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とにかく、まずは始めてみる。GENIC・雨宮翔が日々のチャレンジから学んだこと。【あなたの #チャレ活】

2025/07/29
とにかく、まずは始めてみる。GENIC・雨宮翔が日々のチャレンジから学んだこと。【あなたの #チャレ活】
 メクリメクルの創刊から平日に毎日お届けしている『あなたの #チャレ活 メクリメクル創刊記念「日メクリ」インタビュー!』。
 本日は、昨年ミュージカル「経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。」にて主演を務め、自他ともに認めるオタクだと公言する雨宮翔(GENIC)さんです。
 11月にはグループ初の日本武道館公演を控える雨宮さんが、新たにチャレンジしていることとは?

キッカケはコロナ禍。最初は本当に軽い気持ちで、単なる暇つぶし感覚で見始めた

──雨宮さんは、アニメがお好きだということで、そこにハマった経緯や、どこに魅力を感じたのか? というところを深く掘り下げてお話を伺えたらと思っております。アニメとは、“オタク文化”とも言われていますが、まず、雨宮さんが思う、“オタク”とは、どういうイメージだったりしますか?

雨宮翔(以下、雨宮):僕が思う“オタク”とは、“自分の時間とお金をどこまでそこに使えるか”が、そこにどれだけハマっているかの基準かなって思ってますね。僕の場合は、もちろん限度はありますけれども、時間もそうだし、お金もそうだし、そこに対して、自分が納得いく限度まで惜しみなく費やせることだと思ってます。それだけ好きっていう気持ちが大きいっていうことだと思うんです。なので、ハマったら、没頭するし、夢中になる時間が増えるので、そこに向かう気持ちこそが“オタク”なんじゃないかなと(笑)。

──雨宮さんご自身は“何オタク”だと思いますか?

雨宮:僕は結構多趣味というか、いろんな分野、ジャンルを好きになることが多いので、すごく幅の広いオタクだと思います(笑)。そんな中で、アニメも大好きですし、ブランドのお洋服も、『ポケモンカード』も好きですし、本当にいろんなもののオタク欲が強いと思います。

──そんな中、アニメにハマったキッカケをお聞きしてもいいですか?

雨宮:昔からテレビで放送されているアニメはよく観る方だったんですけど、そこまでめっちゃハマってたかっていうとそうではなくて、流れていたら観る、みたいな感じだったんです。でも、ガッツリハマって観るようになったキッカケは、コロナ禍でしたね。コロナ禍で外に出られない状況になった時に、サブスクで配信されているアニメとかを見始めて、どんどんハマっていった感じでした。最初は本当に軽い気持ちで、単なる暇つぶし感覚で見始めたんですよ。暇つぶしの時間を自らのインプットの時間にしたいなという気持ちはあったので、外に出られるようになった時に、それをどうアウトプットできるか、みたいなところを結構考えていたような気がしますね。

──惹かれるタイプのアニメとか、ストーリーの傾向はありますか?

雨宮:最初は楽しく観ているだけのところから始まったので、そこまで自分の好きな傾向を分析するには至らなかったんですけど、2022年ぐらいだったかな、自分的にアニメを観る比率がすごく多くなってきてるなって自覚した瞬間があったんです。その瞬間には既にどっぷりと浸かっていたんだと思うんですけど、自覚がなかったというか(笑)。徐々にハマっていったんでしょうね。その流れの中で、お仕事の一環で、好きなものを書き出すアンケートみたいな企画があって、その時に今まで観てきたアニメを箇条書きにしたことがあったんです。それを書いたタイミングで、改めて“こんなに観てたんだ!”って、自分でもビックリして(笑)。

──改めて知ったんですね(笑)。

雨宮:そうなんですよ!

──『レコーディングダイエット』って“自分がどれだけ食べているかを気付かせるために書かせる”っていう狙いもあるみたいですからね。ちょっとその効果と似てますよね(笑)。

雨宮:改めて自分を知るという意味では、まさにそうだったと思います(笑)。

──それを書いたことによって好きな傾向が分かったりしたんですか?

雨宮:本当に多種多様というか、本当にいろんなジャンルを観ていたことは発覚したんですが、傾向はなかったんですよね。中でも、アクションアニメだったりとか、いわゆるその、「週刊少年ジャンプ」の作品だったりとかは鉄板だなって感じではあるんですけど、恋愛もSFもスピリチュアル系も、とにかくジャンルレスで広めに好きだなっていうのはありますね。サブスクでも観るんですけど、ちゃんとリアルタイムでチェックするようにしてます! ツアー中とかもホテルで観たりします!

「昨日のわたしよりも今日のわたしがちょっとだけやさしい人間であればいいなと思いながら生きています」この言葉に救われたし、自分自身の教訓になっている

──ベスト3を挙げるとしたら?

