死にたがりの聖女に幸せな終末を。

発売日 : 2019/02/09
それは、聖女が住まう箱庭に訪れる、ある終末期《ターミナル》の物語――。
日常は少しずつ、ただ破滅へと進んでいく……。
「連邦」と「帝政圏」の戦争。泥沼化した戦局を打破するため、「連邦」側はある禁忌に手を染めた。
 生み出されたモノの名は、『聖女』。
 短命という代償と引き換えに強力な異能を保有する少女型人工生命体。
 しかし長い闘争が両国に大きな疲弊を生み、無し崩し的な終戦が見え始めると、彼女たちの本格的な投入は見送られ――ついには『箱庭』と呼ばれた秘匿訓練施設ごと抹消、闇に葬られようとしていた。
 調律官――『聖女』たちの体調管理を目的とした医官――として赴任した“私”の視点から、少女たちの「最期」の日々を綴るファンタジー・ドキュメント。
  • レーベル: 電撃文庫
  • 定価: 693円(本体630円+税)
  • ISBN: 9784049124088

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みんなのレビュー

  • まりも
    2019/02/17
    これは戦争のために造られた兵器の少女達と、彼女達を見守る1人の男のかけがえのない日々を描いた物語である。俺はこういう作品好きなんだけど嫌いなんだよ。戦う為に造られたのに一度も戦うことなくその人生を終えることになる少女達。一瞬一瞬を生きる彼女達の儚くも美しい生命の輝きが心に突き刺さり、涙が溢れそうになる。どうしようも出来ない約束された終末が近づいて来ても決して明るさを失わない。他の誰が何と言っても彼女達にとっては幸せな人生なのだろう。遣る瀬無さと共に温もりも感じる。複雑な気持ちになる1冊だった。
  • まっさん
    2019/04/17
    ★★★★★ 大戦中遺伝子操作によって特殊な能力と引き換えに様々な代償と短命というアドバンテージを背負わされて創られた少女達「聖女」。身勝手に創られた彼女達は戦争の終結と共にその存在をなかったものにしようとする更に身勝手な運命を辿らされる。まだ見ぬ外の自由な世界への希望、生への嘱望を胸に迫り来る最期から足掻いて足掻き続ける彼女達の物語。中盤以降は涙なくしては読めない展開の連続で読んでいてかなり辛くなってしまうものの最後まで彼女達の物語を見届けずにはいられなくなった。後日談とかあればな〜と思ってみたり。
  • アウル
    2019/02/18
    ネタバレあり
    泥沼な戦争を打破する為に生み出されたモノ『聖女』。短命を代償に強力な能力を有する人工生命体な彼女達と体調管理を目的とした医官の「私」とのファンタジー・ドキュメント作品。兵器として生み出されたにもかかわらず停戦の為に一度も戦場に出ることなくその生を終えていく少女達、儚い生の一瞬一瞬を懸命に生きていく姿が読んでいて泣きそうになった。聖女達は辛い目にもあったけどハッピーエンドでよかった反面、”私”が取り返しのつかない事態になってしまっているのに自身を省みず彼女達の未来の為に文字通り命削っている姿が辛い。
  • 真白優樹
    2019/02/10
    二つの国が泥沼の戦争を繰り広げ終戦へと向かう世界で、秘匿され廃棄されようとする兵器の少女達と医官の男が終末へ立ち向かう物語。―――例えその生に意味が無くとも、確かにここに生きているから。 作り物の命でも確かに女の子。だけど遠からずその身に待つのは終末。救いは何処にもありはせぬ中、それでも生きる世界を探して抗う物語。儚く切なく希望はない。哀しくやるせない空気が流れる物語であり、その中にある尊い日々の温もりが心に痛くて甘い物語である。例え次の瞬間終わるとしても、何時でも共に。 うん、とても面白かった。
  • のれん
    2019/02/12
    バッドエンドを想起させる絶望系の物語。 異能の由来となる存在や追い回す敵の正体など、九〇年代後半から〇〇年代のアニメを思い出させる内容。 少女を死なせない。そのためだけに命を懸ける男の行く先は・・・・・・ シリーズ化あっても希望あるかなぁ