有松恋染めノスタルジ-

発売日 : 2016/11/10
伝統が残る街・有松。ぶっきらぼうな絞り染め職人と紡ぐ恋の行方は――。
絞り染めの産地・有松。会社が倒産し、有松にある祖母の喫茶店を手伝うことになった雪奈は、あるとき常連客の絞り染め職人・沢口と知り合う。
沢口の表情の読めない、気ままな猫のようないつもの姿と、職人としての真剣な姿の違いにどぎまぎする雪菜。
有松の地で様々な人々と関わっていく中で次第に自分を取り戻していく雪奈だったが、沢口のとある秘密を知ることになり……。
古き良き伝統が残る街を舞台に、ぶっきらぼうな絞り染め職人と紡ぐ淡い気持ちの行方は――。
  • レーベル: 富士見L文庫
  • 定価: 638円(本体580円+税)
  • ISBN: 9784040720883

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みんなのレビュー

  • 佐島楓
    2016/11/19
    祖母が営む喫茶店を手伝う女性の淡い恋。和のものを絡めると、なんともいえない色気が出る。恋もきっとこれから、うまくいくだろう。
  • よっち
    2017/02/13
    会社が倒産し絞り染めの産地・有松にある祖母の喫茶店を手伝うことになった雪奈。そんな彼女が常連客の絞り染め職人・沢口と知り合い、有松の地で様々な人々と関わるようになる物語。表情の読めない気ままな猫のような佇まいの一方で、職人としての姿を見せる沢口と、今後を考えてゆく中で徐々に有松に居場所を見出してゆく雪奈。展開としてはシンプルでさらっと読めるような展開でしたが、長く伝統を伝えてきた街で時代に合わせて形を変えながらも伝えていこうという想いや、落ち着いた雰囲気の中での二人の関係はなかなか悪くない読後感でした。
  • 蝶よ花You
    2017/03/02
    着物や浴衣、染め物、和小物への熱が刺激される作品。今度時間が作れたら、最近直し込んでいる着物に風を通すのと、「有松」という土地へ職人仕事を見に行く予定を立てようと決めた今現在。影響されやすいんです、私(笑)主人公29歳。長年勤めた会社が倒産。今後を考える為祖母の実家を訪れて…。同じ様に改めて色々と顧みる時間を得ている私としては、何だか後押しされた気分。これから何かが始まろうとしているこの終わり方もなんとも良い。が、沢口の人の求める色が見える云々の設定は、もっと早くに出すか出さなくても良かったかも。でも良作
  • とも
    2017/01/22
    ネタバレあり
    試しに雪花絞りを検索したら色とりどりの反物が見れて色を決めるのが一番時間かかる、というのも納得の美しさでした。一時間ほどで読めるだけに全てにおいてあっさり。将来についても恋愛についてもいつの間にか丸くおさまってた、という印象です。エピソードから有松の観光を担っていくのかと期待したもののそこまで堀り下がらずだったのがちょっと残念。あと沢口さんの口調の幅が広すぎてキャラクターが(自分のなかで)ぶれてしまったように思います。
  • なな
    2018/10/18
    ネットの試し読みで第一章まで読んだところで、自分好みな小説だなと思い、購入しました。染め物メインかと思いきや、喫茶店が舞台なのも楽しめた要因です。こんなお店の常連になりたい、もしくは働きたいと思いました。全体的にゆっくりと穏やかに進んでいく物語と雪奈の芽生えていく恋心が丁寧に描かれていて、読んでいて優しい気持ちになりました。沢口の有松染めの伝統を受け継いでいく決意や姿勢がかっこよかったです。