青を欺く

発売日 : 2023/12/25
第19回MF文庫Jライトノベル新人賞、《優秀賞》受賞作。
俺、城原千太郎はウソつきだ。
空っぽな自分は表に出さず、他人の仮面を被って毎日をやり過ごす。
だがそんな高校生活はある日、小悪魔かわいい後輩女子・霧乃雫に打ち砕かれた。
『映画監督』の霧乃は「ウソつきは、役者のはじまりです!」と俺を自主制作映画に引きずり込む。
しかも期待でキラキラした顔で撮りたがるのは、俺が演じる「最高にイケてる役」!?

加えて学級の人気者だが本性はサバサバ系女優の桜に、体育会系のボス・石田もチームに入り撮影はスタート。
しかし、とあるトラブルから映画作りは難航してしまう。
その裏には霧乃の隠し持った想いが──?
ウソだらけで、間違って。でも、この青春はきっと止まらない。
  • レーベル: MF文庫J
  • 定価: 748円(本体680円+税)
  • ISBN: 9784046831507

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みんなのレビュー

  • オセロ
    2023/12/25
    奇を狙うのではなく、あくまで王道なストーリー展開に一捻り加えられた魅せられました。 主人公は嘘つきで本当の自分は決して表に出さないようにしている高校生の城原千太郎。そんな千太郎の嘘つきの才能を見抜いた後輩の霧乃雫が手掛ける自主映画制作に巻き込まれていくのですが、順調に撮影が進む中で起きたハプニングに霧乃の意図が隠されていたとしたら…?石田が脚本に込めたかったもの、桜の役者としての矜持、霧乃が本当に撮りたかったもの、千太郎が教えられた役者としての大切なことを活かして完成させたその先をまた見てみたいです。
  • よっち
    2023/12/22
    空っぽな自分は表に出さず、他人の仮面を被って毎日をやり過ごしていた城原千太郎。しかし『映画監督』の小悪魔かわいい後輩・霧乃雫と出会ったことで、自主制作映画に引きずり込まれてゆく青春小説。キラキラした顔で撮りたがる雫、人気者だが本性はサバサバ系女優の桜に、意外な才を見せた野球部のエース石田も加わりスタートした撮影。役者としてのイロハを叩き込まれながらの順調に思えた撮影が、思わぬトラブルから暗転してゆく展開でしたが、秘めていた信じるがゆえのこだわりに熱い想いでぶつかり合う彼らの今後に期待せずにはいられません。
  • わたー
    2024/01/04
    ★★★★★面白かった。嘘吐きで捻くれ者の主人公が、映画監督を自称する少女に脅され、半ば強引に自主制作映画に出演させられることになる青春モノ。空っぽな心を満たすかのように真に迫ったその場限りの嘘を重ねる主人公に演者としての才を見出したヒロイン。彼女を中心にした映画製作に巻き込まれることで空っぽだった主人公の心に情熱が燻ぶりだす。彼自身はそれを認めようとはしないのだけど、ある出来事をキッカケにその熱が溢れて…という展開は青春モノのお手本のようで面白かった。やっぱり主人公は、ずぶ濡れになっても泥まみれになっても
  • ひぬ
    2024/10/19
    ネタバレあり
    【読み放題】後輩女子・霧乃に脅迫されて彼女の自主制作映画に役者として出演することになった城原が、学級の人気者の桜や野球部の石田と一丸となって映画を撮っていく青春ストーリー。なんというか、ちょっと自分には合わなかったです。ギスギスしているのもまた青春の側面ではありますが、正直に言うと主人公とヒロインがかなり苦手なタイプ。嘘を重ねる城原の痛々しさもあり、霧乃もなんというか、少しひとりよがりのきらいがあると感じます。まぁ結局二人ともまだまだ子供ではあるのですがね…石田の属性過多のカオスさは好きでした。
  • なみ
    2024/02/18
    高校生の城原千太郎は、後輩の美少女、霧乃雫に脅迫され、彼女が監督を務める映画の役者をすることに。 千太郎の、直接外側に出てこないような、わかりづらい優しさや格好良さが巧みに表現されていました。 霧乃が本音を吐き出すシーンも良かったです。 青春のキラキラした部分だけではなく、痛々しさや苦しさも描かれた、等身大の作品でした。