つめたいオゾン

発売日 : 2014/09/20
やがて現実で出会う二人は、ずっと夢の中で繋がっていた――
お互いの感覚を共有してしまう奇病を患った脩一と花絵。病を通じて彼らは出会い、やがて惹かれ合っていく。それはどちらの感情だったのか。心の融解を感じながら、二人が辿り着く未来とは。つめたく儚い人々の物語。
  • レーベル: 富士見L文庫
  • 定価: 682円(本体620円+税)
  • ISBN: 9784040702247

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みんなのレビュー

  • miroku
    2018/04/03
    他人と感覚を共有し、やがて思考・感情まで統合してしまう「アンナ・メアリー症候群」。難しい設定だと思う。唐辺葉介の、常に限界を突破しようとする姿勢が好きだ。
  • 唯月
    2025/05/01
    ネタバレあり
    発想が豊かで、面白くも不思議な物語だった。幼少期に夢の共有から始まり、二人の意識がやがて一つになる病気に患った脩一と花絵。オゾンという単語はちらっと出てくるものの、タイトルの意味はよく分からない。残り三十ページになっても好転する兆しが見えず、どう足掻いてもハッピーエンドにはならないだろうな、と思いながら頁を進めた。結局二人で一人となった脩一と花絵。バッドエンドとは言い難いが、なんとも言えない終わり方。全体的にじめじめしていて、特に花絵の人生は読んでいて暗くなった。なかなか考えさせられる話だった。
  • 訃報
    2016/07/16
    ネタバレあり
    今まで作者が書いてきた中で、最悪の物語なんじゃないかと思う。質が低いという意味ではなく、むしろものすごくよくできているのだけど、それゆえに救いの無さが際立つ。病気によって個と個の境がなくなる話であり、他者としてお互いを思う感情、すなわち愛も無化され、心には完全な平静が訪れるが、どう考えても作者はそれを肯定していない。ラストの「あやつり人形のような」「朗らかな笑顔」という表現を見ればわかる。主人公二人は、「朗らかな笑顔」をするような人間じゃなかった。特にヒロインの花絵は、不幸に塗りつぶされたような人生で、
  • uchi
    2022/11/23
    唐辺葉介さんの小説を読むのは初めて、別名義のテキスト作品を読んだことがあって大好きです。だからまあ、ラノベとはいえ一筋縄ではいかない作品だろうと読んで、その通りでした。どこまでも平坦な語り口で、奇病に冒された少年少女の生活が描かれる。お勧めはしないけど、おもしろいですよ
  • 片瀬
    2017/07/15
    つめたかったです。母親から偏った愛情と教育とある種の検閲を受けるも、内緒で賭け将棋喫茶の「将棋道場」に通い、プロ棋士を目指す少年・脩一。アルビノという遺伝子疾患により差別を受け、放火で家族を失い、その後も人間の悪意に苛まれた少女・花絵。二人は幼い頃から、両者の意識や感覚、記憶を共有してしまう難病「アンナ・メアリー症候群」を患っていた。他者の痛みを、真夏の日差しの鋭さを、わからない人々。その存在に深く傷つけられ、孤独を抱えた彼らだったが、幸か不幸か、奇病のために苦しみを分かち合い、再生の人生を歩んでゆく。