと頭の中を過ることはありますね(笑)。でもSAOだけじゃないんですけど、アニメの一番良いシーンは、ライブ中に重なって感じることはあります。乃木坂46には各曲でセンターがいて、フィーチャーされるような演出もあるんです。自分がセンターを支えるとき、「すごいかっこいいな、自分!」って思いますね(笑)。

アニメは、毎クール最後まで見届けるのは10本くらい
――SAOのようにキャラに惹かれることもあると思うんですが、世界観や声優さんなどから作品に興味を持つこともあるんですか?
井上:ありますね。今だと、メインビジュアルを見たり、内容を見て面白そうだなって思うこともありますし。もちろん声優さんで気になることもあります。
――以前ブログで『86―エイティシックス―』(著:安里アサト イラスト:しらび イラスト・メカデザイン:I-IV/電撃文庫)や『ノーゲーム・ノーライフ』(著・イラスト:榎宮祐/MF文庫J)が好きと書かれていましたよね。
井上:両方とも大好きです! 『86―エイティシックス―』は音楽も大好きで。澤野弘之さんがアーティストの中で、今一番好きなんです。『ノゲノラ(ノーゲーム・ノーライフ)』は、空の声優さんがSAOのキリト君の声優さんと同じ松岡禎丞さんで。最初は「松岡さんがやってるんだ」って見始めました。


――音楽も声優もアニメを語る上では重要ですからね。他にはどんなところを見て、この作品を見ようってなりますか?
井上:制作会社さんで気になることもあります。
――制作会社! そこをチェックするのは本格的ですね! 「ここの制作会社だから信用できる!」みたいな見方を始めたのっていつ頃からですか?
井上:中学3年生くらいですかね。スマホを持ち始めると調べるじゃないですか。いろいろ調べて知っていくと面白くなってきて。
――ちなみに井上さんは毎クール何本くらい見るんですか?
井上:あまり数えてはいないですけど、そんなに多くないです。最後まで見届けるのは10本くらいですから。
――十分すごいです!(笑) ちなみに、4月〜6月の春アニメで印象に残っているアニメはありますか?
井上:『LAZARUS ラザロ』がやばかったですね。『BANANA FISH』(著:吉田秋生/小学館)が好きで。キャラデザを同じ方(林明美)がやられてるって聞いて見始めて。あと『鬼人幻燈抄』(著:中西モトオ イラスト:Tamaki/双葉社)も。キャラクターに情が湧く瞬間が描かれていて素敵だなって思いました。
――いいですね。『鬼人幻燈抄』も原作は小説ですが、ライトノベルは読んだりするんですか? やっぱり異世界モノとか?
井上:はい、学校にあった作品くらいしか読んでなくて申し訳ないんですけど(笑)。ジャンルは、日常話も好きなんですが、やっぱりライトノベルや、アニメや漫画もそうですけど、現実では味わえない何か、みたいなものを求めてしまうところがあるんです。SAOもそうですけど、現実では味わえないけど、ありそうでなさそうな絶妙な世界に惹かれるところはあります。私、将来アインクラッド(SAOの世界)には行けるかもしれないって思ってます(笑)。
乃木坂に入って「不格好でも一生懸命努力してやりきろう」って思うようになった

