吸血鬼に天国はない

発売日 : 2019/08/10
運び屋の気まぐれと、吸血鬼の嘘。だけど、それは確かに恋だった。
 大戦と禁酒法によって旧来の道徳が崩れ去ったその時代。非合法の運び屋シーモア・ロードのもとにある日持ち込まれた荷物は、人の血を吸って生きる正真正銘の怪物――吸血鬼の少女であった。
  仕事上のトラブルから始まった吸血鬼ルーミー・スパイクとの慣れない同居生活。荒んだ街での問題だらけの運び屋業。そして、彼女を付け狙うマフィアの影。
 彼女の生きていける安全な場所を求めてあがく中で、居場所のないシーモアとルーミーはゆっくりと惹かれ合っていく。
 嘘と秘密を孕んだ空っぽの恋。けれど彼らには、そんなちっぽけな幸福で十分だった。
 人と人ならざる者との恋の果てに、血に汚れた選択が待ち受けているとしても。

 非合法の運び屋と天涯孤独の吸血鬼の共棲を描くファンタジーロマンス、開幕。


 
  • レーベル: 電撃文庫
  • 定価: 693円(本体630円+税)
  • ISBN: 9784049126709

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みんなのレビュー

  • よっち
    2019/08/11
    大戦と禁酒法で旧来の道徳が崩れ去った時代。非合法の運び屋シーモアのもとに、運んで欲しい荷物として正真正銘の吸血鬼の少女・ルーミーが持ち込まれる歴史ファンタジー。仕事上のトラブルから始まったルーミーとの同居生活。吸血鬼らしさを見せないルーミーと共に過ごすうちにシーモアの心境が変化してゆく中で、ふと気づいてしまったひとつの事実。確かに変わってしまった何かがあって、それでも二人の間には確かに育まれていたものがあって、ぶつかりあった本音の先にあった結末がとても自分好みでした。これは続巻に期待大の新シリーズですね。
  • まるぼろ
    2019/12/04
    大戦と禁酒法により既存の道徳が崩壊してしまった時代、運び屋のシーモア・ロードはルーミー・スパイクと言う名の少女を配達する依頼を受けるが…という所から始まるお話です。とても面白かったです。嘘だらけから始まったルーミーの本当の姿が明らかになるに連れて印象としてシーモアがどんどん空っぽになっていく様に感じた矢先の、あの赤ペンキの一件から最後までの展開は、とても曖昧だったシーモアとルーミーとの関係が明確に始まった様に感じられてとても良かったなと思いました。→
  • まりも
    2019/08/12
    運び屋と吸血鬼の物語ここに開幕。最初は何かが欠落した青年と何もかもがない吸血鬼の少女の逃避行を通じたボーイミーツガールなラブロマンスか?と思っていたが、どうやらこの作品そんな単純なものでは無いようだ。偽りの生活の中で変わり、育んでいくもの。そこにあるのは儚さであったり、切なさであったり尊さであったり、苦さと甘さであったり、そういったもの全てを煮詰めたナニカである。人と人では無い化物が二人で生きるために、これまでの自分を捨て去る。そんな変化を複雑に、そして鮮烈に描いた作品だった。いやはや見事だ。
  • 中性色
    2019/08/20
    悪魔城。というか、吸血鬼を扱ってる題材にも関わらず明確な吸血描写がない作品ってのも珍しいな。もしかしたら、最後のアレはそういうことなのかもしれないけども。相変わらずこの人は描写と距離感の測り方は絶妙だな。逆に言えば後巻に比べるとやや単調にもなってしまうので、前作と同じくそこは次に出てくるキャラ次第な所もあるのかな
  • た〜
    2019/08/23
    処女作以外の話。微妙賭博師さんと奴隷娘の話のほうが良かった。ドンパチに偏重し過ぎで主人公の思考も些か不自然ヒロインの魅力も最後の最後で若干見え始めたかな、程度。ラストになって少し面白みが出てきたから次巻まではとりあえず追いかけてみようかな。