にじさんじ・石神のぞみが目指す理想のVTuber【あなたの #チャレ活】
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――『メクリメクル』創刊記念インタビューにお越しいただき、ありがとうございます。さっそくお話を伺いたいと思いますが……その前に!(笑) 石神さんはライトノベルを読みますか? 好きな作品があったらぜひ教えてください!
石神のぞみ(以下:石神):わ、ラノベ!(笑) それこそ『涼宮ハルヒ』シリーズ(著:谷川流 イラスト:いとうのいぢ/スニーカー文庫)とかいろいろ読んでたんですけど、私の中で一番心に残ってる作品は『バカテス』(『バカとテストと召喚獣』著:井上堅二 イラスト:葉賀ユイ/ファミ通文庫)なんですよ。もともと本を読むのが結構好きで、幼い頃から青い鳥文庫みたいな児童向け書籍もわりと読んでたんです。ほら、そういう児童向け小説も挿絵とか入ってるじゃないですか。それで友達から「ラノベもそんな感じだよ。読んだことないの? 読みなよ」って貸してもらったのが『バカテス』だったんです。
――TVアニメ化もしたファミ通文庫の名作ですね! どんなところが心に残っているんでしょうか?
石神:小説で笑いをこらえられなくなるって初めてだったんですよ!(笑) 「なんだこの面白い本は!」って衝撃を受けて。それまで私の中では小説って、感動したりワクワクしたり、為になったり、というものだったんですよね。それがまさかこんな日常パートみたいなお話で、読書中に吹き出しそうになるなんて……そんな経験は初めてで。「小説ってこんなにも自由で拡張性があるんだ」って驚いたんです。
実はそこから、小説だけじゃなくてエッセイみたいな本も読み始めるようになったんですよね。『バカテス』に出会って、活字で人を笑わせるってすごいなってシンプルに感動して、それで「活字でそういう面白い本をもっと読みたい」って思って、いろいろ漁り始めました。エッセイの中でも特に好きなのはさくらももこ先生のエッセイなんですけど、そういった本にも出会うことができて、『バカテス』は私の中で活字の価値観を変えてくれた衝撃の作品でしたね(笑)。
歌に臨む一つ一つが挑戦
――ではここから、改めて石神さんの #チャレ活 をお聞きしてまいりたいと思います。石神さんが今チャレンジしていることは何でしょうか?
石神:今度、9月にIdiosで1st Mini Album『By Colors!』を出すことが、たぶんすべて(チャレンジと)繋がっていると思います!
そもそものところで言うと、私を含めた7人組のIdiosは、ユニットというよりも本当に言葉通りの意味で“デビュー同期仲間”という感じで、同じ時期にいろんな個性を持った女の子7人がデビューします、っていう括りのメンバーなんですよ。最近のにじさんじでは“ユニットとしてデビュー”という形が多いと思うんですけど、Idiosはユニットというよりも、みんなでそれぞれ好きなことやるぞっていう女子の集まりって感じなんですよね。Idiosという名前もデビューの時はなかったですし。そんな7人が全員元気で健康にここまでやってこられて、ミニアルバムを出すことになるっていうこと自体が、もう個人的には「わぁ、あんな自由にやってきたみんながそんなことまで……大きくなったわね」みたいな母親目線の気持ちになってるんですけど(笑)。

――とすると『By Colors!』は、Idiosというメンバー全員のチャレンジでもあるわけですね。そんな中で、石神さん個人として特に挑戦となるポイントはありますか?
石神:私自身、VTuberになってやりたいことっていうのはもちろんいっぱいあったし、今もあるんですけど、その中に“歌”はほとんどなかったんですよ。そもそも正直そこまで歌が得意というわけじゃないですし……(笑)。そんな私が全部オリ曲のミニアルバムに参加してるなんて、デビュー当時の私はきっと思ってないと思います。だからシンプルにこういう企画に参加することそのものが挑戦ですし、ボイトレやレコーディングといった一つ一つももちろん挑戦ですね。
――そんな石神さんが、歌の企画に参加しようと思えたキッカケ、背中を押してくれた出来事のようなものはあるのでしょうか?
石神:やっぱりリスナーさんが褒めてくださることが大きな後押しになりましたね。リスナーさんたちが本当に優しい人ばかりなので、私が「歌、苦手なんよな~」とか、「これ、ちょっと頑張ってみたんだけどどうかな? チラチラ」とか言うと、大丈夫だよ、上手いよって肯定してくださるんですよね(笑)。そのおかげで「同期も頑張ってるし、せっかくだから自分も挑戦してみるか」って腹を括って決められたところがあります。あとは他のライバーさんでも、「もともと歌が苦手だったんだけど、活動を通して自分らしさを届けるために、歌も頑張りたいんだよね」って言って頑張ってる方の話を聞いたことで、私も頑張ろうって思えました。
石神のぞみをインターネットの偶像にしたい
――そういったチャレンジ、頑張りを通して目指す、石神さんがなりたい姿・目指す姿をお聞かせください!
石神:私はもともと何かを発信する側・表現する側よりも、受け取る側・楽しむ側にいるタイプだったんですよ。絵を描くことは好きなので、表現らしい表現みたいなことはせいぜいそれくらい。そんな私が「にじさんじに入って表現する側に立ちたい」と明確に思ったキッカケが、『LIGHT UP TONES』というARライブだったんです。オンラインで見ていて、「こんなに実在感があって、没入感がすごいものがあるのか」ってめちゃくちゃ感動して!