雨宮:『僕のヒーローアカデミア』(著:堀越耕平/集英社)が一番なんですけど。最近観たので今結構上にいるのは、『青春ブタ野郎』シリーズ(著:鴨志田一 イラスト:溝口ケージ/電撃文庫)ですね。『青春ブタ野郎』は、思春期症候群と言われる、謎の現象がテーマになっていたりもするんですが、そういう部分って誰しもあるなって思ってて。“こうなりたい”、“ああなりたい”、“こうだったら自分ってどうなってたんだろう?”って、誰でも考えることだと思うんです。人生にはいろんな選択肢があって、今の僕たちは、確かに、過去にも未来にも行けないけれど、想像することはできるなって。『青春ブタ野郎』の中で描かれている、起こった未来、過去を変えていくことだったり、どう乗り越えていくかっていうストーリーや、思春期に起こる葛藤や様々な感情が、すごく共感できるんです。今、自分が生きている中で、選んだ選択肢のどれが正解とかはないと思うんですけど、しっかり自分の中で消化して自分がいいと思ったことを選択できるような人間にならなくちゃなって。曖昧に生きないようにしなきゃなって、感じさせてくれたんですよね。この作中に出てくるセリフで、「昨日のわたしよりも今日のわたしがちょっとだけやさしい人間であればいいなと思いながら生きています」っていう言葉があるんですけど、その言葉に救われたし、自分自身の教訓になっているんです。

──作品を通して学んでるし、吸収してるし、救われているんですね。『青春ブタ野郎』シリーズは、文学的な感じの作品ではありますよね。

雨宮:そうですね。確かにそう思います。

──ちなみに、『青春ブタ野郎』シリーズの中で、推しのヒロインは誰でしたか?

雨宮:翔子さん(牧之原翔子)です! いろんな経験を経て咲太(梓川咲太)と出逢ったこと、本当に共感しちゃうんですよね。いろんな葛藤があったんだろうけど、すごく強く生きてるというか。そんな生き方が心にくるんです。「昨日のわたしよりも今日のわたしがちょっとだけやさしい人間であればいいなと思いながら生きています」っていうのは、まさに翔子さんのセリフなんです。

──なるほど。『僕のヒーローアカデミア』が一番好きな理由は?

雨宮:『ヒロアカ』もコロナ禍に見始めたんですけど、僕自身、アーティストをやらせてもらっている中で感じることがあって。アーティストって、人の人生を変えることができる職業だと思うんですよね。僕たちのステージを観てくれた人たちに、希望や夢を持ってもらえるような存在になりたいなっていう気持ちは昔からあったので、『ヒロアカ』を観た時に共感するところがすごくあって。主人公が挫折してしまった時、主人公が好きだったナンバーワンヒーローに“君はヒーローになれる”って言われるんです。自分はダメだ……って諦めていたんだけど、不可能ってないんだなって思い直すというか。その人が信念を持ち続けてたら、きっとヒーローにはなれるんだって思えたんです。コロナ禍で未来が見えなくなっていた時期と重なって、自分ももっとアーティストとして、大勢の方に希望や夢を持ってもらえるような存在になりたいっていう想いが強くなったんです。

──雨宮さんは作品の登場人物の感情に自分を重ねて観ることが多いんですね。

雨宮:確かにそうですね。自分では無意識だったんですけど、自分を重ねるからこそ、共感がより深くなるし、作品自体も心に残るんだなって思いますね。それと、僕はアニメに対して、ちょっとニュアンスが違うかもしれないけど、助けを求めてるというか、日々、いろんな方と関わるので、いろんな感情になって、ぐちゃぐちゃになった自分の感情を整理したい時に、アニメを求めているのかな? って思いますね。癒しを求めてるのかなぁ。よりどころになっているのは確かだと思います。

雨宮翔

──なるほど。新たにチェックしている作品はありますか?

雨宮:はい! 『ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-』『炎炎ノ消防隊 参ノ章』『ウィッチウォッチ』『紫雲寺家の子供たち』です。

──どういうところで“これを観よう!”って決めているんですか?

雨宮:ほぼインスピレーションですね。タイトルとかで気になったりしたら観ちゃいます。『経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』(著:長岡マキ子 イラスト:magako/ファンタジア文庫)とかは、完全にタイトルからでしたね。

ゆくゆくは自分だけで演出をしてライブを作り上げたい

――音楽とかダンスを好きになった感覚と、アニメのコンテンツを好きになった感覚って近かったりすると思いますか?

