砂時計のくれた恋する時間

発売日 : 2021/06/25
この恋の終わりと君とのサヨナラは同じ日だった――。
 親のいいなりに医師を目指していた高校生の秀星は、長く続く人生に嫌気がさしていた。そんな彼のもとに、一通のメールが届く。
「この夏を最後に、病気で死んでしまう女です。私と暮らしてくれませんか?」
 メールの送り主・笹音が患う“白砂病”は、徐々に身体が石化し、命を落とす不治の病。そしてそれは、傍にいる大切な人の命をも蝕んでいく。
 好きになって距離が狭まるほどに死が近付く二人の恋。その恋の果てに、思いがけない未来が待っていた――。

この作品をストアで探す

みんなにシェアしよう

メディアワークス文庫の新刊

  • 神様の御用人 見習い
    NEW
    神様の御用人 見習い
    神様にだって願いがある! 神様と人の温かい絆の物語、待望の新シリーズ!
    浅葉なつ (著者)
    発売日: 2025/07/25
    メディアワークス文庫
  • きみが死んだ八月のこと
    NEW
    きみが死んだ八月のこと
    謎とともに解けていく、この感情の行く先は――
    野宮 有 (著者)
    発売日: 2025/07/25
    メディアワークス文庫
  • 公爵家の長女でした
    NEW
    公爵家の長女でした
    これは、自分らしく生きることにした「公爵家の長女」だった私の物語。
    鈴音 さや (著者)
    発売日: 2025/07/25
    メディアワークス文庫
  • 旦那様、ビジネスライクに行きましょう! 下町令嬢の華麗なる身代わりウェディング 3
    NEW
    旦那様、ビジネスライクに行きましょう! 下町令嬢の華麗なる身代わりウェディング 3
    下町令嬢に最大の危機到来!? ウェディング・ラブコメディ第3巻!
    時枝 小鳩 (著者)
    発売日: 2025/07/25
    メディアワークス文庫
  • 転生厨師の彩食記 異世界おそうざい食堂へようこそ! 2 上
    NEW
    転生厨師の彩食記 異世界おそうざい食堂へようこそ! 2 上
    美味しい食堂、再び。中華転生お料理譚・第2弾!
    桂 真琴 (著者)
    発売日: 2025/07/25
    メディアワークス文庫

みんなのレビュー

  • よっち
    2021/06/26
    親のいいなりに医師を目指す人生に嫌気がさした高校生の秀星。そんな彼のもとにこの夏、病気で死んでしまう少女・笹音から一緒に暮らすことを提案するメールが届く青春小説。徐々に身体が石化し、命を落とす不治の病「白砂病」。少しずつ症状に蝕まれながらも、ドライブをしたりドローンを飛ばしたり、かけがえのない日々を過ごす中で思いを積み重ねて、距離が狭まるほどに死が近付く二人の皮肉な恋。一緒に死ぬために出会ったはずだった二人が見出したかすかな希望、そして諦めずに奇跡を信じ続けた先にあった結末にはぐっと来るものがありました。
  • 陸抗
    2021/11/19
    親の言いなりになる人生に嫌気が差し自殺願望を抱える秀星が、不治の病で体が石になってしまう白砂病の笹音と巡り合う。死を意識し、時には死から目をそらしながら限られた時間の中で夏を謳歌する二人だけど、いつまでも現実逃避出来ないと気がついてからの秀星の行動が熱かった。なかなか語らない彼の自殺願望の理由が、結果的に素敵なエンディングへと導いてくれたので、人生に無駄なことって意外とない気がする。今回の遠回りは二人に心の栄養を与え、前を向くのに必要な時間だったから。
  • 唯月
    2025/06/17
    ネタバレあり
    とても良かった。入り出しから引き込まれる。秀星と笹音が親しくなっていく過程や死への恐怖が見事に書かれていた。秀星の呪いにならないよう、笹音が自分の想いをずっと胸に秘めていた点が心に響いた。また、最後の展開には驚かされた。余命系かと思って読み進めていたのに、更に言うと二人とも砂になってエンドかな、なんて思っていたのに、笹音が生きられるなんて。治療法を見つける為に、秀星が医者を再び志す希望になったことも感動した。笹音の年上フェチは最後の展開への伏線的なものだったのかな、と思うと作者の技量に脱帽。
  • 彩灯尋
    2023/06/23
    石になって最後は砂になり消えていく奇病のある世界。自分の人生に嫌気が差し、自ら命を絶つことに決めた主人公と、致死率100%の治療法もない病気のヒロインが悔いなく過ごす、最後のひと夏の物語。病気ものは号泣とまではいかずともうるうるきちゃう。偶然だったけど夏に読めて良かったな。
  • かっぱ
    2021/07/09
    親の言いなりに医者を目指していた少年が余命わずかな難病を抱える少女と二人きりの生活を過ごすところから始まる物語。他人に伝染する、現代医療では治療不可能な"白砂病"を抱えた笹音が、自身の命に未練のない秀星と最後の夏を送る様はどこか眩しくて同時に痛々しく胸が軋む思いだ。生に執着しなかった秀星も次第に笹音と生きる未来を望むようになる展開があまりに切ない。ひと夏の出会い。不治の病。互いに惹かれる心。メディアワークス文庫らしい一冊が夏の物語を味わわせてくれた