地球最後のゾンビ NIGHT WITH THE LIVING DEAD

発売日 : 2018/06/09
終末の世界で出会ったのは、笑顔が似合う死者の少女――。
全世界を襲ったゾンビパンデミックから5年後――、人類はほぼ全滅していた。
荒廃した東京をひとりさすらう少年ユキトはある日、「死ぬまでにやりたい10のこと」のため北海道を目指し旅をしている少女エコと出会う。
いつも笑顔で明るい彼女だが、その正体は他に例のない“ゾンビ化していないゾンビ”だった。
 彼女の死を見届けるため、人類の敵とふたり旅に出ることにしたユキト。決意を胸に、朝日とともにいざ出発しようとするとエコがかわいく抗議の声を上げた。
「ゆっくんは、デリカシーがないなあ。支度はすぐだけど、昼間は出たくないの」
 尖った口先が、つまらなそうに続ける。
「腐っちゃうから」

第21回電撃小説大賞≪大賞≫鳩見すた × 第24回電撃イラスト大賞≪銀賞≫つくぐの受賞者コンビが贈る、
愉しくも切ない、夜の旅路の物語――。
  • レーベル: 電撃文庫
  • 定価: 693円(本体630円+税)
  • ISBN: 9784048938730

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みんなのレビュー

  • まりも
    2018/06/12
    全世界を襲ったゾンビパンデミックから5年後、荒廃した東京を1人さすらう少年が"ゾンビ化していないゾンビ"の少女に出会う。これはそんな2人の旅を描いた物語。人が生きるために本当に必要なものとは一体なんなのか。この作品を読めばきっとその答えがわかる筈。死ぬ為の旅を始めた少年が、1人のゾンビ少女と出会い、彼女の明るさに触れていく事で、彼の死んだ心が再び生き返っていく。荒廃した世界だからこそ人との絆や温もり、そういったものの大切さをより確かなものとして伝えてくれる。心の琴線に触れる良い作品でした。
  • bookkeeper
    2019/03/27
    ネタバレあり
    ★★★★☆ 初読。ゾンビが人類を絶滅寸前まで追い込んだ後に、腐敗してほとんど姿を消した世界。生きる喜びを見失っている主人公は、意識と感情を持った変わり種のゾンビの少女に出会う。 切ない別れを予感させる色々な設定のお話しがありますが、「彼女がゾンビだから」というのは初めてです。ところどころ納得しにくい設定や展開があるものの、それらを補って余りあるのが、ヒロインの魅力です。二人が旅しながら交わす掛け合いの楽しさや深まる絆は、あの世界の夜の月ほどに輝いていました。「ふふん。いまのわたしには勇気しかないぜ」
  • ひかはる
    2019/05/30
    再読。エコの笑顔は勇気をくれる気がする。やっぱり良作だと思います
  • うまる
    2020/12/22
    【年末ゾンビフェア②】ボーイミーツガール(ゾンビ)もの。ゾンビパニックは収束したけど色々な物を失い荒廃した世界の中、死人のように生きている者と生き生きとしたゾンビの対比が面白い。終わりがヒシヒシと近づいているのに、笑顔を忘れず腐らない様に頑張ってるゾンビが可愛かったです。掛け合いもゾンビを活かしたツッコミ等あって楽しいので、暗くならず読後感も〇 個人的にはポメラニアンが出てきたので大満足でした。
  • まるぼろ
    2018/07/10
    インシデントと呼ばれる全世界を襲ったゾンビパンデミックから五年が経ち、僅かながらの人類と荒廃した世界だけが残った中で、ユキオはエコと言う名のゾンビ化していないゾンビの少女と出会うが…と言うお話です。とても良かったです。諸々な事情から消極的な死を望んでいたユキオが「余命」とも言える時間を妹との約束の為、何より自分の為に懸命に「生きて」いるエコとの旅の中で生きる事の意味を見出していく有様がとても良かったと思いました。最後にエコを見送ったユキオがイコやエコの祖父の住む故郷を目指すというのも→