熊本くんの本棚 ゲイ彼と私とカレーライス

発売日 : 2021/06/15
第10回Twitter文学賞国内編を受賞の問題作が、待望の文庫化!
顔よし、体よし、性格よし。そのうえ読書家。なんだか現実味のないイケメン、熊本くん。仲のよい大学生・みのりは、同級生から彼の噂を聞く。どうやら熊本くんが、ゲイ向けアダルトビデオに出ているというのだ――。
  • レーベル: 富士見L文庫
  • 定価: 726円(本体660円+税)
  • ISBN: 9784040741239

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みんなのレビュー

  • 黎明卿:新しきtakahiro
    2021/06/20
    ネタバレあり
    タイトルとあらすじだけではこの作品の全てを味わう事ができない。本の世界に入り込むことによって真の意味でこの作品の深淵に踏み込めることができ、ゲイの熊本くんの汚くて繊細な青春物語ってあるけれどその言葉だけでは括れない衝撃と胸に刺さる内容でした。ゲイカルチャーや新興宗教、呪い、不気味な義母、人間の醜さや欲望、情欲など色々と澱んだ空気が漂う世界で熊本くんの抱える繊細な心情・エロス・不安定さ・彼が辿る道に心が揺さぶられ引き裂かれるような痛み・涙が溢れ、第5章のみのりちゃんに巡り来る運命がもう最高としか言えない。
  • ぐっち
    2021/07/25
    期待と全く違うお話で戸惑った。いつもみのりにご飯を作ってくれる本好きの友人・熊本くん。いろんな本を薦めてくれるのかと思ったら…。家庭環境、思春期、宗教、ゲイカルチャー、重たい話がてんこ盛りの中の熊本くんの小説という名の自分のことを書いた文章。そして、どうなったのかわからないようなわかるようなラスト。力作であるのは間違いないが、読む人を選ぶ本だと思う。
  • 亜希
    2023/08/05
    ネタバレあり
    どこで知って何に惹かれて図書館で予約したのかももう忘れてしまったけれど、”意外な展開”という前評判だけは覚えていた。確かに意外…と言うか斜め上の展開だった(宗教とか霊能力とか…)。ただどちらかと言うと私は、この題名と装丁からそのまま思いつくような内容と展開のほうが良かったな。可愛いみのりちゃんとゲイの熊本くんが一緒にカレーライスを食べながら本棚見て本読んで、それでいいじゃない、と思ってしまいました。ちなみに装丁からは予想がつかない内容だけれど、この装丁自体は好きです。
  • よっち
    2021/06/15
    顔よし体よし性格よし。そのうえ読書家。なんだか現実味のないイケメン熊本くん。彼と何となくつるんでいる大学生のみのりが同級生から彼の意外な噂を聞く不器用な人々の物語。何となく居心地が良かった熊本くんの意外な秘密。明らかになってゆく絡み合う因縁と意外な繋がり、そして生々しく描写される突き付けられた呪いと閉塞感が強烈で、底なし沼に引きずり込まれるような感覚を覚えましたが、知りたいと思ったがゆえに失ってしまった居場所をいつまでも忘れられないみのりが、紆余曲折の末に巡り会った一冊の本がとても印象に残る結末でしたね。
  • そら
    2024/11/24
    ネタバレあり
    読み放題。途中、小説の話なのか現実ベースの話なのか唐突に境界がぐにゃっとなって分からなくなった。熊本くんの自叙伝?失明したの?最後に寄り添ってたのは先生?ってそこは創作??みのりは父親から虐待を受けてた?雰囲気が凄い話なんだけど、理解が及ばす難しくてとにかく性描写が鮮烈だった。読みやすいのに難解で、結局ふたりはどうなったんだと続きが気になる。