雨宮:タイトルで気になったりとか、音楽でもサビにフックのある歌詞を持って来てるところとか、音楽に惹かれる感じと似てるのかもしれないですね。あとは、“好きになる気持ち”でいったら同じだと思います。“オタク”の定義と重なる部分なんですけど、“どれだけそこに時間とお金を惜しみなく費やせるか”ってところでは、同じ感覚だと思います。やっぱり推しのグッズは買ってしまうので(笑)。集めたくなっちゃう。『アオのハコ』(著:三浦糀/集英社)っていうアニメにも友達と一緒にハマっているんですけど、今年の3月にやっていた『アオのハコ展』にも友達と一緒に行って、グッズ買いまくっちゃいましたからね(笑)。アクスタとかはもちろん、あとは「一番くじ」でクッションが当たったりとか! めちゃくちゃ楽しんじゃいました(笑)。そういう意味では、ファンの皆さんの気持ちがすごく分かるんじゃないかな? って思いますね。

――すごく基本的な質問になってしまいますが、ダンスや音楽を好きになって、この世界に入ったキッカケというのは、どこからだったんですか?

雨宮:それでいうと、僕は4、5歳の頃からダンスを始めて、物心ついた時から触れていたって感じだったので、憧れて始めたというよりは、気付いたらもう人生の一部になっていた、みたいな感覚なんです。でも、そこに対してずっと自分が強く思っていることは、“自分が言ったこと、自分が決めたことは、絶対にやり通す”っていう信念なんです。

――『ヒロアカ』を好きになったところと重なりますね。

雨宮:そうなんですよ! 5、6歳の時に改めて、アーティストさんをみて、素敵だな、自分もこんなふうになりたいなって夢を抱いたので、その頃から、心の中にずっと叶えたい夢としてあり続けている想いなんだと思います。

――新しいチャレンジというところでは、今後、どんなことを考えていますか?

雨宮:すごくちっちゃなことなんですけど、今後のお仕事のためにも、家でできるトレーニングを始めたんです。腕立てとか、自主的にできるものなんですけど、体力作りという意味でも、やっててマイナスなことはないので。

――日々のチャレンジから学んだことってあったりしますか?

雨宮:自分は、思い立ったら即行動に移す、というのが昔から早い気がしているんです。やってみないと自分に合っているのか合っていないのかも分からないので、とにかく、まずは始めてみるんです。興味を持つ時も同じで、気になったらまずは触れてみる。そこから始まるんですよね、何事も。惜しみなく行動に移してます! ご飯とか決めるのも早いです(笑)。インスピレーションを大事にするというか。で、気に入ったものはずっと食べ続けたり、やり続けたりしますね。“これ!”って思ったものと出逢えたら、そこからはもうあんまり冒険しないんです。ずっとそればっかりになる傾向はありますね(笑)。そこを追求したくなっちゃうというか。

――掘り下げたくなっちゃうんですね。

雨宮:そうですね。舞台とかライブを観る時も、いわゆる演出と言われる部分ばかり観ちゃうんです。照明だったり特効だったりVJ(ビデオジョッキー)だったり、だから、純粋にライブを楽しむというより、研究しちゃうって感じの楽しみ方しちゃうんです。

――まさに、“オタク気質”ですよ、それ(笑)。

雨宮:確かに! そうですね(笑)。ゆくゆくは自分だけで演出をしてライブを作り上げるのが夢なんです。昔からAAAさんが好きなんですけど、西島(隆弘)さんみたいに、その人にしか出せない魅力の詰まったライブを、いつかやってみたいです。

――11月に武道館が控えていますが、具体的にどんなライブにしたいですか?

雨宮:実際まだ全然骨組みとかもできてないんですけど、いろんなことを考えてます。メンバーがやりたいことも含めて、ファンの皆さんが楽しんでくれるライブを作りたいです。武道館は誰もが一度は立ちたい場所でもあると思いますし、僕たちとしては、最大規模のライブに挑むことにもなりますし、今回はデビュー5周年っていう節目のタイミングなので、スペシャルな1日にしたいです。悔いのないように、お客さんにも満足していただけるように頑張りたいなと思います。

雨宮翔
取材・文●武市尚子
撮影●渡部伸
ヘアメイク●MARIKO SASAKI
スタイリスト●石橋修一
衣装クレジット●ジャケット¥33,000、Tシャツ¥19,800、パンツ¥30,800(以上全てNEPHOLOGIST)
イヤーカフ¥16,500、リング¥39,600(Scat)

雨宮翔

雨宮翔(あめみや・かける)
2001年8月9日生まれ。神奈川県出身。血液型O型。男女7人組のダンス&ボーカルグループ「GENIC」のメンバー。
2024年に、ミュージカル「経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。」にて主演・加島龍斗役を務める。
2025年11月には、GENIC初の武道館公演「GENIC 5th Anniversary Live at 日本武道館」を開催。

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GENIC 5th Anniversary Live at 日本武道館

■公演スケジュール(開場時間/開演時間)
【東京】日本武道館
2025年11月5日(水)開場17:30/開演18:30

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