吸血鬼に天国はない 3

発売日 : 2020/05/09
監獄から抜け出した『死神』。死の匂いが充ちる街でルーミーたちは……。
「お兄ちゃんも真面目に生きて、天国を目指そうって気になってきたんですか?」
 個人でやっていた運び屋を、会社として運営し始めて早一月。恋人のルーミー、そして社員として雇い入れたバーズアイ姉妹たちとともに仕事を回す日々。経営は苦しいながらもシーモアは、情報屋のフランから「真面目」とからかわれるような幸せに浸っていた。
 だがある日シーモアのもとに捜査官から、ルーミーのもとに殺人株式会社から、脱獄した『死神』の捕獲・討伐に協力するようそれぞれ秘密裡に依頼が入る。
 一方、『死神』の手による連続殺人事件が巷を騒がせるようになり、街は徐々に無秩序がはびこるようになっていた。はからずも同時期、街には新たなる怪異が産声を上げようとしていて……。
  • レーベル: 電撃文庫
  • 定価: 737円(本体670円+税)
  • ISBN: 9784049130126

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みんなのレビュー

  • よっち
    2020/05/10
    運び屋を会社として運営し始めて早一月。シーモアのもとに捜査官から、ルーミーのもとに殺人株式会社から、脱獄した『死神』の捕獲・討伐に協力するようそれぞれ秘密裡に依頼が入る第三弾。ルーミーやバーズアイ姉妹たちとともに仕事を回す日々。シーモアとルーミーの少しずつ変わってゆく関係と、それぞれがアプローチする死神の真意。ルーミーはあくまで人外の存在で、シーモアもまた人並みの幸せを得るには少し壊れていて、けれどそんな二人の間で育まれてゆく「たしかなもの」が周囲の思惑なんて吹き飛ばしてしまう展開はなかなか良かったです。
  • まるぼろ
    2020/05/25
    さて今巻、会社として運営し始めた運び屋の仕事が安定し始めた頃、シーモアは「死神」を捕縛した捜査官から脱獄した「死神」の再捕縛と、あるもう一つの協力を依頼されるが…と言うお話です。今巻のエマにしてもそうですが、今巻でもあったシーモアの母親が言う「ちゃんとした」やブライアンの語る「正しさ」とは誰にとっての…と考えさせるものはありました。そんな中で「死神」に対して最後にシーモアが示して見せたものはとても爽快で説得力がある様に感じられました。シーモア達は兎も角エマと死神もこの先どうなるのか次巻以降が楽しみです。
  • サケ太
    2020/05/21
    人も吸血鬼も変わる。ある意味平凡で平和な生活。そんなシーモアとルーミーの元へ現れる『死神』。変化したその選択に突き付けられる、正しさ、後悔、過去。人ではないものと、人との関係。今巻は以前よりもその関係性に一歩踏み出したような気がする。それは“愛”なのか。まだまだこの街には闇がありそう。二人の選択は。“二人”の行く末は。非常に気になる。
  • ツバサ
    2020/05/11
    シーモアとルーミーが自身の変化に戸惑いながらも今の立ち位置を受け入れて、前に進んでいく。凄い遠回りだけど、その分確かな関係を築いていけるんだろうな。死神もそういうことかと。死神も迷いから抜け出せて良かったです。
  • のれん
    2020/05/09
    いや~良かった。 1巻とは違うセカイ系ラブコメって感じかな。今回は生々しい生活世間にスポットを当てて「普通」の憎らしさと壮大さの両面が描かれている。 普通を脱却したいと思う普遍の悪意。そこには逃避も殺人もある。しかしそうした他人の悪意につけ込んで不要な人間を殺そうとする「世間の普通」がある。 普通に悪意で抗う殺人鬼。普通を愛で彩って生きるシーモアとルーシー。小っ恥ずかしい気分になります(笑) 今まで以上に設定やキャラが生々しく入り組んでいて、読みにくい所もありますが、個人的には満足。