白狼様と神隠しの少女 約束の百年目、神使が迎えにきました

発売日 : 2025/02/14
孤独な少女と人間嫌いの神使様。大切な約束を見つける和風冒険ファンタジー
神野木家の下働きのまほろは強欲な当主一家に虐げられてきた。

ある日白皙の美貌の青年・狭霧が訪れる。
神使だという狭霧は「『石』を返せ」と迫るが、当主は狼狽するばかり。
しかも身代わりとしてまほろが差し出されてしまった。

百年前、神野木家には特別な霊石が貸し出された。
返さなければ破滅だと聞き、まほろは失われた霊石を捜すことに。

二人旅の中、狭霧の不器用な優しさや新しい出会いを通してまほろの孤独は癒えていく。
人間嫌いの狭霧ともやがて心を通わせるが、旅路の果てに思いがけない真実を知って――。

==登場人物==

まほろ
神野木家の下働き。
強欲な当主夫妻と一人娘に虐げられ、周囲の使用人からも見下されている。
捨て子の自分を拾ってもらった恩を返すため、懸命に働いている。

狭霧
神霊界の主に仕える神使。人間嫌い。
純真すぎるまほろのことは放っておけず、つい世話を焼いてしまう。
  • レーベル: 富士見L文庫
  • 定価: 770円(本体700円+税)
  • ISBN: 9784040757636

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みんなのレビュー

  • ひぬ
    2025/10/29
    ネタバレあり
    【読み放題】神野木家の下働きとして当主一家に虐げられていたまほろ。「石」を返してもらうべく訪れた神使・狭霧に身代わりとして差し出されたまほろは彼と共に失われた霊石を捜すことになりますが…かなり杜撰な環境からのスタートでしたが、早々にまほろがそこから脱出できて良かったです。彼女が外の世界と接するにつれて成長するという側面もありましたが、人間嫌いの狭霧が一面だけで判断せず、狭霧を見て自分の考えを改めていく展開が良かったです。まだ名前のない感情が見え隠れする展開も良いですね…
  • ころころ
    2025/02/24
    ネタバレあり
    捨て子の自分を拾ってくれた主人一家への恩返しのため下働きとして懸命に働くヒロイン。ある日、轟音が屋敷内に響き渡った後、武士のような出立ちの白髪の青年が突然現れる。「神の使い」を名乗る彼は、かつて彼の主が預けたものの返却を要求するが…。作者様買い。この作者様が描く優しい雰囲気の世界が大好き。主人一家だけでなく使用人達からも「まほろ」ではなく「ボロ」としか呼ばれず虐げられているけれど懸命に頑張るヒロイン。彼女は無知ではあるけれど労働には対価があるなど制度的なものは教えてもらわなければ分からないのは当然。
  • アマノサカホコ
    2025/03/19
    ネタバレあり
    東大阪市図書館。神との誓約を守るため石探しをすると決意を伝えて...虐げられている事にも気づかないヒロインと霊石のカケラ探しをしながら人間について学ぶ狼ヒーローとの情緒を育てていく物語。ヒロインの記憶喪失の理由が霊石と上手く関わっていたのが面白かった。なぜ人間が嫌いになったのかヒーローが過去をヒロインに語るシーンがお気に入り。過去の心の傷を話すとより親密になれる★★★
  • 桜城誠
    2025/03/09
    虐げられていた少女が神使と出会い旅をする事で幸せを知っていく話。自分が不幸だということも知らなかったまほろが色んな人と出会い助けられたり助けたりする中で感情を知っていく過程が丁寧でよい。また神使の狭霧もまほろとの旅の中で一緒に成長していく姿が微笑ましい。良い作品でした。