失踪holiday

発売日 : 2001/01/01
14歳の冬休み。私は、居なくなった――。
継母とケンカのすえ家出したナオは、敷地内の使用人の部屋にむりやり居座って家族の様子を観察することに…。居場所を求めてさまよう14歳が巻き起こすドタバタを描く表題作の他「しあわせは子猫のかたち」を収録。

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みんなのレビュー

  • mitei
    2018/08/19
    Gothのイメージで本書を読んだら、結末に驚いた。いずれの短編もほのぼのとしててよかった。
  • 夢追人009
    2020/12/05
    乙一さんの作品は警察が殆ど無能で事件を解決しないパターンが多いのですね。また途中にイラストが入る本は今ではもうないですがイイものですよね。『しあわせは子猫のかたち』は怖くない心霊ミステリー&幽霊の復讐譚でラストに漂う寂しさの風情がよかったですね。『失踪HOLIDAY』は殺人事件なしでも楽しめる極上のサスペンス誘拐ミステリー痛快作ですね。大金持ちの一人娘ナオと頼りない使用人クニコの警察を向こうに回した狂言誘拐劇の筈だったが実は?ヒロインのナオも警察も読者もまんまと騙されたけど大満足のハッピーエンドでしたね!
  • おしゃべりメガネ
    2014/03/06
    乙一さんの角川スニーカー文庫1作目となる作品です。表題作は誘拐騒動を軸にコメディチックに展開していきますが、時折シリアスな内容でもあり、ホロっとさせられたり、中盤からは地味にハラハラと立派にサスペンスしてくれます。話のオチとしては着地点が微妙な気もしなくはありませんが、まぁ、後味が悪いというワケでもありませんでした。個人的には『しあわせは仔猫~』のほうが断然、好みの作風で乙一作品の秀作『暗いところで待ち合わせ』を彷彿させてくれるステキなお話でした。ホラーながらも心温まる乙一作品を十分に堪能できました。
  • りゅう☆
    2014/12/09
    人との接触が苦手な僕が引越先の殺人事件のあった家で起こる不思議な体験や、そこで出会った子猫を通して変化する心境が最後の1行に込められて温かさを感じた「しあわせは子猫のかたち」金持ちの娘ナオがひょんな事から自作自演の誘拐劇を演じる「失踪HOLIDAY」ナオ語りで最初は彼女の考えや言葉にダルさを感じたが、使用人の娘の部屋で居候生活を送りながらの誘拐劇が進むにつれ見えてきた家族の本心を感じ取ったナオがだんだん可愛くみえてきた。2作品とも最後は乙一さんらしい予想外な展開の面白さに穏やかさも加わりいい読後感を得た。
  • とち
    2013/09/21
    ネタバレあり
    やられたやられたやられた!見事にやられましたよ!もークニコさんがめっちゃツボ。のんびりで鈍くてドジばかりで、でもいつも一生懸命で健気な彼女、イラストもまさにイメージ通りでした。二人の共同生活がいつまでも続けばいいのにと、残りのページ数が少なくなるにつれて寂しさを感じてしまいました。・・・と、そのままお嬢様と使用人の出会いと別れのお話で終わるのかと思いきや、そこからのまさかのどんでん返しには脱帽でございます。探すのに苦労しましたが自分にはそれだけの価値ある一冊でした。あと、こたつが恋しくなります(笑)