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角川ビーンズ文庫の新刊
みんなのレビュー
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チェシャ猫2016/08/1682小説しか読んでないから分かってなかったけど、太宰さんの優秀さがよく分かるお話。マフィアではものすごい人だったのね。前の感では優秀そうだけどという感じでしたが。内容的には、立場を超えた3人の友情が立場故に壊れ、そして無くなったものをそれぞれが惜しむ、悲しいお話。織田作はこれからも出ておかしくないキャラクラーでしたね。
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夜桜キハ2023/04/2073文章が素敵で、そして、泣けました。重く暗い闇に包まれたマフィアの世界が今回の舞台。太宰治の黒の時代……そしてそこからどのように更生したのか。何を思って消息を絶ったのか。それが全て書かれており、そしてそんな血に塗れた舞台の中でも素敵な「友情」があり深く感動したと同時に切ない、そして哀しみが襲いました。太宰治の孤独を見抜いた織田作が言った言葉が好きです。「人間失格」を読んだからこそ、太宰治の背景が分かって余計にリアル……。「この酸化する世界の夢から醒めさせてくれ」人の過去を描く哀しくも面白くて。次巻も読みます
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ひめありす@灯れ松明の火2014/09/1367僅かな先の未来。また死ねなかったよ、と今にも泣き出しそうな顔でいつも笑う君が、本当に雫を零すのを。その白皙の面差しを涙が伝うのを、引き延ばされた静謐の時間の中で僕は見る事が出来るのだろうか。誰にも頼らず、誰にも依存せず。ただ思うがままに三人で杯を交わし、くだらない事で盛り上がった。揃いのポーズで写真も取ったね。でも、出来るなら君に泣かないで欲しい。呆れた王だ、活かしてはおけぬとお人好しの君がなりふり構わず君の正義の為に、夕日の中を駆け抜けるような、そんな美しい光景が見たいんだ。それまで、長い長い、お別れだ
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佐島楓2023/04/0462一応刊行順に読んでいる。織田作之助の心情が細かく書かれることで、アニメしか見ていないわたしには理解が深まる部分が多かった。非常に切ない友情と、けれんみにあふれた戦闘シーンのコントラストがなんとも言えず良い。
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neimu2015/09/2761ネタバレあり娘の誕生日に娘に借りた本を読む早朝。実際の織田作之助はあまり好きじゃないので、この作品でこんなに格好良く描いて貰ってずるいと思う。(笑)でも、人間って、自分の出来なかったことを、将来の夢や憧れを他人に託すってことはよくあることなので、その延長線上の話と見た。最近有名な別の小説に描かれた太宰像を借りるとすれば、「お前はきりょうがわるいから、愛嬌だけでもよくなさい。お前はからだが弱いから、心だけでもよくなさい。お前は嘘がうまいから、行いだけでもよくなさい」を実行する太宰誕生のきっかけを織田作が作ったって話か。
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