幼女戦記 9 Omnes una manet nox

発売日 : 2018/01/12
幼女(バケモノ)さえ抜け出せぬ混沌。
療養・再装備のため、帝都へ帰還したレルゲン戦闘団。
そこで目にしたのは、死という非日常に慣れてしまった祖国の日常だった。
激烈に損耗し、閉塞感に囚われた帝国の世論は
あまりにも『勝利』を渇望してやまない。

そして新たにターニャに与えられた「無理」な仕事は、
潜水艦による敵戦隊の捜索撃滅。
秘密兵器はMAD手製の大型魚雷。

死力を燃やし尽くしてなお、その先にも暗闇が横たわる。
己に平穏を――。
ターニャのささやかな願望さえも、あまりに遠い。
出口のない戦争は激化の一途をたどる。
  • レーベル: その他単行本
  • 定価: 1100円(本体1000円+税)
  • ISBN: 9784047348776

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みんなのレビュー

  • 鱒子
    2020/12/14
    図書館本 他者を「ウォーモンガー(戦争狂)どもが!」思うターニャ デグレチャフ中佐。逆に自分がどう見られているか分かっていないのが笑えます。今回は人間魚雷に友好国訪問と大忙しでした。そんなターニャが夢見る印税生活(笑 しかし首都では不穏な空気が……まさか軍部によるクーデターが!?
  • なっぱaaua
    2018/02/17
    ネタバレあり
    とにかく凄い表紙だ。継続して読んでいる読者でないと買えないぞ。やはりヘビーノベルだ。戦争をしているのとしていないのではこうも食料事情も含む余裕が違うのか。東部があんなに大変なのに、平和な後方は規則規則規則。戦争なんてやるものではないな。メーベルト大尉、トスパン中尉生きてて良かった。戦局は更なる泥沼へ。友好国に攻めちゃいます?こんなに政治家は阿呆なのか。いや今も同じかも。軍が政治に介入するのを辛うじて留めているが、時間の問題か?暗い先行きどうなるか、次巻も楽しみにしたいと思います。
  • 鐵太郎
    2023/02/15
    東西両戦線とも膠着状態に陥ったことで帝都ベルンに帰還できたレルゲン戦闘団。とはいえ東部でのアンドロメダ作戦の失敗で帝国の兵站の余裕はますますなくなり、もはや破綻寸前。だから終戦をと主張する軍部に、我々は勝利していると確信する政府は耳を貸さない。なにやら第二次大戦末期の某国の立場を入れ替えたような状態でありますが、良識を持っている参謀本部の苦衷という設定に苦笑いです。そんな中で行われたV-2号による203航空魔導大隊の戦いは、サービスでしょうか。さて、敵も味方も無茶苦茶な状態の中で、戦いの次の様相は如何に。
  • つっちー
    ネタバレあり
    後方と前線の意識の乖離がおそろしい。 戦意高揚は大事だが、プロバガンダの失敗例だよね。 イルドアの豊かさが戦争のコストの高さを見せつけている。有人魚雷のエピソードがブラックユーモアとしてクスリとさせるけれども、同時にかつての日本のような悲壮感を感じてしまった。 政府に対するクーデターの火がチロチロとくすぶり始めていて、戦争の決着がどうつけられるかが予想しずらくなってきた。 終戦までは、もうそんなに時間がかからない気がするけれど...
  • 老眼のローガン
    2025/03/16
    【再び戦争の混迷が始まる】母国が舞台となり、1巻を思い出させるような先の読めない展開が最初から続く。スコップの話がやたらと詳しいと思ったら、実践投入されるなど。軽口や冗談が本編の展開に食い込んで伏線となるのがこの作品の見どころ。そうなると、本国の有様、将校の泣き言、各国の状況が先の予測困難な事態を予見するのは目に見えている。ドクトルの再登場もまた、読者にはうれしい。昭和時代のマッドサイエンティストよろしく、新発明が大爆発する。あがけばあがくほど泥沼が深くなる主人公。存在Xの出番もそろそろかな?