石神:私はバーチャルYouTuberという存在が出てきたわりと初期から追ってる古参オタクなんですけど、そんな私のような古参オタクが好きな“バーチャル性”を、すごくダイレクトに感じたライブだったんですよね。「うわ! 私が大好きなバーチャル性って、まさにこれだ!」って(笑)。



石神:そして今まさに、にじさんじに入ろうと思ったその原体験を思い返してみると、活動を通して私が目指したいバーチャル性というものの答えに行き着きそうな感覚があって。それが「みんなで石神のぞみを作る」ということなんです。私本人も私の信じる“石神のぞみ”を作るためにめちゃくちゃ尽力するし、スタッフさんも尽力するし、リスナーさんも応援という形で支えてくださるし、みたいな……。みんなで石神のぞみという存在を信じて、その幻想を現実に作り上げよう、みたいな感覚がバーチャルだと私は思うんです。
たぶんこれは正直なところ、私に裏方気質なところがあることも理由かなって思いますね(笑)。私は、私自身が前に出てパフォーマンスをするのが好きというよりも、“バーチャルタレント石神のぞみ”という存在を輝かせるために“一般悪魔と人間のハーフ石神のぞみ”がいろいろ頑張る……みたいな感覚でやってるんですよ(笑)。石神のぞみを輝かせることで、リスナーさんに喜んでもらったり、他のライバーさんやにじさんじがより輝く力になれたり、そういうところに繋がっていけたらって。
でもやっぱり、『LIGHT UP TONES』を見て、あのバーチャル性に憧れてにじさんじに入って、そして今私自身が歌をやってミニアルバムを出すことになって……。こんな幸運を、あの時の憧れで終わらせるのはやっぱりもったいないから。あんなすごいライブをしたい、パフォーマンスをしたい、という気持ちが原体験にあって今活動をしているなら、次は自分がそういう大きなライブの舞台に立てるようになるぞ!っていう目標をまずは目指したいと思ってます! それに今年の1月にオンライン(配信)でやった、Idiosの2周年記念ライブが楽しかったんですよね(笑)。だからまず次はオフラインのリアルライブをやりたいなって目標もあります。
――歌やライブといったチャレンジ・目標は、「石神のぞみ」というバーチャルタレントを育てていくもの、と言い換えられそうですね! 先ほど石神さんは幻想と仰いましたが、もしかしたらアイドルという言葉の本来の意味である“偶像”を理想としているのかなと感じました。
石神:まさに仰るとおりかもしれません! デビューしてからこれまでずっと、よそ見する暇もないままがむしゃらに目の前のことをこなすしかできない……って感じだったんですけど、デビューから丸2年経ってようやくちょっとだけ視界が開けてきた感じがあって(笑)。ずっと「バーチャルタレントの石神のぞみって何だろう」っていうものに対して、自分の中で答えが見つかってない状態だったんですけど、だんだんと「石神のぞみとして、こうありたい」みたいなゴールが見えてきたというか。こんな石神のぞみでありたいと思うようになってきたんですよ。理想の自分になるために、そして私の中の理想のVTuberってこういうものだったよなと思い出すこともあり、今はそういったバーチャルの石神のぞみをもっと理想に近づけたい、と目指している最中ですね。
仰っていた言葉がすごくしっくりきたのでお借りすると、私は結局のところ “偶像”になりたいのかも……って思います。私自身としても偶像としての石神のぞみを作り上げたいし、リスナーさんたちからもそう思われるようになったらいいなって。これまではふんわりと「存在がインターネットになりたい」みたいな感覚だったんですけど(笑)。この感じを言葉にするのが結構難しいなと思ってたんですが、この感覚をインターネットという言葉以外で表現するなら“偶像”だなって、今言われて思いました。
いや、インターネットの偶像になりたいのかもしれません(笑)。みんながインターネットをやめる時があったとして、そんな時に「インターネットの石神のぞみ、好きだったな」って思い返してくれるような、インターネットの偶像になりたい。今見てくれる人たちが、いつかオタクをやめたとしても、ふと会話の中でハルヒを思い出したり、ニコニコを思い出したりする感覚で、石神のぞみを思い出してほしい。人生の最期に、思い出を振り返った時に「あぁ、好きだったな」って、じんわりと思ってくれるような感じ……そういう偶像になりたいなって、今回のインタビューの中で思いました。
――ありがとうございました! 最後に読者のみなさん、そしていつも応援してくださっているファンのみなさんに向けて、メッセージをお願いします。
石神:最近はとてもありがたいことに忙しくさせていただいておりまして。ミニアルバムに向けてボイトレを頑張ったり、徐々にそのレコーディングが始まっていたり……。その中で、みんなは喜んでくれるかな、こうしたら嬉しいかな、とか考えながら日々を送っています。私にとってこの忙しさは全部チャレンジですけど、でも大きなチャレンジの通過点の一つだと思ってます。
今回のインタビューで改めて思ったんですが、最近は将来について考える時間が多くなったなって気付きました。前までの私は結構後ろ向きで、過去のことを考えてうじうじするタイプだったので(笑)。こういう風に石神のぞみとしての将来、みんなとの将来を考えるようになったのは、いつも応援してくれるみんなのおかげなので、今後も楽しいことをもっともっとお届けできるように今頑張ってます! 今後も引き続き世界征服活動を頑張っていくのでついてきてよね!!!

石神のぞみ(いしがみ・のぞみ)/にじさんじ
2023年1月16日にデビュー、同期で “Idios(イディオス)”というユニットを組んでいる。悪魔と⼈間のハーフという設定で活動しており、本当はただの⼈間だが魔力が宿っていると信じて、日々世界征服を目指し邁進中。
インターネット文化のエンタメに精通しているため、“ネットミームの申し子”と呼ばれることも多い。
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