いも-とらいふ 上

発売日 : 2016/07/09
シスコン&ブラコン兄妹の“一生”を描く、兄妹ラブコメ
「わたしのじんせーは、にーさんでほとんどだもん」
シスコン&ブラコンの"一生"を描く兄妹ラブコメ

夏休みの終わり。妹が俺に泣きついてきたのは、あちらが六歳で、こちらが十歳のとき。
珍しく側に寄ってきた妹の手には日記帳の表紙があった。目が合うとおずおずそれを差し出してきて、「てつだって」と、か細い声でお願いしてくる。
俺と妹の関係が始まったのは、その瞬間だと思った。
泣き虫で、根性がなくて、ぼーっとしてて、友達もいない、心配で放っておけない存在。
――それが妹だった。
「わたしのじんせーは、にーさんでほとんどだもん」
幼少時代からの成長、そして大人になるなかで選択した人生――。離れられない二人の"一生"を描く、ちょっぴり苦い兄妹ラブコメ。
  • レーベル: 電撃文庫
  • 定価: 649円(本体590円+税)
  • ISBN: 9784048922067

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みんなのレビュー

  • まりも
    2016/07/17
    シスコンの兄とブラコンの妹。そんな二人の幼少時代から大人になるまでの出来事を描いた心を抉る妹物語。心に突き刺さりすぎてツラい。久々に入間人間の作品を読んだけど、この人はやっぱり普通の作家さんとは一味違った物語を描きますね。世間とはズレた考えである"シスコン"というジャンルをどこまでも真面目に、そして現実的に描く事で兄妹の共依存的な不安定さ、周りから取り残される事への不安感が痛いほど伝わってきて辛かったです。こんなに先を知る事に不安を感じる作品もそうないよね。心理描写が完璧すぎるのも罪やな。下巻が怖楽しみ。
  • T.Y.
    2016/07/11
    3学年下の妹が生まれてから25歳まで、小学校の夏休みの宿題を手伝って以来、引っ込み思案な妹とその世話焼きを全てに優先してしまう兄の半生。実は妹の容姿が客観的に可愛いといった描写は存外少なく、兄が妹を措いて帰りが遅くなった時も家を出た時も、リアクションは控え目。あるのは徹頭徹尾、兄とは何か妹とは何か、自分はどんな兄でありたいのかという兄の自意識である。歪な庇護欲の挙げ句、妹に全てを捧げて多くを失った三十路の不安、妹も自分を必要としなくなったらという不安の重々しい心理描写は必読。味わい深くも衝撃の1冊。
  • かんけー
    2016/09/30
    ん~~?(^_^;)何と言ったら良いのか?最初は成長と進歩の無い妹を見守るシスコン兄の話しかと思ったらそうじゃないのね?兄ベッタリの妹に対し「俺が守る」?みたいな感覚だったのが小説デビューで自分から離れて行ってしまう妹を直接的な比喩は無いにせよ、羨んでいる?兄としての存在感ゼロでこの先どうするのねぇ...?確かに「いもーとらいふ」だよね。あらすじ紹介に兄妹ラブコメ?ってあるから下巻の展開に危機感を抱いたり?(^_^;)「..いや違う..違うな..」このセリフ怖いわ( ;゚Д゚)ガクガクブルブル
  • スー
    2017/03/21
    ネタバレあり
    所謂シスコン&ブラコンの話だが流石入間先生、重たいなぁ…章を追うごとに成長して行く妹と、彼女に対する兄の想いの変化が実に丁寧に描かれて行く。兄の妹への愛。たとえそれが社会的に望まれないものであっても構わない。人は一人では生きていけないというが、兄はその相手に妹を選んだだけだった。後悔はなかった。しかしその妹が夢を実現させ、兄との関係に変化が訪れた時、彼は妹に対する自分の感情に絶望する…もはやこの道しか残されていないのだ…「だってわたしのじんせーは、にいさんでほとんどだもん」下巻で兄妹の関係はどうなるのか?
  • Yobata
    2016/07/09
    夏休みの絵日記を手伝ったことから始まった妹との兄弟関係者。泣き虫で放っておけない,過保護な心配を向ける妹への思いは家族愛なのか?異性愛なのか?自分が望む妹との“普通”な日常とは…?入間人間が描く兄妹ラブコメということで、ただのブラコン×シスコンものではなく、兄が抱く妹への想いを中心に歪みや焦燥感を覆う一風変わったラブコメ。妹ちゃんのブラコンさは大いに出てるんだけど、兄の葛藤が全面的に出てるのであまりコメディ寄りではなく全体的に暗く入間作品らしい。大学で出来た彼女,就職した先のおばさん,両親と、妹と→