第23回角川ビーンズ小説大賞 受賞作の魅力をまるっと深堀り！
メクリメクルでは、キャラクターの魅力や関係性、言葉にしきれない想いやすれ違い、恋が静かに深まっていく過程に注目して受賞作の魅力をまるっと深堀り！ 心に残るときめきや余韻、読者の心をつかんだ理由を丁寧にひもときながら、今だからこそ出会いたい物語の魅力をご紹介していきます。
2025年12月27日発売
優秀賞＆
〈一般部門〉審査員特別賞 三川みり先生選
「首なし魔女の婚礼 〜呪われた騎士と誓いのキスを〜」（著者：采火 イラスト：桜花 舞）
首がなくても、顔が見えなくても――恋におちました。わたしの、運命の人。
魔女ドロテの呪いのせいで首がない魔女ネリー。顔がなくとも明るく過ごすネリーを、全身甲冑の騎士エルネストが訪ねてくる。彼もドロテの呪いで醜い姿に変えられていた。それがネリーと婚姻することで解呪できると言うのだ。しかし婚礼儀式には誓約のキスが必須。【首がないので誓いのキスができません！】二人は婚礼のため、ドロテを追い首を取り戻す旅に出るのだが!? 首のない魔女と顔を隠した騎士の恋愛メルヘン！
「首なし魔女の婚礼 〜呪われた騎士と誓いのキスを〜」のおすすめポイントはここ！
顔がないヒロインと、顔を見せられないヒーロー!?
ヒロインのネリーは姉弟子・ドロテの呪いによって頭部を失っています。頭がない彼女の会話の方法は、声でなくなんと“雲”！ ネリーの首から絶えず雲が生まれて、もくもくした文字で心情が綴られていくのはなんともシュールです。おまけにヒーローのエルネストもドロテの呪いによって醜い顔になり、全身を甲冑で隠しています。呪いを解くために「魔女の婚礼」を挙げたいのに、頭がないから誓いのキスを交わせない二人は、呪いを解くためにドロテに立ち向かうことに。顔がないヒロインと顔を見せられないヒーロー、一体二人はどうなってしまうの？ 独特の設定で読者の心をぐっと掴む、ユニークなラブコメです。
ポジティブ全開！ ネリーの言葉で元気になれる！
頭部を失ってもネリーはどこまでも明るく朗らかで、前向きに生きています。おまけに自分を呪ったドロテを恨んだりせず、彼女の憎しみまでも受け止める懐の深さも見せています。醜い顔にされて人々から嫌われてしまい、自己肯定感がだだ下がりしているエルネストにも常にポジティブな言葉をかけて、太陽のような明るさで彼の心の闇を照らすネリー。一見夢見がちな乙女のようでいて、芯が強いところも彼女の魅力の一つとなっています。どんな逆境に置かれても決して後ろ向きにならないネリーの姿勢と言葉は、私たちの心にもエネルギーをチャージしてくれます。最近落ち込みぎみな人も、この小説を読めば元気になれるでしょう。
『裁縫の魔女』刺繍のおまじないが世界を救う！
『裁縫の魔女』であるネリーの特技は刺繍。彼女が刺繍のおまじないをほどこしたアイテムの数々が、作中には登場します。熱い砂漠でも気持ちよく寝られるひんやりシーツや、中に亜空間が広がっていてなんでも収納できるとんがり帽子、希望や幸せなどたくさんの祈りを込めた美しい布、そしてバトルシーンでも大活躍する魔女盛装（マギカ・ドレス）などに心が躍ります。シャナルティン皇国では三百年も前から人間と魔女の対立が続いていますが、ネリーとエルネストのロマンス、そしてネリーの手掛ける刺繍のおまじないが長きにわたるわだかまりを溶かしていくのです。さまざまな魔女が登場するファンタジー小説としてもおすすめです。
登場人物紹介
裁縫が得意な『裁縫の魔女』。おまじないを込めた刺繍が得意。育ての母であり師匠の死後、姉弟子ドロテに呪われ首と顔を失ってしまう。
シャナルティン皇国の近衛騎士。ドロテの呪いのせいで顔が醜く変わり、見た者すべてに嫌悪と殺意を与えるようになってしまったため全身を甲冑で隠している。
ネリーの姉弟子で『呪詛の魔女』。現在はシャナルティン皇国の皇太子に取り入り、贅沢三昧の日々をおくって「傾国の魔女」と呼ばれている。
紹介動画はこちら！
購入特典
・アニメイト特典
書き下ろしショートストーリー『ふくふく赤ちゃん』付きペーパー
・まめログ団店舗特典
複製サイン入りイラストカード
・応援店特典
書き下ろしショートストーリー『星をどうしますか？』付きリーフレットをプレゼント
・電子書籍特典
書き下ろしショートストーリー『空飛ぶ絨毯』を収録！
2025年1月30日発売
〈WEBテーマ部門〉WEB読者賞
「高慢悪女の品位 最強騎士のトラウマも王子の未練もすべてわたくしが叩き折ってみせますわ」（著者：星名こころ／イラスト：緋いろ）
悪女で結構！ ヘタレを叩き直したら勇敢な最強騎士になり迫られました!?
侯爵令嬢アレクシアはすべてを持った国一番の令嬢。だが第一王子に高慢悪女であると噂を流され婚約破棄される。そこへ辺境伯子息レニーとの縁談が舞い込んでくる。レニーは噂を気にせずむしろ気の強さを気に入っていて……「優雅で気品にあふれて、少しも物怖じしない。とてもまぶしく感じました」しかしレニーは真剣を扱えず、その原因が明らかになるにつれ二人の仲も深まり……？ 痛快な高慢悪女と温厚騎士の真逆恋愛！
2025年2月27日発売
〈一般部門〉審査員特別賞 伊藤たつき先生選
「前世、わたしを殺した男が生まれ変わって求婚してきます」（著者：真白 燈／イラスト：睦月ムンク）
元・悪虐の女王に愛される資格はあるのか――愛憎絡まるグランド・ロマン！
悪虐の女王として殺された記憶を持つ侯爵令嬢・ルティア。償いに生きる彼女の前に、前世で王配だった公爵家当主・キールが現れる。女王と同一視して迫る彼から助けてくれたのは、第三王子・テオバルド。女王を殺した男の生まれ変わりであるはずの彼は、熱烈に求愛してきて!? 「俺はあなたを許さない」戸惑うルティアだが、前世の最期に聞いた憎悪の言葉の本当の意味を知り－－裏切りと罪から始まるグランド・ロマン！
