ブランコ乗りのサン=テグジュペリ

発売日 : 2015/12/25
わたし達は、花の命。今だけを、美しくあればいい。
20世紀末に起きた天災から数十年後、復興のために首都湾岸地域に誘致された巨大カジノ特区に、客寄せ目的で作られた少女サーカス団があった。選ばれた少女たちは観衆の憧れと熱狂を身に纏い、舞台に立つが……。

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みんなのレビュー

  • Shinji
    2016/06/09
    ネタバレあり
    天幕に覆われた果てしない舞台… 幻想的な中の一瞬の煌めき… 幼い頃連れられたサーカスに対峙した時の高揚が甦ったよう! 少女サーカス、曲芸学校というともすれば宝塚歌劇団を彷彿させるような女の園。男には思い付けないような悪意や葛藤、一つの価値に対する思いが霰もなく綺麗に描かれていましたね。愛される事に長けたアンデルセンが愛するものを守ろうとしたのも、カフカが微笑んだのも、永遠という不完全を求めるが故。最後に愛涙が求めた夢も、涙海が片脚を置いてきたブランコの上も一瞬という閃光の中で永遠をみつけたからかな♪
  • ゆんこ姐さん@文豪かぶれなう
    2016/05/25
    儚く脆い、一瞬の煌めきを、美しさを、命をかけて披露する少女サーカスの演目者たちの物語。双子の妹に代役を頼まれるブランコ乗りのサン=テグジュペリ、笑わない猛獣使いのカフカ、美しき娼婦の歌姫アンデルセン、折れそうな細さでパントマイムを演じる人形チャペック…。学園での熾烈な競争をを経て演目者となった彼女たちの、それは戦い。どの少女も美しく、脆く、そして強い。さすがは紅玉いづき。ずっと読みたくて読めていなかったが、やっぱり読んでよかった。ラストのサン=テグジュペリは良かったなー。やはり彼女は舞台にいてこそ。
  • らじこ
    2016/01/05
    文章は昔より読みにくくなった気はしたけれど、なめらかで艶やか。紅玉さんの一人称視点は新鮮でぐいぐい物語のなかに引き込まれた。相変わらず描写が詩のようで美しい。スポットライトを浴びるブランコ乗りに人魚のような歌姫、獣を友とする猛獣使いの少女たちの生き方は強くたくましく艶やかで、逆に男性の魅力の薄さが気になった。きっとアンソニーはいい男なのだろう。それが伝わらなかったのが残念だ。歌姫アンデルセンが守ろうとするサーカスの形が朧げであるのと、守り方の描写にももうすこし掘り下げが欲しかった。でもまた再読したい。
  • ゆかーん
    2016/03/30
    小さい頃から憧れていた夢を叶える為に、『少女サーカス』の空中ブランコ乗りになった双子の姉の涙海。彼女は『サン=テクジュペリ』と呼ばれ、人々から愛されていました。でも、ある日涙海はブランコから落下…。演技ができない彼女の代わりに、双子の妹の愛涙がその役を務めます。華やかな舞台とは裏腹に、彼女を妬む仲間たちの嫌がらせは絶えません。また、団長が彼女達の進退を、賭けの対象にしているという事実が発覚します。今後の行く末に不安を感じながらも、最後に『不自由なことは、美しいことよ』と言える涙海の強さに胸を打たれました。
  • まりも
    2016/01/07
    震災復興の名目で首都の湾岸地区に建てられた少女サーカス団。そのサーカス団で古い文学者の名を戴き、花形の演目を任されている少女たちの物語。とても面白かった。自分の稚拙な文章では言い表すのは難しいけど、この作品は傑作であることは間違いない。煌びやかで夢のある世界に永遠は無いという事を理解しながらも、刹那から永遠を求め、自分の全てを賭ける少女たちの姿はあまりにも眩しく、彼女たちの持つ覚悟に圧倒されてしまいました。少女たちの持つ儚さと力強さ、美しさを見事に描いた作者さんのセンス光る素晴らしい作品。おすすめです。