僕が僕をやめる日
発売日 :
2019/11/22
『15歳のテロリスト』著者が贈る、衝撃の慟哭ミステリー第2弾!
「死ぬくらいなら、僕にならない?」――生きることに絶望した立井潤貴は、自殺寸前で彼に救われ、それ以来〈高木健介〉として生きるように。それは誰も知らない、二人だけの秘密だった。2年後、ある殺人事件が起きるまでは……。
高木として殺人容疑をかけられ窮地に追い込まれた立井は、失踪した高木の行方と真相を追う。自分に名前をくれた人は、殺人鬼かもしれない――。葛藤のなか立井はやがて、封印された悲劇、少年時代の壮絶な過去、そして現在の高木の驚愕の計画に辿り着く。
かつてない衝撃と感動が迫りくる――緊急大重版中『15歳のテロリスト』に続く、衝撃の慟哭ミステリー最新作!
高木として殺人容疑をかけられ窮地に追い込まれた立井は、失踪した高木の行方と真相を追う。自分に名前をくれた人は、殺人鬼かもしれない――。葛藤のなか立井はやがて、封印された悲劇、少年時代の壮絶な過去、そして現在の高木の驚愕の計画に辿り着く。
かつてない衝撃と感動が迫りくる――緊急大重版中『15歳のテロリスト』に続く、衝撃の慟哭ミステリー最新作!
- レーベル: メディアワークス文庫
- 定価: 748円(本体680円+税)
- ISBN: 9784049128604
メディアワークス文庫の新刊
みんなのレビュー
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三代目 びあだいまおう2020/10/21300ネタバレありねぇ、ホントにそれ(殺人)しか選択肢がなかったの?読み入る程に、私自身の半ば恵まれた穏やかな人生に後ろめたさと罪悪感がよぎる。無戸籍者や施設出身者が背負う言われ無き理不尽、抗えぬ不条理。生い立ちの不幸は上書きできないの?背負わされた過去の不条理な荷物は一生下ろせないの?重苦しい混沌から生まれる悪魔、伝染する悪意、止まらない悪行。社会の歪が生んだ哀しき殺人鬼。小説内小説に滲む切なくか細い生命の叫び、法では抑えられない悪意の連鎖。残酷な物語の中の確かな救い。終盤に秘めたタイトルの深き意味に読者はきっと、慄く。
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ろくせい@やまもとかねよし2020/10/22286ネタバレあり心を締めつづけた読書。広大な絶望の沼。そこに架かるほとんど見えない細いロープを辿り、生きたい子どもたち。彼らは落ちたくないと切望することしかできない。肉体、知能、精神の成熟は、自身が辿った環境への無念、怨恨、そして脱出しか志向できない。しかも、その背面は死でしか想定できない。大人であっても親であっても多様な人間。利己にまみれた自己を形成する可能性を、頭で理解できる。そんな親をもつ、弱者でしかない子どもの理不尽な不幸も、頭で理解できる。すべてが仕様もない。しかし。。。腑に落としきれない切なさが余韻した読後。
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夢追人0092020/10/15213ネタバレあり帯に書かれた「衝撃作」「殺人鬼」という言葉がそれ程には胸に突き刺さらなかったのは今の時代の空気感のせいだろうなと思えますが、私達は幸福ボケして全てに白けてしまって無感動で他者への憐憫や思い遣りといった感情が欠落した人間性を深く反省して悔い改めなければいけないと痛感しますね。殺人鬼ではあっても悲惨な境遇や他人を思い遣る優しさから多くの読者は彼に同情して正義の立場の刑事達が逆に憎らしい敵役に思えて来るでしょう。そしてこの救いのある結末は著者の優しさ故で、二人に何時かきっと再会の時が来るだろうと信じたいですね。
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みっちゃん2021/02/02182諦め、悟ったような、でも何かを待ち焦がれているような悲しみに満ちた眼差し。こんな翳りのある面差しで辛い毎日を耐え忍んでいる子どもたちが今も沢山いるであろう、現実。守られ、慈しまれて、未来への夢と希望を胸いっぱいに溢れさせているべき存在が、何故こんな理不尽な扱いを受けなければならないのか。「死ぬくらいなら、僕にならない?」謎に満ちた、が余りにも軽い調子の言葉に、こんなに複雑で重すぎる思いが込められていたとは。驚きと悲しみと。そして、今はいない大切なひとの分までその生を全うして欲しい。強く願う。
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おしゃべりメガネ2020/10/03181思ってた以上に割りとしっかりとしたミステリーで、正直驚きました。しかし、やっぱりミステリーとしては若干薄味気味で、インパクトに欠けているように感じ、読後感がちょっと物足りなく思えます。主人公が'事件'を追っていく展開や、人のつながりをほどいていく過程は好きな描写だなと。物語としてはありがちといえばありがちな話でしたが、たまにはこういうシンプルな展開も悪くはないかなと。きっと本来はもっと感動すべきトコなんでしょうが、どうしても自分の年齢のせいか、この手の話は思ってるほど感動が大きくならなくなっています。
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