君に叶わぬ恋をしている

発売日 : 2017/01/12
もう一度、会いたい人はいませんか。
バーを営む伊吹は、八年前のクリスマスに妻を亡くした。もう一度妻に会いたいと願う伊吹の前に現れたのは、「吾輩」と名乗る一匹の黒猫。黒猫は、客を感動させる酒をつくったら死んだ者を呼び寄せてやると言い――。
  • レーベル: 富士見L文庫
  • 定価: 660円(本体600円+税)
  • ISBN: 9784040721293

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みんなのレビュー

  • 佐島楓
    2017/01/16
    ネタバレあり
    男性陣にこんなしんどい思いばかりさせなくても・・・というのが正直な感想。まあ一般的に女性のほうが強靭な精神を持っていますが・・・。こんな身を削るような恋は、一生に一度できるかできないかだと思います。伊吹は幸せ者。
  • 吊り太郎
    2019/03/07
    京都の心臓を読んでから購入した作品。八年前の自分の誕生日に、突然の事故で妻のあかりを亡くした伊吹。あかりに会いたい一心で酒に溺れ、酔う事で会える一瞬のために、身体を壊して行く。。そんな時、一匹の黒猫が現れる。そんなに妻に会いたいのか?会いたければ私を感動させられる様な酒を作れば幽霊に会わせてやると言う。バーテンダーの伊吹は、黒猫に仕事以外では下戸にされてしまう。しかし、妻に会うために懸命に酒を作り続ける伊吹だが、、最後に全ての謎が明らかに。あなたに本当に会いたい人はいませんか?
  • はな
    2017/03/25
    ネタバレあり
    装丁買い。妻を亡くして自暴自棄になっているバーのマスターのもとに夏目漱石の猫と言い張る黒猫がやってくるファンタジー。猫の吐く石を集め天上にいる妻を呼び戻したいと仕事に打ち込む姿にここまで愛せるということに羨ましさも感じました。ただ、マスターもですが登場人物がじめっとしているというか暗い感じなのがどうしても読みにくさを演出している感じ。唯一漱石ご本人ははじけている感じだけれど、あまりページ数多くないのに1週間以上もかかってしまった。あっけらかんとしてほしいとは言わないですし、話として成り立たないと思います。
  • たるき( ´ ▽ ` )ノ
    2019/11/30
    なんと言ったらいいのか・・・難しい。亡くなった妻に会うために必死な主人公が痛々しくて、読むのが苦しかった。途中の出来事に度肝を抜かれ、その衝撃から立ち直れないまま結末まで読んでしまった。
  • すみの
    2017/05/02
    ネタバレあり
    不慮の事故で最愛の妻を亡くしたバー店主は、どうしても妻を忘れられず酒の力を借りるが、彼の寂しさを埋めるものは何もなく、読んでいて彼の辛さが伝わってくる。幽霊でも何でもいいから妻に会いたいという願いを叶えてやろうと喋る黒猫登場。別れた元カノを忘れられないバーのバイト君は不憫。元カノみたいな人間もいるんだろうなあ。店主同様、バイト君の気持ちが一途なところが救い。黒猫の秘密に驚いたが、この男性ふたり、そして彼らに恋する女性たちなど『叶わぬ恋』ばかりなのだ。最愛の夫を残して逝ってしまう妻の気持ちもわかり切ない。