紙屋ふじさき記念館 物語ペーパー

発売日 : 2020/09/24
紙だから、伝わる気持ちが強くなる。 紙小物がつなぐ絆の物語。
名古屋で行われた紙こもの市への出店を手伝った百花と莉子は、終了後、美濃和紙の産地に立ち寄る一成に付いていくことに。和紙すきを体験したり、かつての職人たちの歴史を学ぶ2人。旅行中の会話で、忙しかった両親に代わり、一成が祖母で前社長夫人の薫子に育てられたこと、それで彼が紙に対して誰よりも愛情を抱くようになったことを知る。大手製紙企業の藤崎産業は同族会社で、先代の祖父から一成の叔父が現社長に就いていた。その息子で一成のいとこ浩介は、昔から何かにつけ一成をライバル視し、営業課長として記念館の不要論を唱えているという。「なくなることをあきらめていたけど、記念館は残さなくてはいけない、と思うようになった」。一成の言葉を受け、百花も奮起し応援する気持ちになる。ある日、浩介が顧客のジュエリーデザイナー雫を連れて、記念館に現れるが……。

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みんなのレビュー

  • しんごろ
    2020/11/15
    “温故知新”、“好きこそ物の上手なれ”いう言葉を、ふと思い出す。和紙に興味を持った百花が、和紙の素晴らしさを伝えるために、あれやこれやと努力していく姿は、微笑ましく応援したくなる。そんな中で、間違いなく嫌われるだろう浩介の存在も気になる。古き良きものを現代に残す。そして、舞台となる町すらさえも大切にしてる。優しく温かく丁寧にオブラートで包みこむようなほしおさなえワールドはいいね。いつか百花の父の小説も読んでみたい。
  • シナモン
    2021/05/15
    和紙をテーマにしたシリーズの2作目。美濃市和紙巡り、ちょっとしたライバル出現、お父さんの思い出…今回は前作よりもより楽しめました。人生の節目に紙漉きっていいなぁ。美濃市も魅力的で行ってみたくなりました。引っ込み思案だった主人公百花が記念館で働くうちに自信をつけて成長していく様子も微笑ましかったです(でも表紙のイメージとはちょっと違うんだよな💧)「文字箱」「物語ペーパー」、素敵なネーミングにもぐっときました。楽しく奥深い和紙の世界、続きも楽しみです。
  • カメ吉
    2021/03/01
    ネタバレあり
    シリーズ第2作目。今回も和紙に纏わるエピソードがたくさん盛り込まれ作家さんの前のシリーズ『活版印刷三日月堂』と同じく紙に関わる物への愛が十分伝わってきました。そして人と人の繋がりもこの作家さんのテーマと思われますがこの作品でも溢れてました。主人公の女子大生・吉野百花がアルバイト先の和紙の記念館で色んなアイデアを出して和紙の魅力を伝える商品を提案して実現していく展開は相変わらず楽しい。そして亡き父親で作家の吉野雪彦の作品を愛する人がまた登場して新たな展開が進みます。本当に和紙をテーマに人の繋がりが温かい。
  • mariya926
    2021/11/25
    『紙は昔から強い力を宿すものだった』和紙に惹かれて様々なアイディアを出す主人公。本来は内気な女子大生が和紙との出会いを通して変えられていくストーリーです。バイト先の記念館の館長もほとんど笑わない和紙オタクのような人。しかし和紙を残していきたいと、記念館を存続させたいと変わってきました。今回は実際に和紙作りを体験することや、和のアクセサリーの包装紙やサークルの栞、そして物語ペーパーのアイディアが出てきます。作家さんが考えられたアイディアなのかな?アイディアが面白かったです。
  • みっちゃん
    2023/04/02
    ネタバレあり
    待ってました!綺麗な紙を見るとまず「ブックカバーにしたい」と思う私。いつ、こんな品が登場するのか、と待っていた。今すぐにでもこの蠟引きの和紙、買いに行きたい!今はもうこの世にいない百花の父は、彼女のおぼろげな記憶の中だけでなく、その遺した著作を通して沢山のひとたちの生きる指針となっていた。「人はみんなひとりなんだ。だから生きているあいだは、まわりにいる人といっしょに過ごそう」心にじんわりと沁みる。