――井上さんは、アニメ『ATRI-My Dear Moments-』で、第7話のエンドカードも描かれていたくらい、イラストもすごいじゃないですか。やっぱり、アニメが好きだったから自分でも絵を描きたくなったんですか。
井上:そうですね。一番最初は、キャラの目を模写してました。中学時代、『テラフォーマーズ』(作:貴家悠 画:橘賢一/集英社)が好きで、キャラ全部の目を描きました。で、それを描いていたら、他のアニメもキャラによって目の印象が違うことに気づいて。そこからキャラの模写が始まって。abecさん(『SAO』イラスト)の模写もしましたね。
――井上さんの絵の上手さは、そうやって積み上げてきたんですね。でも、ここまでアニメ好きだと、イラストだけじゃなくて自分でも「こんな世界を作ってみたい!」って思ったりしないんですか?
井上:……思いました(笑)。というか、やってました。漫画とか描いてましたし、アニメーションも作りました。高校1年の夏休みのときにひとり、デジタルで1枚1枚手描きで。でも1分くらいですけどね。
――ひとりで1分ってめちゃくちゃ長いですよ! 1秒8コマだったとしても480枚じゃないですか。
井上:めちゃくちゃ描きました。アニメーターさんって、こんなに大変なんだって思いましたね。最初は、構成も考えてたんですよ。小学生の女の子が学校に行くだけのお話なんですけど。『エヴァ』(エヴァンゲリオン)も好きだったので「カメラをどこから映そうか」みたいな。ミサトさんとシンジ君がしゃべってるのを上のカメラから撮るシーンとかあったじゃないですか。ああいうのをやりたいな、って。でも描いてみると「……できないな!」って諦めてしまって。「全然頭の中で考えたコンテ通りにいかない!」って(笑)。
――アニメーターの苦労を実感しますよね。ちなみにその女の子が学校に行く途中、事件が起きたりするんですか?
井上:しないです。ただランドセルを背負って、靴を履いて、家のドアノブを持ったところで数秒間、動きが止まるんですよ。実際は絵が足らないだけなんですけど、「うん、これは外が暑いから出るのを迷っている、っていうシーンにしよう」みたいな(笑)。
でも結局その後、扉を開けて1歩、2歩、進んだらもう終わりました(笑)。自分の力じゃ全然ダメでしたね、大変すぎて。でも出来上がったときには感動しましたね。データにしてアニメーションにはしたんですけど……今はそのデータ、どこにいったかわかんないです。
――いやー、高校1年で素晴らしいチャレンジをしましたね。ちなみに今回のインタビューのテーマのひとつに「チャレンジしたいこと」というのがあるんですが、何かチャレンジしてみたいことってありますか?
井上:そうですね。来年のNHKの大河ドラマに出させていただくので、自分の人生において大きなチャレンジになると思ってます。
――2026年の大河ドラマ『豊臣兄弟!』ですね。しかも豊臣秀吉に愛された側室、茶々という大きな役! 相当なプレッシャーですよね。
井上:……そうですね。毎日「どうしよう。怖いな」って不安もあります。
――歴史は詳しかったりするんですか?
井上:小中高と、歴史が一番好きでした。それに父が司馬遼太郎さん好きで、本がほぼ全部家にあったので。もちろん司馬遼太郎さんの小説と本来の歴史は違う部分はあるとは思うんですけど、好きですね。いろいろと勉強させてもらってます。
――じゃ、今はいろいろ悩みながら、いろんな方面を勉強中って感じですかね。
井上:はい。私が演じる茶々を調べたり、過去の大河ドラマを見たり。でも、本当に普通に生きていたら絶対にできない体験だし、挑戦なので。
私は、小さいときから、うまく行かないことがあったときに、いろんな理由を並べて、結局、自分自身で「頑張った!」って胸を張って言えないような終わり方をしてしまったものが多くて。でも乃木坂に入って、いろんな仕事をさせていただいている中で、「不格好でも一生懸命努力してやりきろう」って思うようになったんです。そういう気持ちと行動をすることで、結果がついてこなかったとしても、自分の自信につながるような気がして。
――自分は、立ち向かったし、逃げなかった、と。
井上:はい。「こんなに大変だったけど、私は逃げなかった!」って気持ちと、「私は頑張った!」って言えることを増やしたいんです。
――すごいですね。まるで物語の主人公がしゃべっているかのようです。
井上:いえいえ、全然です。当たり前ですけど、自分ひとりで頑張っているわけではなくて、周りの人のサポートがあってこそですから。そういう中で、責任を感じたり、いろんな人の思いを背負って、ここに立っているんだって実感してます。だからこそ、乗り越えられたと思っているので。
――先ほどの「アニメの一番良いシーンは、ライブ中に頭の中を過る」というお話がダブって見えました。
井上:自分としては、今まで一番多く触れてきたエンタメが、アニメ、漫画、ライトノベルだったりするので、それらから活きるものがあるんじゃないかって考えたりもします。大きなチャレンジですが頑張ります!
取材・文●篠本634(short cut)

井上和(いのうえ・なぎ)
2005年2月17日生まれ。神奈川県出身。B型。
乃木坂46のメンバー、『non-no』専属モデル。2026年NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』茶々役。TOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」内「乃木坂LOCKS!」 毎月第一週目 月〜木曜を担当。
乃木坂46公式サイト メンバーページ
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●2026年1月から放送予定のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」に茶々役で出演決定。
※2025年7月末時点の情報です。
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