時をめぐる少女
発売日 :
2017/05/25
その並木道で出逢ったのは、 未来の「私」と過去の「私」。
並木道の奥にある小さな広場では、未来や過去の自分に逢えるらしい――。その日、九歳の葉子の前に現れたのは、恋人と婚約したばかりだという将来の自分自身で……。
母親との衝突、繰り返す転校、上手くいかない就活、そして不安が押し寄せる結婚。
いつも悩んで涙をこぼしてばかり。だけど、そうしてめぐっていく時間の先に、「私」は幸せを手に入れたのだろうか?
それぞれの時代、五月の憂鬱な一日。過去と未来が入り交じるこの特別な場所で、私はいつかの私と向かい合う。
母親との衝突、繰り返す転校、上手くいかない就活、そして不安が押し寄せる結婚。
いつも悩んで涙をこぼしてばかり。だけど、そうしてめぐっていく時間の先に、「私」は幸せを手に入れたのだろうか?
それぞれの時代、五月の憂鬱な一日。過去と未来が入り交じるこの特別な場所で、私はいつかの私と向かい合う。
- レーベル: メディアワークス文庫
- 定価: 649円(本体590円+税)
- ISBN: 9784048929608
メディアワークス文庫の新刊
みんなのレビュー
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佐島楓2017/06/0675ネタバレあり大人になってしまって失うもの。大人になって初めてわかること。そのバランスは、どの時点でとっているのだろう? 過去の自分に会える場所は、未来の自分に会える場所。主人公の葉子は、すごく幸せな女性だと思う。いや、断言できる。幸せなのだ、と。
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dr20062019/01/0755このタイトルから有名なSFを想起するが、本作の主題は主人公葉子の成長の物語。過去と今の自分が励まし合うことが「時をめぐる」という仕掛けだ。母の仕事の都合で転校が多い葉子は、転校の度にその学校のヒエラルキに馴染む為自我を殺し、同調圧力の強い世界に身を流していた。そのせいで葉子は自分の現実を正面から見れない。「鏡に映る女は私じゃない!」銀杏並木の奥にひっそりとある小さな広場には日時計があって、そこを時計周りに歩くと未来へ、反時計周りに歩くと過去の自分に会える。自分が自分に教わる深層とは。そこに精彩を放つ作品。
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まりも2017/06/0150未来や過去の自分に会えるという小さな広場。そこで9歳の葉子が婚約したばかりの将来の自分に会うところから始まるタイムリープ物語。作者さんらしい静かな物語ですね。タイムリープモノではあるけれど、重要なのはそこでは無く1人の少女が未来の自分に会ったことをきっかけに一歩を踏み出し、そして過去の自分に出会い背中を押してもらう。その時の流れを綺麗に描いたとてもいい作品でした。派手さも盛り上がりも無いけど、心にすっと沁みる良さがありますね。次回作も期待しています。
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よっち2017/05/2647未来や過去の自分に逢えるらしい並木道の奥にある小さな広場。九歳の葉子が恋人と婚約したばかりの将来の自分自身と出会う物語。離婚して一人葉子を育てる母親との衝突、繰り返す転校と親友との出会い、上手くいかない就活と大切な人との出会い、そして不安が押し寄せる結婚。自分の選択に自信を持てないがゆえに何かあるたびにこれでいいのか深く悩む葉子でしたけど、そこで一歩を踏み出すことでかけがえのない出会いがあって、それらが巡り巡って最初に背中を押してくれた未来の自分に繋がってゆく穏やかな結末は、とても素敵なものに思えました。
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ami*152017/12/2130ネタバレあり両親の離婚にショックを受けていた小学生の葉子が「とけいじかけのプロムナード」で出会ったのは結婚を控えた未来の自分だった。本当に自分は幸せになれるのか?時をめぐるうちに親友と呼べる存在やのちに結婚をする相手と出会うことになり、母からは父と別れた本当の理由を知る。小さい頃にはわからなかったことも成長するにつれて段々と意味がわかるようになってくる、1人の少女の心の変化がリアルに感じられました。悪い話ではなかったと思うけど、今まで自分が読んだ他の天沢さんの作品に比べれば今回の作品は魅力が薄めだった気がするかも。
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